更新日: 2021.05.06 子育て

児童手当法が改正で、年収が高い人はもらえなくなる?

児童手当法が改正で、年収が高い人はもらえなくなる?
児童手当法の改正で、年収1200万円以上の人は児童手当を受給できなくなるというニュースが報じられました。実際に、2021年4月15日に法律の改正案が衆議院で可決され、現在は参議院で審議されているところです。
 
では、その内容は一体どうなっているのでしょうか? 改正案を読み解いていきます。
※この記事は2021年4月22日時点の情報を基に執筆しています。
FINANCIAL FIELD編集部

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児童手当とは?

まず児童手当について簡単に解説します。児童手当は、「子ども・子育て支援法」および「児童手当法」に基づき支給される現金給付のことです。
 
現在の法律では児童の年齢や出世順に応じ、生まれてから中学校修了までの間に以下の額が毎月給付されています(毎年6月、10月、2月の年に前4ヶ月分をまとめて支給)。
 

児童の年齢 1人当たりの額
3歳未満 一律1万5000円
3歳以上、小学校修了前(第1子、第2子) 1万円
3歳以上、小学校修了前(第3子以降) 1万5000円
中学生 1万円

※e-Gov 法令検索 「児童手当法(第六条)」より筆者作成
 
また、児童手当の受給には所得制限が定められており、こちらは児童手当法施行令で決まっています。
 

扶養親族等の数 所得制限限度額 年収(目安)
0人
(前年末に児童が生まれていない場合等)
622万円 約830万円
1人
(児童1人の場合等)
660万円 約870万円
2人
(児童1人+年収103万円以下の配偶者の場合等)
698万円 約920万円
3人
(児童2人+年収103万円以下の配偶者の場合等)
736万円 約960万円
4人
(児童3人+年収103万円以下の配偶者の場合等)
774万円 約1000万円
5人
(児童4人+年収103万円以下の配偶者の場合等)
812万円 約1040万円

※内閣府 「児童手当制度のご案内」より筆者作成
※扶養親族等1人当たり、所得制限限度額に38万円を加算(扶養親族等が70歳以上の配偶者、または老人扶養親族の場合は1人当たり44万円を加算)
 
上記表の所得制限限度額を超えた場合は、児童の年齢などにかかわらず、1人当たり一律5000円の「特例給付」が支給されます。
 

今回の法改正案は何が変わるの?

今回の法改正案で何が変わるのかというと、前述した特例給付の部分においても所得制限が設けられるという改正になっています。現行の条文と改正案を比較してみます。
 

【現行】 児童手当法(特例給付)

「第二条 当分の間、第四条に規定する要件に該当する者(第五条第一項の規定により児童手当が支給されない者に限る。)に対し、国庫、都道府県及び市町村又は第十八条第四項各号に定める者の負担による給付を行う。」
 
出典:e-Gov 法令検索 「児童手当法」

 

【改正案】 児童手当法(特例給付)

「第二条 当分の間、第四条に規定する要件に該当する者(第五条第一項の規定により児童手当が支給されない者であつて、その者の前年又は前々年の所得が、当該者の扶養親族等及び当該者の扶養親族等でない児童で当該者が当該年の十二月三十一日において生計を維持したものの有無及び数に応じて、政令で定める額未満であるものに限る。)に対し、国庫、都道府県及び市町村又は第十八条第四項各号に定める者の負担による給付を行う。」
 
出典:e-Gov 法令検索 「児童手当法」、参議院 「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案」より一部抜粋

 
以上のように、改正案では児童手当法の特例給付について下線部の文言が改定されていることから、年収が高い人は対象外になるといわれています。
 
報道にある年収1200万円以上の人を児童手当の対象外とするという内容については、現時点では閣議決定での内容でありますが、今後、法改正の成立後に児童手当法施行令も改正され、上記の「政令で定める額未満」という部分が明確化されます。
 
なお、国の財政などの状況次第ではさらに改定される可能性もあるので、今後もニュースなどをチェックしておく必要がありますね。
 

まとめ

以上、児童手当法の改正について簡単にまとめました。
 
年収が高いと児童手当の特例給付が受けられなくなるという残念な改正案ですが、今後も年収条件などが改定される可能性は否定できませんので、ライフプランを立てるときには厳しめの想定で進める方がいいかもしれませんね。
 
出典
e-Gov 法令検索 児童手当法
e-Gov 法令検索 児童手当法施行令
内閣府 児童手当制度のご案内
参議院 子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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