片づけの美学98 新学年になって約1ヶ月。子どもの教材が処分できるベストな時期到来
配信日: 2021.05.09
少し時間がたち、新しいことがスタートした5月、6月は、「もういらないな」と踏ん切りをつけやすいころです。
さらに、前学年の記憶もまだ鮮明なので、子どもにとって思い出深いモノがどれだったか、残しておきたいと思えるものはどれかを、正確に判断できる時期でもあります。この時期を逃すと、「いつかチェックしよう」と思いながら、ズルズルと時間だけが過ぎてしまい、前学年の教材などたくさんのモノを処分する機会を逃してしまうかもしれません。
ほんの数時間の作業で終わることなので、腰を上げて取り組んでみませんか。
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
実は「捨てる」ことを迷う必要のない、不要なモノ
捨てることをためらう必要のないモノは、学用品にはとても多いです。それでも、「取っておくべき」と思い込んで、押入れやクローゼットに入れ込んでしまっていることも。
思い込みを捨て、事実を確認すると、案外捨てられるモノは多いですよ。どうしても処分の踏ん切りがつかない場合は、1年くらい寝かせる場所があれば、そこに移動させるのもOKです。
ただし、処分忘れにご注意ください。
■ノートや教科書
前学年の学習を復習する時に使うかもしれない、ノートは記念に取っておきたい、と感じるかもしれません。しかし、復習には、内容をコンパクトにまとめたテキストやワークが売られています。教科書をわざわざ読んで復習することは、ないのではないでしょうか。
ただし、中学・高校の5教科は受験に必要になります。処分せずに持っていたほうがよいですね。
■教科のファイルとその中身
紙ファイルなどでとじた、大量のプリントを持ち帰っていることもあると思います。二度と出番はありません。紙ファイル自体も新学年で新しいモノを購入しているので、不要です。ファイルはとじ具が紙ではないので、分別して処分しておきましょう。
■大量のテスト
子どもが小学校に入学して初めてのテストは大切な思い出でしたが、その後は増えるテストの数に驚くばかりでした。全部取っていると、大量になりすぎて、振り返ることもできないありさまに。すべて置いておくよりも、思い出深いテストだけ保管しておくほうが、見返しがしやすくてよいのではないでしょうか。
■学年だよりや学校のお知らせのお手紙
前学年のお知らせ内容が、今後必要になることはありません。万が一、必要になったとしても、学校に問い合わせれば、再度いただけたり、内容を教えてもらえたりすると思うので、紙を手元に置いておく必要はないと思います。
「捨てない」選択がおすすめのモノ
●中学高校の5教科の教科書や副読本
●名簿など学年みんなの氏名が書かれた紙
筆者の子どもが通う学校では、入学時には、クラス名簿を受け取りましたが、2年生以降のクラス名簿は配布されていません。学校によって対応は変わるでしょうが、名簿は同級生の名前を確認する時などに使うこともあるので、とりあえず長期保管がおすすめです。
●先生の転出入が書かれた紙
在籍されている先生の、転出入について書かれたお知らせも保管がおすすめです。今年度でなくても、いつか子どもがお世話になる可能性もあります。何かあった時に、移動前の学校や在籍期間などを知ることができます。
「捨てる」「捨てない」を迷うモノ
子どもの学校関連のモノで、特に絵や作文などの作品の処分は迷う気持ちがよくわかります。しかし、「子どもが捨てたがらないから」と、保管一択を続けると、大量になって、後からもっと大変になります。
自宅の保管スペースの大きさにもよりますが、一定のルール作りがおすすめです。例えば、
●写真に撮って処分
●紙の絵は保存、工作のような立体はしばらくしたら処分
●このスペースに入らない分は処分、など
自宅の大きさに合ったルールがよいと思います。処分する前には、少しの間でも壁に飾ってあげると喜んでくれます。できるだけ、子どもの意見を聞いて、対応してあげてほしいです。
片づけで子どもの成長を実感
子どもの持ち物を片づけるのはエネルギーのいることですが、ルールを決めて行うと、サクサク進めることができます。さらに、子どもの成長を実感できる貴重な機会でもあります。
去年よりも難しい勉強。上達した字。いろんな成長を見つけてあげてほしいと思います。
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表