更新日: 2021.05.07 暮らし

妊娠・出産費用はいくら準備すればいい?

執筆者 : 新井智美

妊娠・出産費用はいくら準備すればいい?
妊娠、そして出産にかかる費用は、原則保険適用外となるため、妊娠中そして出産時にどのくらいの費用が発生するのか、不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
今回は、妊娠・出産にはどのくらい費用が発生するのか、そしてそれに対する助成制度についても併せてご紹介します。
 
(注)妊婦健診費用・出産費用は、地域、病院、健診内容、出産時の状況によって異なります。また、妊婦健診の回数は妊娠中の母子の健康状態により異なります。本稿でご紹介する金額は一例です。
 
新井智美

執筆者:

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

聞くのは耳ではなく心です。
あなたの潜在意識を読み取り、問題解決へと導きます。
https://marron-financial.com

新井智美

執筆者:

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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妊娠中にかかる費用

妊娠が分かったら定期健診を受けます。初回の健診においては、全額が自己負担ですが、初回健診で妊娠が確定し、自治体の窓口で母子手帳と妊婦健診の受診票をもらうことで、その後の健診において自己負担額が軽減されます。
 

■妊娠初期〜6ヶ月(4週ごろ〜23週まで)

妊娠が分かったばかりの初期健診は、全額自己負担となることから、窓口で支払う額は1回あたり1万円~2万円程度です。初期健診は通常2回です。その後は、妊婦健診用の受診票を利用することで、自己負担額は1回あたり1000円程度です。
 
母子の健康状態が良好であれば、23週まで健診の頻度は月に1度です。妊娠中の状態に問題がなければ、妊娠6ヶ月までにかかる費用は初期健診の費用と合わせると、2万4000円~4万4000円程度が必要になります。
 

■妊娠7ヶ月〜9ヶ月(24週〜35週まで)

妊娠6ヶ月を過ぎ、安定期に入ったころから、それまで月に1度だった健診が月に2度になります。その際の自己負担額はそれまでと同じ、1回あたり1000円程度です。病院に行く頻度がおよそ2倍になるので、自己負担額合計は6000円程度と考えておくとよいでしょう。
 

■妊娠10ヶ月(36週〜出産まで)

妊娠10ヶ月(臨月)になると、いつ産まれてもおかしくない時期になります。したがって、健診は週に1度の頻度になります。そして、この時期では通常の健診に加え、赤ちゃんの心音を聴く検査など、これまでなかった検査が発生することから、1回あたりの自己負担額が3000円程度です。この時期の自己負担額の合計は、1万2000円程度かかると考えておきましょう。
 
<妊娠中の健診費用について>
妊娠中には、体重や血圧などの測定のほか、超音波検査、血液検査、クラミジア検査などさまざまな検査を行いますが、これらの費用は通常の妊婦健診同様、妊婦健診の受診表を提出することで助成され、別途費用が発生することは基本的にはありません。
 
ただし、病院によって異なる可能性があるほか、検査で異常が見つかった際の処置費用などについては、別途費用が必要となることも覚えておきましょう。
 

出産にかかる費用

出産の際、経膣分娩の場合は全額自己負担となります。帝王切開などの場合は保険適用となり、原則3割負担です。では、経膣分娩だった場合の自己負担額も含め、出産の際にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
 

■出産費用の状況

厚生労働省が発表している資料によると、2019年度の出産費用については以下のとおりです。
 

(参考:厚生労働省「第136回社会保障審議会医療保険部会 議事次第」(※1))
 

■出産費用の詳細

出産費用の内訳として、以下のようなものが挙げられます。
 
1.入院料
必要な場合は出産前から、そして出産後には母体が安定するまで約6日間入院します。その際にかかる費用です。産後の体調がよくない場合であれば、入院期間は長期化し費用負担がかさみます。また、公立の病院なのか民間の病院なのかによっても入院費用は異なります。
 
2.分娩料
経膣分娩であれば分娩室にて、看護師や医師の立ち会いのもとで出産します。その際にかかる費用です。帝王切開などであれば手術扱いとなることから、その分費用が高くなります。
 
3.新生児管理保育料
生まれたばかりの赤ちゃんの健康管理、そして保育にかかる費用です。
 
4.検査・薬剤料
出産の際、妊婦に検査や投薬が必要になった場合にかかる費用です。
 
5.処置・手当料
妊婦に対する乳房ケア、産褥(さんじょく)指導等にかかる費用です。
 
6.差額室料
出産の際、希望して差額が必要な部屋に入院したときに発生する費用です。
 
7.産科医療補償制度
分娩に関連して重度脳性麻痺となった赤ちゃんと家族の経済的負担を補償するとともに、脳性麻痺発症の原因分析を行い、再発防止に役立つ情報を提供する制度です。出産の際には、この掛金を支払う必要があります。
 
8.その他
文書料やお祝い膳など、医療外費用が当てはまります。
 
そして、上記で紹介した出産費用の詳細(公的病院)については、以下のとおりです。
 

 
これらの費用には、差額室料や産科医療保障制度、文書料などの費用は含まれていません。それらの費用を合計すると、実際にかかる費用は51万1444円です。
(参考:厚生労働省「第136回社会保障審議会医療保険部会 議事次第」(※1))
 

出産時に活用できる助成制度

このように、妊娠から出産までかなりの費用がかかりますが、現在では健康保険制度により助成が行われています。これらの助成金や手当金は、自分から申請しないと受け取ることができませんので、どのような助成金・手当金があるのか知り、忘れずに申請しましょう。
 

■出産育児一時金

出産育児一時金制度とは、健康保険法等に基づく保険給付です。健康保険や国民健康保険などの被保険者またはその被扶養者が出産したとき、出産に要する経済的負担を軽減するため、一定の金額が支給される制度です。受け取り方には以下の2つの種類があります。
 
1.直接支払制度
出産育児一時金の請求と受け取りを、妊婦などに代わって医療機関等が行う制度です。出産育児一時金が医療機関等へ直接支給されるため、退院時に窓口で出産費用を全額支払う必要がなくなります。
 
2.受取代理制度
妊婦などが、加入する健康保険組合などに出産育児一時金の請求を行う際、出産する医療機関等にその受け取りを委任することにより、医療機関等へ直接出産育児一時金が支給される制度です。
 
支給額は赤ちゃん1人あたり42万円です。直接支払制度が利用できる産院で出産すれば、産院には42万円を差し引いた金額を支払えば済むことから、会計時の支払い負担を軽減できます。
 
(参考:厚生労働省「平成23年4月以降の出産一時金制度について」(※2))
 

■出産手当金

仕事をしており、出産のために会社を休んだ場合に支払われるものです。出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合98日)から、出産の翌日以後56日目までの範囲内で、会社を休んだ期間を対象として出産手当金が支給されます。
 
出産日は、出産の日以前の期間に含まれます。また、出産が予定日より遅れた場合、その遅れた期間についても出産手当金が支給されます。支給額は1日あたり、以下の計算方法によって算出した額となります。
 
<支給額の計算方法(日額)>
(支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額の平均額)÷30日×2/3
 
(参考:全国健康保険協会「出産で会社を休んだとき」(※3))
 

まとめ

助成制度により、妊娠健診における自己負担額を軽減できます。しかし、出産の際には、出産育児一時金という助成制度はあるものの、まとまった費用が必要となります。できるのであれば、窓口で支払う会計時の負担を少なくしたいものです。
 
直接支払制度を利用できる医療機関であれば、この制度を活用して支払時の手間を軽減できます。また、出産時の状況によっては高額医療費助成制度を利用できることもあります。事前に病院に問い合わせるなどして準備しておきましょう。
 
(※1)厚生労働省「第136回社会保障審議会医療保険部会 議事次第」
(※2)厚生労働省「平成23年4月以降の出産一時金制度について」
(※3)全国健康保険協会「出産で会社を休んだとき」
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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