更新日: 2021.05.07 暮らし

お店での買い物はクーリング・オフの対象になるの?

執筆者 : 林智慮

お店での買い物はクーリング・オフの対象になるの?
クーリング・オフという制度があります。一定の販売方法の場合に、一定期間内であれば無条件で契約の撤回や解除ができる制度です。
 
60代のA子さんは、店舗で商品を購入しました。1週間後、同じ商品が2000円も安い値段で広告に載っていたので、前に買った商品をクーリング・オフして2000円安い値段になった同じ商品を改めて買いたいと思い、店舗にクーリング・オフしたいと伝えました。
 
しかし、店舗側からできないと言われました。諦めきれないA子さん、国民生活センターに相談します。クーリング・オフはできるのでしょうか?
 
(※この例は、国民生活センター 見守り新鮮情報「店舗での買い物は、クーリング・オフできません」の情報です)
 
林智慮

執筆者:

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

林智慮

執筆者:

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

いったん結んだ契約は取り消せない、が……

店舗での買い物をすることは契約行為です。消費者が「これを買います」という意思表示に店員が同意した時に、売買契約が成立します。口約束でも成立します。ただ、「言った」「言わない」のトラブルになるため、書面で契約内容を明確にします。スーパーマーケットなどでは、レジで店員と消費者が互いに確認して商品の引き渡しと決済をします。
 
ところで、買った商品が未使用のまま不要になった場合、返品はできるのでしょうか。
 
それはできません。いったん成立した契約は、不良品で使えないなどの理由がなければ、勝手にやめることはできません。最初から壊れている場合、壊れていない商品との交換を求めることができますが、店側が契約を守っている場合、返品はできません。もし、契約が守られなかった場合、裁判に訴え守らせることができます。
 
ただし、例外があります。消費者が未成年者の場合です(成年年齢は、令和4年3月31日までは20歳、令和4年4月1日より18歳)。未成年者が法定代理人(通常は親)の同意なしで結んだ契約は、本人か法定代理人が取り消すことができます。
 

店舗での購入はクーリング・オフの対象外

他に、特定商取引法によって定められている販売方法による契約の場合、無条件で契約解除できます(クーリング・オフ)。
 
特定商取引法は、違法・悪質な業者から消費者を守ることを目的とするもので、消費者トラブルが起こりやすい取引を対象に、事業者が守るべきルールと消費者を守るルール(クーリング・オフ等)が定められています(消費者庁「特定商取引法ガイド」より要約引用)。
 
特定商取引法の対象となるのは、訪問販売(8日間)、通信販売、電話勧誘販売(8日間)、連鎖販売取引(20日間)、特定継続的役務提供(8日間)、業務提供誘引販売取引(20日間)、訪問購入(8日間)です。
※( )内はクーリング・オフ期間です。
 
通信販売はクーリング・オフの対象外ですが、商品の引き渡し日から8日間は返品が可能です。特約があればそれに従います。店舗での購入は、特定商取引法の対象とならないので、A子さんは、クーリング・オフができません。
 
クーリング・オフは、事業者側からの不意打ち的な勧誘により落ち着いて考えらないままに契約してしまった場合に、もう一度しっかり考えるよう一定の期間が与えられ、期間内であれば無条件で申し込みの撤回や契約を解除できる制度です。そのため、あらかじめ表示された情報によりじっくり考えて申し込むことができる通信販売は、クーリング・オフの対象外です。
 
また、クーリング・オフ可能な取引でも、「使ってしまったら価値がなくなってしまう物」である消耗品(化粧品や健康食品等)を使ってしまった場合や、対価の総額が3000円未満の現金取引の場合はクーリング・オフができません。
 

店舗販売は対象外、でも……

店舗での買い物はクーリング・オフができませんが、業者が特定の方法で誘った場合はクーリング・オフの適用ができます。
 
例えば、路上で「アンケートをお願いします」と消費者を呼び止め、店舗へ誘導し契約させる場合(キャッチセールス)や、販売目的であることを明らかにせずに電話やSMSで消費者を呼び出す。
 
あるいは、他の人より特別な条件で契約ができると消費者を呼び出して契約する場合(アポイントメントセールス)は、訪問販売とされるので、クーリング・オフの対象となります。店舗への誘導が不意打ちだからです。
 
その他、店舗以外の場所(飲食店、展示会など一時的に借りた販売所等で店舗に類似するものとは認められない場所)での契約も、訪問販売に当たります。
 
クーリング・オフ以外にも、事業者のうそ(不実の告知)や、重要なことをわざと言わなかったことにより、間違って消費者が契約してしまった場合、消費者は取り消すことができます。
 
この取引はどうなの? 不安に思ったら188(消費者ホットライン)に相談しましょう。
 
(参考・引用)
消費者庁「特定商取引法ガイド」
国民生活センター 見守り新鮮情報第387号「店舗での買い物は、クーリング・オフできません」
消費者庁「契約について理解しよう」
 
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者