更新日: 2021.05.25 子育て

経済的に困難でも学業を諦めない! 支援策と期限の確認

経済的に困難でも学業を諦めない! 支援策と期限の確認
1波が収まっても2波3波4波と、新型コロナウイルス感染症の波が押し寄せています。なかなか通常に戻れませんが、長引く影響による収入減で学業を諦めてしまわないよう、さまざまな支援制度があります。
 
文部科学省ホームページに「経済的に困難な学生等が活用可能な支援策(令和3年4月~)」として、今、受けられる支援策が挙げられています。令和3年4月の時点でどのような支援が受けられるか確認をしておきましょう。
林智慮

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

高等教育の修学支援新制度も、家計急変にも対応

「授業料減免+給付型奨学金」の支援を受けられる高等教育の修学支援制度。日本学生支援機構の貸与型奨学金の令和3年度の受付は、令和3年4月から開始されています。
 
高等教育の修学支援新制度は春・秋の2回の募集があり、貸与奨学金については春に募集があります。各学校により申込期間が異なりますので注意しましょう。
 
ところで、申込期間外に親が病気で働けなくなった、被災して失職した等で家計が急変した場合は、次の募集まで待たなければならないのでしょうか。
 
いいえ、以前からある貸与型奨学金には、家計急変時に要件を満たせば、「緊急採用(第一種奨学金・無利子)」「応急採用(第二種奨学金・有利子)」の対応があります。
 
住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯が対象の高等教育の修学支援新制度も、家計急変の事由と修学支援新制度の要件を満たす場合は随時申し込みができます。
 
ただし、家計急変によりの申請ができる事由は、以下の場合に限ります(以下、文部科学省ホームページ(※)より引用)。

1、生計維持者の一方(または両方)が死亡
2、生計維持者の一方(または両方)が事故または病気で半年以上の就労が困難
3、生計維持者の一方(または両方)が失職した場合(非自発的失業に限る)
4、生計維持者が震災、火災、風水害に被災した場合で、
(1)1~3のどれかに該当
(2)被災により生計維持者の一方または両方が生死不明、行方不明、就労困難など世帯収入を大きく減少させる事由が発生した場合
該当しない場合は、通常の募集時期に申し込みます。

 

新型コロナウイルス対応休業支援金・給付金の期間延長

アルバイト収入が減少してしまった場合の支援策もあります。
 
事業活動の縮小している事業主が、労働者(学生アルバイト含む)を休業させ、休業手当を支払った場合に、その雇用維持の取組を助成金により支援する雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金があります(令和3年5月以降、状況により措置が縮減される予定)が、すべての事業所で活用されてないようです。
 
しかし、従業員から直接申請できる制度があります。新型コロナウイルス対応休業支援金・給付金です。
 
新型コロナウイルス感染症の影響で、事業主から時短させられたが休業手当を支払ってもらえない場合に、休業前賃金の8割(一部6割、上限1万1000円)が受給できます。
 
受給申請期限が、以下のように延長されています(令和3年4月時点の情報です。状況により、支援策・支援期間が追加されていきます。都度、確認をしましょう)。
 

<中小企業の場合>

令和2年10月~12月分は、令和3年5月31日まで。令和3年1月~4月分は令和3年7月31日までに延長。

 

<大企業の場合>

令和2年4月~6月分、令和3年1月8日~4月分ともに、令和3年7月31日までに延長。

 
該当する場合、申請をしましょう。
 
(注)「学生支援緊急給付金」は現在募集されていません。
 

その他、大学独自の制度

日本学生支援機構には、奨学金以外にも、企業や個人の方々の寄付を財源とした支援があります。新型コロナウイルス感染症対策助成事業として、日本学生支援機構から学生を支援する大学等へ助成金が交付されます。
 
対象となる事業は、学生が学生生活を行うための食料品・食事の提供などの「食」の支援、対面授業再開により自宅外生活を再開するにあたり、追加的に必要となる費用(アパートの契約費等)の「住」の支援等で、支援の内容は各大学により異なります。
 
また、高等教育の修学支援新制度の対象外の世帯で、新型コロナウイルスにより家計が急変した場合に、大学独自の授業料減免を行っている場合や、経済的に困難な学生に対して、授業料の納付猶予を行っている場合があります。
 
奨学金の申請も、在学中の学校を通して行います。経済的な理由で学業を続けるのが困難になった場合は、まず、在学している学校に相談しましょう。
 
その他、借り入れが必要な場合に、住民税非課税世帯であれば、緊急小口資金の特例貸付(最大20万円・住民税非課税世帯返還免除・申請期限が令和3年6月末日まで延長)、生活福祉貸付金の教育支援資金(最大月6.5万円・無利子)。
 
ひとり親世帯であれば、母子父子福祉資金貸付。その他、国の教育ローン等があります。返済不要のもの、金利の低いものを、計画を立てて利用しましょう。
 
(※)
文部科学省「新型コロナウイルス感染症に係る影響を受けて 家計が急変した学生等への支援等について(周知)」
 
(参考・引用)
文部科学省「経済的に困難な学生等が活用可能な支援策(令和3年4月~)」
文部科学省「新型コロナウイルス感染症に係る影響を受けて 家計が急変した学生等への支援等について(周知)」
日本学生支援機構
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」
厚生労働省「生活福祉資金特例貸付」
 
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者

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