更新日: 2021.07.02 その他暮らし

給与明細ってなにに使うの? 保管方法はどうすればいい?

給与明細ってなにに使うの? 保管方法はどうすればいい?
毎月給与の支払いとともに発行される「給与明細」をしっかりと確認・管理されているでしょうか。給与明細は雇用主から従業員に支払った給与の額と、健康保険や厚生年金保険料などの納付状況を証明する大切な書類です。
 
今回は意外と知られていない重要書類である給与明細が必要になるケースや適切に管理・処分するためのおすすめの保管方法などを解説していきます。
菊原浩司

執筆者:菊原浩司(きくはらこうじ)

FPオフィス Conserve&Investment代表

2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。

http://conserve-investment.livedoor.biz/

給与明細の使い道

給与は全額が支給されるわけではなく、所得税・住民税の源泉徴収や健康保険・雇用保険・厚生年金保険といった公的保険の保険料が天引きされ、従業員は残った金額を受け取っています。
 
この天引きされた保険料や税金は後に事業主から納付されていますが、まれに納付忘れなどのミスにより保険料や税金が未納となってしまう場合があり、従業員は保険料・税金の納付を求められてしまうことがあります。
 
こうしたミスが生じた際、保険料が天引きによって自身は支払っていることを証明するのに給与明細は有効となります。特に給与明細が重要となるケースとして、転職に伴い離職する際、離職票を添えてハローワークへ雇用保険の失業給付(求職者給付)を請求するシーンが想定されます。
 
離職票には勤務期間中の給与が事業主によって記入されており、その金額によって失業給付の金額が算出されますが、給与明細は離職票に記入されている給与が正しいものであるかを確認する重要な書類となります。
 
失業給付は転職活動期間の生活を支える資金源となりますので、正しい給付を受けられるように給与明細を保管しておき、金額に誤りがないかを自身で確認できるようにしておきましょう。
 

給与明細の保管方法

給与明細は賃金・収入に関するさまざまな証明に利用することができますが、利用できる期間には限りがあったり、保管期間が定められていたりする場合もあります。
 
例えば、未払い賃金に関する請求期間は5年間が限度となっていますし、確定申告で利用した場合は5年間の保管義務がありますので、最低でもこの期間は保管しておく必要があります。
 
この際、年度別にクリアファイルやレバーファイルなどに挟んで保管しておけば場所もとらず紛失予防対策にもなるほか、不用となった給与明細を処分する際に取り違えによって保管期間中であった給与明細を処分してしまうリスクを減少させることができます。
 

給与明細をなくした場合

事業主には従業員への給与明細の発行が義務づけられていますが、再発行は義務づけられていません。
 
万が一給与明細をなくしてしまった場合は、再発行を事業主に依頼することになりますが、応じてくれるかどうかは任意となってしまいます。給与明細は重要な書類であると認識を持ち、自身でしっかりと保管・管理ができるようにしておきましょう。
 

まとめ

給与明細は保険料の納付を証明したり、雇用保険の失業給付を受ける際、その金額が誤っていないかを確認したりする従業員にとって重要な書類といえます。
 
また、給与明細は振り込まれる金額に目が行きがちですが、天引きされている社会保険料などの控除内容こそが重要な項目といえます。さらに残業代の計算ミスなどにより未払い賃金が生じていないかも注意したいポイントです。
 
近年はオンライン化が進み、給与明細を実際に見たことがない、見ても印刷まではしないといった方も多いかもしれませんが、離職した後では給与明細を印刷することができません。必要となってから慌てて準備するのではなく、普段からしっかりと印刷して管理しておくことが大切です。
 
執筆者:菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表

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