更新日: 2021.07.06 その他暮らし

転職時に役に立つ退職金の知識

転職時に役に立つ退職金の知識
日本でも、転職することがキャリアップのステップの一つになりつつあるようです。
 
ただ、転職する際には退職金制度について考えることも必要です。退職金は生涯収入の中で占める比率は低くないので、転職によって生涯収入が少なくなることはあまり望ましいことではないかもしれません。
 
ここでは転職と退職金の制度について学んでみましょう。
植田英三郎

執筆者:植田英三郎(うえだ えいざぶろう)

ファイナンシャルプランナー CFP

家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。

退職金制度の種類

退職金制度のある会社は、厚労省の調査では80.5%(※1)になっています。近年は退職金のない非正規雇用が増えていますので、非正規を含めた勤労者全体では、退職金を受け取れる人の割合はもっと下がると見ることもできますが、多くの人の生涯収入においては大きなウエイトを占めるでしょう。
 
退職金の制度には、退職一時金制度、退職年金制度(企業年金制度)のほか、前払い退職金制度があります。前払い退職金は、企業の役員や従業員の退職金を給料に合算して前払いで支出するケースです。
 

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退職金の算定方法

退職金は、定年退職のときだけではなく、転職時にももらえることがあります。転職時にどれだけの退職金がもらえるかは、退職金の算定方法によります。算定方法は4つあり、企業ごとに違ってきますが、これらを組み合わせて運用されています。
 

基本給連動型

基本給連動型は、退職時の基本給に勤務年数ごとの率を掛けて算出する方法で、退職金算定の基本になったものです。その後、基本給が急激に上がる時代に制度の見直しが行われ、別テーブル型やポイント制が出てくることになりました。
 

別テーブル型

基本給とは別の基準額(退職金算定用基本給)を設定して、その数値に役職・等級や勤務年数を掛けて算出される方式です。退職時の等級や役職が、退職金に反映されることの善しあしがあるといわれています。
 

定額制

退職時の基本給とは関係なしに、勤続年数や退職事由などによって、退職金額を定めている制度です。従業員にも公表されているケースの場合は、自分の退職金額が事前に分かるシンプルな制度といえるでしょう。
 

ポイント制

ポイント制には、勤続年数ポイントと資格ポイントがあり、1年勤務ごとにポイントが付与されます。合計ポイントにポイント単価と退職事由係数を掛けて算出される方法です。
 

●制度の仕組みが分かりやすいので従業員のモチベーションにつながる。
●中途採用者も不利が少ない。
●退職時までの全期間の貢献度を反映できる。

などがメリットとされています。
 

転職時にいくら退職金をもらえる?

転職時にいくら退職金がもらえるかは、会社ごとの規定によってそれぞれですが、自己都合退職か会社都合退職かに加えて、勤続年数によって変わってきます。
 
自己都合と会社都合の退職金の違いは、勤続年数によることが一般的です。この2つの違いを勤続年数別に見てみると、会社都合退職を100とすると、自己都合退職時では3年57.7、20年78.7、30年93.6になっています。((※2)を元に筆者算出)
 
勤続年数は退職金を決める設定値の大きな要素ですが、3年以内に自己都合退職した場合は、厚労省のデータでは26.7%の会社で退職金がゼロになっています(※2)。
 
また、DC(確定拠出年金)に加入している場合、転職の際は会社間で持ち運べる制度(ポータビリティ)があるのですが、確実に移管できるかどうか確認が必要です(※3)。
 

まとめ

退職金で損をしないためにも、転職で会社を辞める前には、現在の会社と転職後の会社の退職金制度を含めた就業規則を確認することが大切です。
 
また、ある程度の年齢で勤続年数が長い場合は、退職金にかかる所得税を確認することも必要でしょう。退職金の所得税は給与所得の計算とは別計算になり、年数に応じた退職所得控除があります。
 
転職はキャリアアップのきっかけにもなりますが、転職を何度も繰り返すことは、生涯収入では決してプラスになりません。転職時にはそれをカバーできるだけの収入が必要になるかもしれないので留意しましょう。
 
出典
(※1)厚生労働省「退職手当制度がある企業の割合」
(※2)厚生労働省「通達で示す退職手当に関する調査(案)」
(※3)厚労省「確定拠出年金制度の概要2-(3)」
 
執筆者:植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP

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