更新日: 2021.07.06 その他暮らし

「メインバンク」と「サブバンク」ってなに? 賢い使い分け方法

執筆者 : 遠藤功二

「メインバンク」と「サブバンク」ってなに? 賢い使い分け方法
近年、インターネット専業銀行(ネット銀行)を中心に新しい銀行を目にすることが増えてきました。コンビニやスーパーマーケットのグループのブランド名が付いた銀行も存在します。それぞれの銀行には特徴があり、上手に利用すると振込手数料、金利、ポイントなどの面でお得になります。
 
現代はメインバンクとサブバンクといった形で、2つ以上の銀行口座を使い分けている方は少なくありません。この記事では、メインバンクとサブバンクをどういった観点で使い分ければ良いのかを解説します。
遠藤功二

執筆者:遠藤功二(えんどう こうじ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券とオーストラリア・ニュージーランド銀行の勤務経験を生かし、お金の教室「FP君」を運営。
「お金のルールは学校では学べない」ということを危惧し、家庭で学べる金融教育サービスを展開。お金が理由で不幸になる人をなくすことを目指している。

メインバンクとは

一般的に個人にとってのメインバンクとは、給与や年金などの定期的な収入が振り込まれる銀行口座のことをいいます。各種料金の引き落としやローンの返済、資産運用の管理などをメインバンクの口座のみで行っていると、一見シンプルに見えますが、お金の出入りが口座内で複雑になり、収支や資産の把握が難しくなることがあります。
 

サブバンクとは

サブバンクとはその名のとおり、メインバンクの補助として使う銀行です。例えば毎月の定期的な振り込みがある方は、振込手数料が安いネット銀行をサブバンクとして使うことで支出を抑えることができます。また、証券会社の提携先にあるネット銀行をサブバンクとして利用することで、資金移動がスムーズになり、投資機会を捉えやすくなります。
 
このようにサブバンクを目的別に使い分けることで、お金の管理がしやすくなるなど利便性のメリットのほか、経済的なメリットも享受することができます。
 

サブバンクの選び方

サブバンクを選ぶときは、 経済性と利便性の観点で選ぶとよいでしょう。 もちろんサブバンクを1つに決める必要はありません。特徴の異なるサブバンクを複数持つ方もいます。 ここからはサブバンクを選ぶ際のポイントを解説します。
 

振込手数料の安さ

振込手数料が無料になるという理由でサブバンクに口座を保有している方は少なくありません。口座を保有しているだけで無条件に月数回の振込手数料が無料になる銀行があります。また、預入残高や住宅ローンの利用の有無などによって顧客のステージランクが上昇し、振込手数料が無料になる回数が増加する銀行もあります。
 
メインバンクから振込手数料が安いサブバンクにお金を移し、サブバンクから各種の振込手続きを行うと手数料を減らすことができます。
 

金利は高いか

多くの銀行で日本円の普通預金の金利は、ほぼ0%に近い状態が恒常的になっています。ところが、銀行が指定する条件を満たすことで、預金金利に0.1%などの高い金利を付与している銀行はあります。例えば0.1%の普通預金金利が付けば、300万円の預金金額で、年間3000円(税引前)の金利が付くことになります。
 
こうした銀行をサブバンクとして、投資には回せないような教育費や住宅購入時の頭金などの使用予定資金を一定期間置いておくといった利用の仕方をすると合理的です。

ポイント制度はあるか

ポイント付与のルールは必ずチェックしましょう。例えば、所定の取引を行うことでポイントが付与されたり、デビットカードの利用でポイントが付与されるなど、銀行によって条件はさまざまです。自身のライフスタイルに合わせて、ポイントが付きやすい銀行を選ぶとよいでしょう。
 

連携機能はあるか

銀行が属するグループ内に証券会社がある場合、証券投資をした際に銀行の預金を自動的に証券口座に移動させるサービスを利用できる場合があります。このような銀行口座に投資資金を入れておくことで、振込手続きなしに証券投資を行うことができます。
 

サブバンクの口座を持つデメリット

あまり多くの銀行口座を作成すると、資産の管理が複雑になります。また、預入資産の額は ステージランクに影響するので、資産を分け過ぎるとそれぞれの銀行でランクが上がらないという現象が起きる可能性があります。
 

まとめ

サブバンクを選ぶ際には目的を決めて検討するとミスマッチが起きにくくなります。振込手数料を重視するのか、金利やポイントを重視するのか、投資口座との連携機能を重視するのか、といったように目的意識を持って銀行探しをすると自分に合ったサブバンクが見つかるでしょう。
 
執筆者:遠藤功二
1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)