更新日: 2021.07.21 その他暮らし

乳がん・子宮頸がん検診の無料クーポンが受け取れる年齢とは?

執筆者 : 宮﨑真紀子

乳がん・子宮頸がん検診の無料クーポンが受け取れる年齢とは?
一定の年齢になると乳がん・子宮頸(けい)がん検診の無料クーポンが届きます。無料クーポンはどういった方が対象で、何歳時点で届くのか、解説します。
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

定期的な“がん検診”で早期がんを発見

毎年6月頃になると役所から「がん検診等のご案内」が届くのをご存じですか? 対象者が定められていますので、隣人は届いたのに私は届かないのはどうしてかな、と疑問に思われた方がいるかもしれません。
 
厚生労働省のホームページ(※)によると、「厚生労働省においては、『がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針』を定め、市町村による科学的根拠に基づくがん検診を推進」とあります。
 
指針で定められた内容は図表1のようになります。対象年齢や受診間隔は、科学的根拠に基づき精査した結果と考えられます。例えば、子宮頸(けい)がんは近年20歳代より急速に増加していますので、対象年齢もそれに適応しています。
 


 

少ない費用で受診しやすい

国の指針は上記のとおりですが、具体的な受診方法などを東京都大田区の例で見てみます。これらは自治体によって異なりますので、あくまで一例です。詳細などは、お住まいの役所に問い合わせてください。
 
がん検診の制度ができていても、受診するか否かは、利用のしやすさが鍵となります。受診までの流れは以下のようになっています。


(1)がん検診等の案内と受診券が郵送で届く
(2)受診券に記載の検診から、受けたい検診を選ぶ
(受診券には、受診対象となっている項目が記載されています)
(3)実施医療機関一覧から医療機関を選び、検診ごとに予約する
(4)受診する
(5)結果をきく

持ち物は、受診券・保険証・自己負担金などです。詳しくは医療機関などに問い合わせてください。
 
あらかじめ日程が指定された集団検診を選ぶこともできますが、自宅近くの医療機関で都合の良い日程で受診できることは、とても便利です。気になる自己負担額は図表2のようになっています。受診時に医療機関の窓口で支払います。
 


 
乳がん・子宮頸(けい)がんの検査は、政府指針で2年に1回の受診となっています。大田区では毎年受診できますが、年齢を分けて自己負担費用を定めています。生活保護受給中の方、中国残留邦人等支援給付受給中の方は、負担を免除されます。
 
案内には人間ドックなどで受診した場合の費用の概算も記載されていますので、ご参考にしてください。比べてみると、お得に利用できることが分かります。「この金額で安心を得られるなら受けておこう」と思える設定です。
 
大田区の場合、上記5つのがん検診に加え、区独自で咽頭がん・前立腺がんなどの検診もあわせて行っています。会社の健康診断や主婦検診などで受けていない検診項目があれば、この機会に受診すると良いと思います。
 

コロナ禍で検診や受診が減少

日本経済新聞(2021年6月30日付夕刊)「がん社会を診る」(※3)に気になる記事を見つけました。
 
東京大学特任教授 中川恵一氏によると、乳がんの手術件数に関して2020年4月~12月と2019年の同時期を比較すると、19%減っているというのです。ステージ1までの早期乳がんに限ると27%も減っているといいます。
 
これは、がん研有明病院(患者数日本一のがん専門病院)のデータですが、コロナの影響で、検診や受診を控えての結果だと推察できます。がんに罹患(りかん)された知人などから「早く見つかったので、治療がスムーズだった」という声を聞きます。
 
早く見つけて、早く治療することが、早い回復につながる可能性があります。医療技術の進歩で、がん治療の選択肢も増えました。早期なら治療方法を選ぶことも可能です。「大丈夫」と過信せずに、がん検診を積極的に受診することが大切です。
 
出典
(※1)厚生労働省「日本の健診(検診)制度の概要」
(※2)大田区「令和3年度 大田区 がん検診等のご案内」
(※3)日本経済新聞「懸念される「超進行がん」 検診控えで早期がん減少」2021年6月30日付
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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