更新日: 2021.08.06 その他暮らし

産後の不安と不妊治療の実態とは? 不妊治療の支援拡充、いくら補償される?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

産後の不安と不妊治療の実態とは? 不妊治療の支援拡充、いくら補償される?
今年1月から、特定不妊治療費用の支援が拡充されました(※1)。不妊に悩んでいるものの、経済的な理由から諦めざるを得なかった人も少なくなかったなか、やっと少し光が見えてきたといえる状況ではないでしょうか。
 
さらに今後、国は不妊治療に公的医療保険を適用することも検討しているとのこと(※2)。少子高齢化への対応にやっと国が本腰を入れ始めてきたといえるのかもしれません。
 
そんな現在、女性の不妊治療の実態や産後の不安などはどのようになっているのでしょうか。株式会社カラダノートが発表した「産後の不安と不妊治療に関する意識調査」の結果(※3)を見てみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

理想的な子どもの人数と不妊治療について

この調査は、カラダノートのメルマガ登録者のうちプレママ(437名)、ママ(235名)を対象に行われたもの。まずは両者の理想的な子どもの人数について見てみます。

【理想的なお子様の人数を教えてください】
 
1位:2人 69.1%
2位:3人 20.0%
3位:1人  5.8%

およそ7割の人が理想的な子どもの人数は2人と回答しています。いっぽうで一人っ子を望む人は少数派でおよそ6%。少子化が止まらないとはいうものの、女性としては2人以上子どもをほしいと思う人がほとんどということがわかります。
 
不妊治療の実態については、以下のとおり。
 

【不妊治療の有無や積極性】


・不妊治療を受けた経験あり(ママ):およそ3割
・今後なかなか授かれない場合は不妊治療を希望(プレママ):およそ3割

 
ちなみに不妊治療を受けた経験のある女性からは、治療によって生じる経済的・身体的な負担に苦労したという声も多く寄せられたのだとか。なにせ妊娠のタイミングはひと月に1回しかないため、回数を重ねれば重ねるほど時間の経過そのものが負担になってしまうもの。
 
子どもは2人以上ほしい。なかなか授かれない場合は不妊治療を検討したい。しかし不妊治療も長引くと経済的・身体的な負担が重く、結局諦めざるを得ない……。
 
現在の日本の女性は、このような葛藤に苦しんでいる人が少なくないといえるのではないでしょうか。
 

助成額が倍増!不妊治療の支援拡充について

冒頭でも記したとおり、今年1月から特定不妊治療(体外受精および顕微授精)の支援が拡充されています。厚生労働省の発表(※1)をまとめると、拡充前と拡充後の変更点は以下のとおり。

【不妊に悩む方への特定治療支援事業の拡充について】

<拡充前>
・所得制限:730万円未満(夫婦合算の所得)
・助成額:1回15万円(初回のみ30万円)
・助成回数:生涯で通算6回まで(40歳以上43歳未満は3回)
・対象年齢:妻の年齢が43歳未満
 
<拡充後>
・所得制限:撤廃
・助成額:1回30万円
・助成回数:1子ごと6回まで(40歳以上43歳未満は3回)
・対象年齢:変更せず

細かい条件などはあるものの、大枠としてはこのような変更になりました。特に所得制限が撤廃され、回数制限も緩和されたことで、恩恵を受けられる方がかなり増えたのではないでしょうか。
 
厚生労働省によると(※2)、体外受精(凍結胚移植)にかかる費用の中央値は43〜58万円とのこと。このうち30万円が助成されるというのは、妊娠を望む方にとって大きな希望といえそうです。
 

出産で終わり、ではない!産後にも課題が

最後に、無事授かって出産を終えたあとに女性が抱える不安について見てみましょう。再びカラダノートの発表(※3)を参照します。

【産後、精神的に不安を感じた経験はありましたか?】
 
1位:不安を感じた 90.1%
2位:感じなかった  5.9%
3位:わからない   4.0%

圧倒的に不安を感じる人が多いということがわかります。
 
具体的な内容としては、「地域の産後・育児の支援を受けられるか」がもっとも多く、「実親からのサポートを受けられるか」「産後の体力回復」「子どもの発育への不安」「ママ友をつくれるか」などが続きます。
 
出産を経験されたことがある方であれば、「あるある」とうなずいてしまうものばかりではないでしょうか。
 
自治体によって、子育て世帯への支援内容はさまざま。出産の次には当然育児が待ち受けています。不妊治療への助成拡充の次は、その後の子育てを含めた支援の全国的な拡充についてもぜひ検討してもらいたいものですね。
 
※1 厚生労働省「不妊に悩む方への特定治療支援事業」
※2 厚生労働省「不妊治療の保険適用について」
※3 株式会社カラダノート 産後の不安と不妊治療の実態の調査を実施「産後、ママの9割は不安を感じる」「プレママの約3割は2人目不妊時の治療に前向き」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ライターさん募集