更新日: 2021.09.30 その他暮らし
風疹の予防接種っていくらかかる? その必要性とは
妊娠初期にかかるほど障害が出る可能性が高まるとされ、妊娠を望む女性とパートナー、家族は、特に気を付けておきたい病気です。風疹は感染力が高いウイルスですが、ワクチンで予防できます。
そこで今回は、妊活前の風疹の予防接種の必要性とワクチンの費用等についてお伝えします。
執筆者:宮野真弓(みやのまゆみ)
FPオフィスみのりあ代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
子育てファミリーや妊活カップルのライフプランニングを中心に活動しています。
結婚や妊活、出産、住宅購入など人生のターニングポイントにおけるお悩みに対して、お金の専門家としての知識だけでなく、不妊治療、育児、転職、起業など、自身のさまざまな経験を活かし、アドバイスさせていただきます。
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どうして妊活前に風疹の予防接種が必要なの?
風疹は咳(せき)やくしゃみで感染するウイルスで、感染すると発疹や発熱、リンパの腫れなどの症状が出ます。
風疹にかかっても多くの人は軽症で済みますが、妊娠中に感染すると、赤ちゃんの目や耳、心臓などに障害が出る(先天性風疹症候群)可能性があるほか、流産や早産の原因になる場合もあります。
先天性風疹症候群になる確率は、妊娠1ヶ月の場合は50%以上、妊娠2ヶ月の場合は35%、妊娠3ヶ月で18%程度と、妊娠初期に感染するほど高くなるとされています。胎児に先天性風疹症候群の疑いがあっても妊娠中に治療はできないので、赤ちゃんが生まれてから治療や手術を行うことになります。
風疹はワクチンで予防できます。ただし、生ワクチンであるため妊娠中の女性は予防接種を受けることができません。赤ちゃんを守るためにも、妊活前に予防接種を受けましょう。
また、すでに妊娠していて予防接種を受けることができない女性のためにも、パートナーや家族など周囲にいる人も予防接種を受け、感染予防に努めることが大切です。
風疹抗体検査とワクチン接種
風疹は体内に十分な抗体があれば感染を防ぐことができます。抗体があるかどうかは病院で検査を受ければわかります。十分な抗体がない場合にはワクチン接種を受ける必要があります。
妊活世代で特に気を付けたいのが、1990年(平成2年)4月1日以前に生まれた人です。風疹の予防接種は2回必要とされていますが、予防接種が一度しか行われていない世代で、十分な抗体がなかったり、そもそも予防接種を受けていなかったりする場合があります。
1990年以降生まれの人でも2回目を受けていない場合があるので、妊活前には確認しておきましょう。
風疹抗体検査には3000円~6000円程度、風疹ワクチンの接種には4000円~7000円/回程度、MR(麻疹風疹)ワクチンの接種には8000円~1万円/回程度の費用がかかります(自治体によっては助成の対象になることもあります)。
昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性は、過去に公的な予防接種が行われていないため、居住地の自治体から原則無料で抗体検査とワクチン接種が受けられるクーポンが送られています。
さらに、自治体によっては妊娠を希望する女性や抗体価が低い妊婦の同居者の抗体検査やワクチン接種に対して助成を行っているところもありますので、確認してみてください。
妊活前のワクチン接種の注意点
風疹ワクチンは生ワクチンなので、予防接種後2ヶ月は避妊しすることが望ましいといわれています。また、妊娠に気付かずにワクチンを接種してしまうことを避けるため、妊娠を希望する女性が風疹の予防接種を受ける場合は、あらかじめ接種の前1ヶ月間は避妊しておくとよいでしょう。
風疹の予防接種は2回必要とされており、1回目の接種から2回目の接種までは4週間以上あけることとされています。つまり、風疹の予防接種を1回も受けたことがない人が予防接種を受ける場合は、一度目の予防接種の前1ヶ月から4ヶ月間は避妊する必要があります。
そのため、すぐに妊活するつもりがなくても「いずれは子どもを」と思っているのであれば、早めに抗体検査とワクチン接種を済ませておくことをおすすめします。前述のとおり、年齢によっては無料で受けられる場合もありますので確認するようにしましょう。
出典
厚生労働省「風しんの追加的対策について」
大阪市「風しんワクチンの接種費用助成のお知らせ」
川越市「妊娠を希望する女性東の風しん抗体検査・予防接種の費用女性について」
執筆者:宮野真弓
FPオフィスみのりあ代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者