更新日: 2021.12.08 子育て
夜中、子どもが熱を出してぐったり…こんな時どうすればいい?
そんなときに、専門家のアドバイスを受けられると心強いですね。
執筆者:林智慮(はやし ちりよ)
CFP(R)認定者
確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。
子ども医療でんわ相談#8000
小さな子どもの病気やけがは、待ったなし。夜間や休日に関係なく熱を出したり、けがをしたりするものです。
膝をすりむいた程度なら、「痛かったね」とばんそうこうを貼るなどしておしまいかもしれませんが、頭をぶつけた場合はけがだけですまないことも。軽傷に見えても、一刻を争う状態になっていることがあるからです。
子どもが熱を出した、子どもが頭をぶつけたなど、医者に行ったほうが良いのか、明日まで様子を見るのか判断に困ることがあります。
そのような場合には、『子ども医療でんわ相談』#8000に電話をかけましょう。お住まいの都道府県の相談窓口に転送され、小児科医・看護師から対処方法のアドバイスを受けられます。
この、こども医療電話相談事業は、厚生労働省が平成22年から開始しましたが、令和3年4月1日現在ではすべての都道府県で実施されています。また、ほとんどの県で、医療機関の診療時間外に対応しています。中には24時間対応をしている県もあります。
(出典:厚生労働省ホームページ 子ども医療電話相談事業(#8000)について)
子どもの医療費はタダ?
ほとんどの市区町村で、中学生まで(自治体によっては高校生まで)の子どもが医療機関にかかる場合、会計時にお金を払わなくてすみます。しかし、『支払わなくてもいい=医療費がタダ』ということではありません。
子どもが医療機関にかかるときに、「健康保険証(国民健康保険証)」と「福祉医療費受給者証」等を受付窓口に提出、保険者(健康保険や国民健康保険等)と市区町村が負担するため、窓口での個人負担がゼロになるのです。
具体的な割合は、小学校入学年度までは8割を保険者(健康保険や国民健康保険等)が負担し、残りの2割を市区町村で、小学校入学年度以降は保険者7割、残りの3割を市区町村が負担しています。
「払わなくても良いから、取りあえず医者に診てもらおう」では医療費が増えてしまいます。特に休日や夜間の時間外診療には、割増料金が加算されます。
ところで、保険者負担分の財源は「保険料」です。市区町村負担分の財源は「税金」です。医療費が増えれば、保険者や市区町村の負担が増えます。
すると、保険料の引き上げや増税しなければならなくなり、結果的に家計の負担が増えてしまいます。このようなことを意識して#8000を活用し、適切に医療機関を受診しましょう。
(出典:協会けんぽ「知っトク!医療保険情報 令和2年度 7月 子どもの医療費は”タダ”ではありません」)
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救急相談センター#7119
では、大人の場合、どうしたら良いのでしょうか。
#8000と同様のサービスが受けられる#7119があります。#8000と同様に、#7119に電話すると、お住まいの地域の相談センターに転送され、医師や看護師、相談員が対応して、病気やけがの状態から緊急性を判断します。軽傷に見えても、一刻を争う状態かもしれません。
ただし、令和2年10月1日時点で実施している地域は17地域(県内全域だけでなく一部も含む)しかありません。
(出典:総務省消防庁「救急安心センター事業(#7119)ってナニ?」)
ちなみに、令和3年10月1日に岐阜県も一部地域ですがサービスが開始されました(出典:岐阜市ホームページ)が、未対応の地域が多いのが現状です。
全国版救急受診アプリ(愛称「Q助」)
住んでいる地域が#7119電話相談の地域から外れている方、身体的に電話相談では難しい方の場合に、病状から対処方法を判断してくれるアプリがあります。
『全国救急受診アプリ(愛称「Q助」))です。総務省消防庁が、大阪大学医学部付属病院の協力を得て作成したものです。
スマートフォン(Android4.4以上、iOS8以上)でもパソコンでも、インターネットに接続できる環境なら使うことができます。該当する症状を選択していくと、緊急度に応じた対応が表示されます。
・「今すぐ救急車を呼びましょう」→赤
・「できるだけ早めに医療機関を受診しましょう」→黄色
・「緊急ではありませんが、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう」→緑
・「引き続き、注意して様子を見てください」→青
さらに、厚生労働省の「医療情報ネット」のリンクや一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会の「全国タクシーガイド」のリンクが表示され、医療機関や交通手段の検索ができます。
(出典:総務省消防庁「平成29年5月25日報道発砲資料 全国版救急受診アプリ(愛称「Q助」)の提供開始」)
また、自己判断の手助けになるものとして、厚生労働省のホームページ「上手な医療のかかり方.jp」には、迷わず救急車を呼ぶべき症状を、子ども・大人・高齢者別に具体的に表示しています。救急車の到着を待つ間に何をしておくのかの説明もあります。
(出典:厚生労働省「上手な医療のかかり方.jp」)
救急車は無料で利用できますが、地域の台数に限りがあります。緊急性のない人の利用で本当に必要な人への到着が遅れてしまい、救える命が救えなくなってしまいます。#8000や#7119、Q助を利用し、救急車を適切に利用したいですね。
出典
厚生労働省「上手な医療のかかり方.jp」
総務省消防庁「平成29年5月25日報道資料「全国版救急受診アプリ(愛称「Q助」)の提供開始」」
厚生労働省「子ども医療電話相談事業(#8000)について」
総務省消防庁「救急安心センター事業(#7119)ってナニ?」
総務省消防庁「救急安心センター事業(#7119)をもっと詳しく!」
岐阜市「急な病気やけがをして、病院へ行く?救急車を呼ぶ?迷ったら」
全国健康保険協会 協会けんぽ ホームページ
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者