更新日: 2021.12.17 その他暮らし

差額ベッド代がかかるときの条件とは?どれくらいの費用がかかるの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

差額ベッド代がかかるときの条件とは?どれくらいの費用がかかるの?
病気やけがで入院したとき、差額ベッド代がかかることがあります。差額ベッド代とは、個室などの病室を使ったときに請求させる費用のことです。
 
この差額ベッド代は、どのような場合にかかるのでしょうか。また差額ベッド代はいくらくらいかかるのでしょうか。
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差額ベッド代がかかるケースとは

差額ベッド代とは、通常の大部屋より条件の良い病室を使用した場合にかかる費用のことです。個室や2人部屋などを想像すると、わかりやすいかもしれません。
 
しかしそうした差額ベッドを使用したからといって、無条件に差額ベッド代がかかるわけではありません。差額ベッド代がかからないケースもあるのです。差額ベッド代を請求してはならない場合について、厚生労働省は次の3つの事項を挙げています。


・1差額ベッドの使用について、適切な内容の書面による患者本人の同意が取れていない場合
・2治療上の必要により、差額ベッドを使用させる場合
・3病棟管理の必要性等から差額ベッドを使用させた場合で、実質的に患者本人の同意によらない場合

差額ベッド代がかかるのは、本人の書面による同意があるときです。症状が極めて重篤で個室による管理を要する等、治療上の必要により差額ベッドを使用させた場合は、病院側の判断であるため差額ベッド代がかかりません。
 
また、本人が差額ベッドを全く希望していないにもかかわらず、大部屋に空きがなく、やむなく差額ベッドを使用させた場合も、病院側の事由になるため、差額ベッド代はかかりません。
 

差額ベッド代の費用はどのくらいか

一言で差額ベッド代といっても、部屋の形態や料金はさまざまです。いわゆる特別室のような個室もあれば、3人部屋、4人部屋でも差額ベッドに該当することもあります。
 
厚生労働省の統計によれば、令和元年7月の差額ベッド全体の1日あたり平均額は、6354円となっています。そしてこれは1日当たりの平均額ですから、10日入院すれば、平均値でも6万円を超える額の差額ベッド代が必要という計算になります。
 
そしてこの額は全国の平均額であり、かつ個室から4人部屋までの平均額だということも考慮しなければなりません。都心にある病院などの実際の差額ベッド代は、それよりもずっと高額になることが多いと考えられます。
 

なぜ差額ベッド代は高く感じるのか

差額ベッド代は、健康保険や国民健康保険といった公的医療保険の対象外です。病気やけがで入院したときは、診察、処置、手術、薬剤の支給などの療養が行われます。
 
こうした費用は公的医療保険で7割がまかなわれ、患者本人の負担は3割のみです。しかし、差額ベッド代は公的医療保険の対象外であるため、10割全部を患者が負担しなければなりません。
 
診察や手術などに30万円かかった場合、患者の負担は9万円程です。さらに高額療養費の制度により、この9万円はさらに抑えた額になることもあります。
 
しかし差額ベッド代が10万円かかった場合は、10万円全てを患者が負担しなければなりません。こうした理由により、差額ベッド代を高額だと感じる人が多いのではと考えられます。
 
もしものときに備え、医療費の準備をしておきたい人も多いかもしれません。しかし公的医療保険の存在があるため、保険適用の医療費については、通常はそれほど高額にはなりません。
 
しかし差額ベッド代がかかる場合はそれなりに費用がかさむことになります。この差額ベッド代への備えとしては、民間の医療保険に加入する、計画的に貯蓄しておくなどの方策が考えられます。
 

差額ベッドは本人の選択で

差額ベッド代が高いという理由で大部屋を希望する人も多いかと思われます。一方、個室で他人を気にせず療養に専念したいという理由で、差額ベッドを自ら選択する人もいるでしょう。
 
差額ベッドの使用は、一概に良いものでも悪いものでもなく、あくまでも本人の選択です。そして差額ベッドを利用するときは、十分に説明を受け、同意書の内容をよく確認した上で署名することが大切です。
 
出典
厚生労働省「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について
厚生労働省主な選定療養に係る報告状況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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