更新日: 2022.01.18 家具・片付け

片づけの美学113 絵や工作など、子どもの作品を捨てるタイミングが分かりません

執筆者 : 奥野愉加子

片づけの美学113 絵や工作など、子どもの作品を捨てるタイミングが分かりません
子どもが描く絵や作った工作は、成長の証で、尊いモノですね。できれば、長く大切に保管してあげたい! そう思いますよね。ですが、大量にあると、場所を取るし、どうやって保管すればいいのかと悩ましい存在にもなります。
 
さらに、作品なのか、ゴミなのか、親には理解・判断できない状態であることも。悩まれている方は、子どもの気持ちも大切にしながら、作品を捨てるタイミングを見つけていきたいですね。
奥野愉加子

執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)

美学のある暮らし 代表

整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。

<美学のある暮らし>

https://www.bigakurashi.jp

小さな子どもの作品は誰のモノ?

子どもが作った作品は、誰のモノでしょう。考えると、ちょっと難しい質問です。
 
例えば、2、3歳の小さな子が描いたなぐり書きのお絵描き。描いたときは、本人も大切にしているかもしれませんが、数年後にはすっかり忘れているかもしれません。しかし、幼い子が描いた自由な線を、親は愛おしく思いますよね。
 
子どもが小さい頃の作品は、最終的には親の子育ての思い出です。1年に1枚、2枚でも十分なのです。しかし、その気持ちになるまでに数年かかるでしょう。将来的に、過去を懐かしく振り返れるくらいの量に減らしておくのがよいと思います。
 

作品を子どもが大切にするのは?

子どもが小学校高学年や中学生になっていたら、学校での制作物も、趣味で作っているプラモデルやアクセサリーも、子どもが管理しているでしょう。不要か大切かを決めるのも子ども本人。そのあたりから、やっと自分ごとになります。
 
部屋や保管場所の広さによって、持てる量をアドバイスする必要はあるかもしれませんが、勝手に捨ててしまっては、大変な騒ぎになりそうです。成長した子どもの気持ちを大切にしてあげたい時期ですね。
 

子どもの作品の賞味期限

子どもの作品は、年齢や作る量に応じて賞味期限を決めて、区切りをしていきましょう。
 
未就学児なら2、3ヶ月程度。小学生以上なら学年末が期限の目安です。保管場所のスペースで区切ってもよいでしょう。「この箱がいっぱいになったら、見直そう」とルールにするのもよいですね。
 
「全部捨てたらだめ!」というお子さんだったら、仕方がないので、親が処分するモノを決めて、作業します。ただ、捨てる前の一時保管場所を決めて、期間を設けて保管しましょう。「あれ、どうした?」と聞かれて、取り出すことができれば、親子の関係にも響きません。
 

処分方法1 写真に撮る

処分する前に写真に撮っておくと、処分がしやすくなります。写真を撮るときは、描いた子どもや年齢が分かるように撮影しておきましょう。メモを映り込ませたり、写真データにメモを記載してもよいですね。
 
撮ったときは、「長男2歳の絵」と分かっていても、時間がたつと、どの子の絵だった? 何歳? と分からなくなるものです。フォトブックなどにまとめるときに、作品の写真も入れられるとすてきですね。
 

処分方法2 飾る

子どもがお気に入りの作品ができたら、飾ってあげると喜んでくれます。わが家の場合、3歳の子も10歳の子も飾るとうれしそうにします。どんな年齢の子でもうれしいものなのでしょうね。
 
特に季節感のある作品は家を彩ってくれるので、おすすめです。飾ってあげると、その後は「捨てていいよ」という流れになることもあるかもしれません。
 

処分方法3 厳選する

処分するとき、「全部を捨てる」という選択よりも、「よいものを残す」という選別をしてみましょう。そのためには、作業量が多すぎると大変になります。見直すのが大変になるほど貯めすぎないように。
 
時間がたちすぎると、変形・変色・はがれたりして、劣化していることもあります。
 

作品との向き合いは一時的?

子どもによって、作品を作る量は違います。多い子だとすごい量になるでしょうが、進級など、成長によって、量が変動します。
 
驚くほど作品量が減ることもあるので、大量生産の現状を懐かしむ日々がすぐやってくるかもしれません。家族でルールを決めて、子どもの作品の処分を手軽に進めていけたらよいですね。
 
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表

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