更新日: 2019.01.10 その他暮らし
あなたは大丈夫ですか? 仲の良い女性社員からある日セクハラで500万円の請求。有効か?無効か?
例えば、たまに、会社帰りに相談にのってあげていた女性の後輩がいたとします。
彼女とは、仲が良く、みんなでお酒を飲んだ時に、ふざけ半分でいちゃつくこともあります。
仲が良いから許されると思っていたら、ある日セクハラで多額の請求があったらどうしますか?このようなケースを、法的な解釈を含めて紹介していきたいと思います。
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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弁護士
中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。
目次
仲の良い女性の社員からセクハラの突然の訴え
34歳会社員・企画営業・次郎(仮名・じろう)さんの例を紹介していきたいと思います。
次郎さんは、奥さんと、小学1年生の娘さんと仲むつまじく家庭を築いています。背が高くイケメンで、仕事ができ、お酒も強い次郎さんは、女性社員のあこがれの的です。
次郎さんには、仕事やプライベートについて相談にのってあげる、仲の良いT子さんという会社の後輩がいます。
会社のみんなで飲みに行った時は、次郎さんとT子さんはよく盛り上がり、カラオケなどを楽しんでいました。
時には、飲みすぎてしまった次郎さんを、T子さんが介抱してあげることもあるくらいの関係です。
次郎さんは、酒癖に少々難があります。飲みすぎると、仲の良い女性に親しみをこめて、ボディタッチをすることがあるのです。
そんなある日、会社のみんなでカラオケに行き、たくさん飲んでしまった次郎さんは、ふざけてT子さんの胸とおしりをタッチしてしまいました。
翌日、あんなに次郎さんのことを好意的に見ているとみんなが思っていたT子さんが、セクハラで500万円の請求を、次郎さんに突き付けてきました。
果たして次郎さんは、セクハラで500万円の慰謝料を支払う義務はあるのでしょうか?東京桜橋法律事務所弁護士の石垣美帆先生にお伺いしました。
親しいとはいえ、女性の胸とおしりをタッチした場合、次郎さんは、セクハラで訴えられる可能性があります。
何より一緒に飲んでいた同僚からも目撃されており、明らかな事実の場合、慰謝料の支払い義務があると考えられるでしょう。
セクハラの場合、会社への監督義務が問われる場合がありますが、プライベートで、完全に任意参加の飲み会であれば、会社への責任は該当しないでしょう。
ただし、この事例で500万円の慰謝料は法外で、次郎さんに課せられるのは数十万程度の慰謝料と推測できます。
多額の慰謝料に応じる場合も!
しかし、次郎さんに妻と子供がいて、このことは絶対に家族にばれたくないとした時はどうでしょうか。
T子さんが、500万円の慰謝料の減額交渉に応じなかった場合、次郎さんは、もめ事が長引き、公になるのを避けたいために、法外な慰謝料の請求を飲んでしまうケースがあります。
多額であっても、早く解決してしまいたいと思う場合が多いようです。
みなさん、くれぐれもお酒の飲みすぎには気をつけてください。
Text:FINANCIAL FIELD編集部
監修:石垣 美帆(いしがき みほ)
弁護士
中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。