春から小・中学校に入学予定の子どもがいる低所得世帯。受けられる就学支援の例と支給要件とは?
配信日: 2022.02.11
この記事では、子どもがいる低所得世帯が受けられる就学援助について解説します。
執筆者:遠藤功二(えんどう こうじ)
1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券とオーストラリア・ニュージーランド銀行の勤務経験を生かし、お金の教室「FP君」を運営。
「お金のルールは学校では学べない」ということを危惧し、家庭で学べる金融教育サービスを展開。お金が理由で不幸になる人をなくすことを目指している。
就学援助を受けられる方
就学援助を受けられるのは、経済的な理由で就学が困難と認められる児童の保護者で、生活保護法第6条第2項に規定されている要保護者と準要保護者に該当した方です。
準要保護者は、要保護者に準じる程度に困窮していると市町村教育委員会が認めた方となっています。
就学援助の内容
要保護者に対しては、子どもが学校に通う際に必要な以下の費用について、市区町村から補助を受けられます。
学用品費、体育実技用具費、新入学児童生徒学用品費等、通学用品費、通学費、修学旅行費、校外活動費、医療費、学校給食費、クラブ活動費、生徒会費、PTA会費、卒業アルバム代等、オンライン学習通信費
一方、準要保護者に対する補助は各市区町村が単独で行っています。補助が受けられるか否かの基準や対象の費目は、自治体ごとに異なります。
東京都大田区の例
一例として、東京都大田区の小学校、中学校を対象とした就学援助費は、それぞれ図表1、2のとおりとなっています。
図表1
※大田区 「就学援助費支給額について」に基づき筆者作成
図表2
※大田区 「就学援助費支給額について」に基づき筆者作成
要保護者(生活保護受給者)または準要保護者に認定されれば、図表1、2の金額が支給されます。
準要保護者の判定は、例えば夫婦と小学生1人、未就学児1人の4人家族の場合、年収が556万円を下回るか否かがおおよその基準となります。
また、東京都大田区では給食費、学用品費、新入学用品費、通学費といった生活保護費から支給される費目については就学援助では支給されません。
子育て世帯への臨時特別給付
今回紹介した低所得世帯が対象の子どもの就学支援のほかにも、国や自治体による子育て世帯への支援策は用意されています。
例えば、2021年の衆議院議員選挙の際に話題になった子育て世帯への臨時特別給付は、0歳〜高校生3年生までの児童を養育している方が一定の年収以下の場合(養育者が児童2人と年収103万円以下の配偶者を扶養している場合は、養育者の年収960万円がおおよその目安)、児童1人当たり先行給付金5万円と追加給付金5万円を合わせて10万円、または10万円を一括で受け取れる支援策です。
追加給付金の給付時期と給付形態(5万円相当のクーポン給付との組み合わせも可能)については、自治体ごとに決められています。
出典
文部科学省 就学援助制度について(就学援助ポータルサイト)
大田区 就学援助費支給額について
大田区 就学援助の対象者
内閣府 子育て世帯への臨時特別給付について
執筆者:遠藤功二
1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)