更新日: 2022.03.08 暮らし

入院費用の負担額を減らすための工夫。どんなことがある?

入院費用の負担額を減らすための工夫。どんなことがある?
思わぬ事故や病気で入院が必要になったとき、体のことと同時に心配になるのが入院にかかる費用です。特に入院が長期化するケースでは、どんどん費用も膨れ上がっていくため、安心して治療に専念できなくなるかもしれません。
 
そこでこの記事では、入院費用の負担を軽減できる制度について解説していきます。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

健康保険の高額療養費を利用する

日本では自営業者は国民健康保険、会社員や公務員は健康保険といった具合に、原則として全ての国民が公的医療保険に加入するよう義務付けられていますが、この公的医療保険加入者には高額療養費という制度が設けられています。高額療養費制度とは1ヶ月あたりの医療費の上限を定め、限度額を超えた場合に超過額の払い戻しが受けられる制度です。
 
月々の上限額は年齢や所得、加入する保険によっても異なり、発生した医療費によっても変動します。また高額療養費は保険適用となる診療に対しての自己負担額が対象であり、病院までの交通費や入院時の食事代、差額ベッド代、先進医療など保険適用外の治療費は支給対象にはなりません。
 
ちなみに高額療養費制度には、「世帯合算」や「多数回該当」など、負担をさらに軽減させる仕組みもあります。世帯合算は複数回受診した支払額や、同じ世帯の人が支払った自己負担額を合算し、限度額を超えた分を高額療養費として支給されます。一方の多数回該当は、1年間に3回以上の高額療養費の支給を受けている場合、4回目から「多数回」となって上限額が下がる仕組みになっています。
 
そして高額療養費の手続きの方法は、後から払い戻しを受けるか、事前に申請手続きするかの2つのパターンがあります。後から払い戻しを受ける場合は、まず窓口で自己負担分を支払い、高額療養費支給申請書を保険者に申請して、払い戻しを待ちます。医療機関から提出されたレセプトの審査が終わるまで待たなければならず、申請から承認されるまで3ヶ月以上はかかると見積もっておく必要があります。
 
もし入院が長期に及び、高額な医療費がかかると予想されるときは、事前に申請手続きする方法を選んだ方がよいかもしれません。加入している公的医療保険に「限度額適用認定証」を申請し、交付された認定証を医療機関の窓口に提示すると、支払いは自己負担限度額に抑えることができます。払い戻しに必要な申請の手間も省け、有効期間が最長で1年間続くため、長期の入院となっても安心して治療に臨めます。
 

医療費控除の手続きをする

医療費控除とは1年間で支払った医療費が10万円を超えた場合、超えた金額をその年の所得から控除して、税金を軽減できるという制度です。対象となる医療費は治療に関する費用であり、予防や検査にかかる費用は含まれません。ただし、人間ドックや健康診断で重大な疾病がみつかり治療を行った場合は対象となります。
 
また、病院までの交通費や付き添い料、さらには高額療養費では対象外である先進医療の治療費も医療費控除の対象になります。注意点として、もし生命保険などで支給される入院給付金や高額療養費を受けた場合は、その額を医療費から差し引いて計算しなければいけません。
 
そして医療費控除は税金を取り戻す仕組みであるため、控除を受けるには確定申告が必要となります。確定申告書に加え、医療費控除の明細書を添付して申告を行います。
 
医療費の領収書の添付は不要ですが、確定申告期限翌日から5年間は手元に領収書を保管しておかなければなりません。医療費控除自体は入院費用を少なくする制度ではないですが、所得税が軽減されて税金が戻ってくるため、間接的に入院費用の負担額を減らせるという利点があります。
 

高額療養費と医療費控除の仕組みを知っておこう

入院が長期化する場合は、相当な医療費がかかると覚悟しなければいけません。しかし高額療養費や医療費控除を利用すると、高い医療費も大幅に抑えられます。突然入院となった場合は、頭のなかがパニックになって冷静にお金のことまで考えられない可能性もあるため、事前に仕組みや申請方法をよく把握しておいた方が安心です。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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