実家から通う私立大学と、一人暮らしをしながら通う国立大学。お金がかかるのはどっち?
配信日: 2022.03.24
本記事では、実家から通う私立大学と、下宿やアパート(学生寮は除く)などで一人暮らしをしながら通う国立大学では、親の負担がどれくらい違うのかを解説します。
学習費以外の費用がどのくらい掛かるかは、実際に大学に通ってみないとみえてこない部分が大きいため、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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私立大学と国立大学で掛かる学習費用
まずは、日本学生支援機構「令和2度学生生活調査集計表」より、実家から通う私立大学の学生と、一人暮らしをする国立大学の学生で掛かる、学習費用についてみていきましょう。
【図表1】
私立大学 (実家に居住) |
国立大学 (下宿・アパートなどに居住) |
|
---|---|---|
授業料 | 103万3200円 | 48万7700円 |
そのほかの学校納付金 | 15万1300円 | 8900円 |
修学費 | 4万5900円 | 4万7000円 |
課外活動費 | 1万6200円 | 2万6900円 |
通学習費 | 6万6200円 | 8500円 |
合計 | 131万2800円 | 57万9000円 |
私立大学と国立大学では、授業料とそのほかの学校納付金で、金額に大きな差があります。実家から私立大学に通う学生の学習費用は、合計131万2800円に対して、一人暮らしで国立大学に通う学生の学習費用は、57万9000円。その差は、73万3800円になることが分かりました。
大学生1人あたりの、学習費以外の支出額はいくらくらい?
それでは実家から私立大学に通う学生と、一人暮らしで国立大学に通う学生では、学習費用以外の家賃や食費、娯楽費はどのくらい違うのでしょうか。日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査集計表」より、大学生1ヶ月あたりの支出額をみていきましょう。
実家から通う学生の場合、住居費・光熱費は掛かりませんが、一人暮らしの学生よりも安くなるのかをチェックします。
実家から私立大学に通う大学生のケース
まず、実家から私立大学に通う大学生の、1年間の支出額をみていきましょう。
【図表2 実家から私立大学に通う大学生の支出額】
食費 | 8万6700円 |
住居・光熱費 | 0円 |
保健衛生費 | 4万1400円 |
娯楽・し好費 | 13万1100円 |
そのほかの日常費 | 13万2800円 |
合計 | 39万2000円 |
実家暮らしの場合、住居・光熱費は掛からないため0円です。また、食費も家で食べる場合は0円となるため、10万円以内であると考えられます。保険衛生費や娯楽・し好費などと合わせると、合計で39万2000円掛かっていることが分かりました。
なお、居住形態別・地域別学生生活費の授業料などを含む内訳をみると、東京圏の私立大学に通う実家暮らしの大学生の支出は、175万2500円でした。
国立大学に通う一人暮らしの大学生のケース
次に、国立大学に通う一人暮らしの大学生の支出額をみていきましょう。
【図表3 一人暮らしで国立大学に通う大学生の支出額】
食費 | 28万8400円 |
住居・光熱費 | 53万400円 |
保健衛生費 | 4万200円 |
娯楽・し好費 | 13万6900円 |
そのほか | 14万6900円円 |
合計 | 114万2800円 |
国立大学に通う一人暮らしの学生の場合、食費が28万8400円、居住・光熱費は53万400円掛かっています。実家から私立大学に通う大学生と比べると、食費の差は20万1700円になることが分かりました。
保険衛生費、娯楽・し好費、そのほかに大きな差はないため、支出の差は食費や居住・光熱費が大きいといえるでしょう。
なお、居住形態別・地域別学生生活費の授業料などを含む内訳をみると、一人暮らしをしている東京圏の国立大学に通う大学生は189万2200円であり、東京圏の私立大学に通う実家暮らしの大学生よりも、13万9700円高くなっています。
ちなみに、一人暮らしをしている地方国立大学に通う大学生の場合は169万9600円で、東京圏の私立大学に通う実家暮らしの大学生よりも、5万2900円安い結果となっています。
実家暮らしと一人暮らしでは、食費と住居・高熱費が大きく変わる
実家から私立大学に通う大学生と、下宿やアパートで一人暮らしをしながら国立大学に通う大学生の支出で大きな差があるのは、食費と住居・光熱費です。特に住居・光熱費は、実家暮らしの場合は0円なので、一番差が生まれやすいといえるでしょう。
私立大学と国立大学では、授業料とそのほかの学校納付金で掛かる金額が大きく変わりますが、食費や住居・光熱費などを考慮すると、実家暮らしなのか一人暮らしなのかで、また変わってきます。
将来、子どもがどこの大学を希望するのかによって掛かる費用も変わるため、早い段階から準備できるようにしておきましょう。
出典
日本学生支援機構 令和2年度学生生活調査結果 大学昼間部(速報値)より 令和2度学生生活調査集計表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部