更新日: 2022.03.17 家具・片付け

片づけの美学117 趣味のトラブル|作る材料が増えすぎて山になっている

執筆者 : 奥野愉加子

片づけの美学117 趣味のトラブル|作る材料が増えすぎて山になっている
おうち時間が増えたことで、「モノづくりの趣味を始めた」という方もいらっしゃるでしょう。モノづくりの趣味といえば、素材や道具、さらに完成品まで、モノが増えていきますよね。
 
作ることや素材集めに熱中するあまり、気がついたら「集まりすぎたモノを収納しきれない」「必要なモノが見つからない」というお困りを抱えている方もいらっしゃるかもしれません。
 
急激なモノの増加に対応するには、どうすればよいのでしょうか。
奥野愉加子

執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)

美学のある暮らし 代表

整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。

<美学のある暮らし>

https://www.bigakurashi.jp

モノを増やすときにまず気をつけたいこと

新しい趣味や没頭する趣味があると、モノが増えることがあります。そんな時、気をつけたいのが、「置くスペースがあるか、どうか」という基本的な確認です。
 
モノづくりの種類にもよりますが、基本的にモノづくりは、「道具」「素材・材料」「完成品」という3種類に分類ができるでしょう。「道具」が大きい場合もありますし、「完成品」が大きいこともあります。また、「素材」の種類が膨大ということも考えられます。
 
ご自分の趣味では、「道具」「素材」「完成品」のどれがもっとも場所を取るか判断しておきましょう。
 

「道具」がもっとも場所を取る場合

道具がもっとも場所を取る場合は、作業効率にも関係するので、使いやすい場所・収納が理想的ですよね。道具を使う「作業スペース」も必要なので、ゆったりめにスペースをつくりましょう。
 
ミシンなど、大きければ重さがあることも多いですから、
・広さ
・頑丈さ
も大切な要素ですね。
 
例えば、ミシンが数台ある場合、使い分けやすいように「レイアウト」も大切になってきます。いつも使う道具の近くには、「よく使う道具」も置きましょう。
 
すぐに取り出せる卓上がおすすめです。じか置き、ペン立てなどに立てるなどが便利です。「1ヶ月に数回程度使う道具」は、引き出しの中でもよいとでしょう。ラベルをつけて、「どこにあるか分からない」を防ぎましょう。
 
また、「年に数回使う道具」は、少し取り出しづらい場所でもOK。こちらも必ずラベルをつけておきましょう。
 

「素材」がもっとも場所を取る場合

素材がもっとも場所を取る場合は、「分類」がとても大切です。分類ができていないと、「使いたい時に見つからなかったので、また買う」という負のループが発生する可能性があります。
 
購入ばかりだと、材料費が高くなってしまい、趣味の継続にも打撃ですよね。効率よく、素材を使える環境を作っていきましょう。
 
例えば、アクセサリー作りの場合、「金具」「ひも」「ビーズ」「パーツ」などで大きく分類をします。大きな分類の後は、小さな分類に分けていきましょう。
 
素材を「季節」や「はやり」、「定番」で分けるのも便利でしょう。シーズンものが多い場合(クリスマス・ハロウィーンなど)は、別で保管しておくと便利です。
 
分類したモノの収納は、外から見えるように、透明のケースや袋がおすすめです。1つずつラベルをつけて、すぐに見つけられるようにしておきましょう。分類できないモノ・少ししかないモノも、集めて、「1点のみ」など、ヒントになるラベルをつけておくと、使い忘れを防ぐことができます。
 

「完成品」がもっとも場所を取る場合

完成品を「売る」のか、「自分で楽しむ」のかでも対応が違ってきます。
 
売る場合は、
・完成品を安全に保管するスペース
・撮影するスペース
が必要です。
 
完成品は、高いところなど、不便な場所でも、変形・変色などを気にしなくてよい場所に保管できればOKです。撮影スペースは、撮影用の背景などを用意して、部屋が映らないように準備しておけば、さほど広い場所でなくても問題ないでしょう。
 
撮影用背景は、折りたためるように作るのがおすすめです。作品を自分で楽しむ場合は、お気に入りのレイアウトができるように、もっともよい場所を作品置き場にしたいですね。
 
スッキリ見せるために、道具や材料を目線よりも下に収納するとよいでしょう。
 

趣味を楽しむにも、整理が大事

作る趣味を最大限楽しむためにも、片づけ・整理収納が必要です。モノであふれかえって、必要なモノが取り出せない、作品を楽しめないなどの悲しい状態にならないために、「買う量」「収納するスペース」を考慮して、モノを増やしていってくださいね。
 
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表

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