更新日: 2022.03.22 その他暮らし

タイパ(タイムパフォーマンス)ってご存じですか?

執筆者 : 宮﨑真紀子

タイパ(タイムパフォーマンス)ってご存じですか?
お恥ずかしながら、タイパ(タムパ)という俗語があることを、最近まで知りませんでした。時間重視のこの価値観が、新しい生活様式の潮流を、さらに加速させるかもしれません。
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

コスパとタイパ、気になるのはどちら?

タイパとはタイムパフォーマンスの略で、「かけた時間(タイム)に対する満足度」を指す俗語です。
 
コスパ(コストパフォーマンス)と併せると、少し理解しやすいかもしれません。コスパの考え方はすでに根付いていますが、今一度整理してみます。
 
モノやサービスを目の前にした時、一般的には、その費用対効果=コストパフォーマンスで購入の判断をします。
 
予算は限られていますので、より効率のよいお金の使い方を探るためには、その商品の原価や付加価値がどうなっているかに加えて、耐久性(長く使えるか)や使用頻度との兼ね合いなどを検討するのです。
 
楽しみにしていた映画を見て期待外れだったとき「あの内容で1900円とは! 損をした気分だ」と思うのが“コスパが悪い”ということなら、同じ状況で「つまらない映画を見た2時間が無駄だった! 時間を返してほしい」というのが“タイパが悪い”ということです。
 
どちらを重視するかの感覚は人それぞれですし、状況によると思います。
 

お金と時間の密な関係

お金と時間について考えるとき、思い浮かぶのは「時は金なり」の格言ですが、「時間をお金で買う」という考え方もあります。実は身のまわりには、時間を買っている例があふれています。
 
例えば、電化製品です。全自動洗濯機や食洗機はもちろん、お掃除ロボットを導入している家庭もあるでしょう。“短い時間でできるだけ手間をかけずに調理できる”として人気商品となった、マルチクッカーと呼ばれる電気圧力鍋もあります。
 
これらを購入し使いこなしている方の中には、家事にかかる手間と時間が短縮されたという方もいらっしゃるでしょう。大いに時短に貢献していて、家電はこの路線で進化し続けると考えます。
 
長い通勤時間を何とかしたい、という思いを持つ人は多いです。都心のマンションに引っ越すことは解決法の1つですが、さまざまな意味で簡単ではありません。そこで通勤時間を快適に過ごす一手として、座席指定席の利用があります。
 
朝夕のラッシュ時でも、指定席に座って通勤できる列車があります。最近は「密を避けたい」というのが利用目的をお持ちの方もいると思いますが、コロナ前の需要は「ゆったり座って通勤時間を有効利用したい」ということもあったでしょう。
 
首都圏の私鉄の場合、通常運賃のほかに掛かる指定席料金は、300~700円程度で設定されています(※首都圏の私鉄各線のホームページを参考に算出)。
 
列車によっては、Wi-Fiやコンセントなど、新幹線のように座席で仕事ができる仕様になっているものもあります。「少しお金を掛けても、時間を大切に使いたい」というニーズに応えた表れではないでしょうか。
 
指定席以外でも、通勤時間の有効利用は進んでいます。
 
車内では、ほとんどの人がスマホを触っています。混雑した車内や乗り変え時にスマホを持つことがままならない場合も、耳からの情報をキャッチすることは可能です。
 
イヤホンの性能の進化も一役を担っていますが、最近は音楽だけでなく隙間時間を利用した語学や資格の勉強、またオーディオブックを利用している方もいるでしょう。娯楽や気分転換の時間から、自己投資の時間にシフトするケースもあるのではないでしょうか。
 
「費用重視のコスパ」「時間重視のタイパ」どちらに力点を置くかということではなく、2つの価値観が両立するような生活に向かうのではないでしょうか。
 
FPとしては、“時間の有効活用のために費やしたコストに無駄遣いが生じていないか”が気になります。
 
やはり筆者には、コスパ偏重の習性があるのかもしれませんが、人によってコストの考え方はさまざまです。自分にあったコストの掛け方を考えてみましょう。
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士