更新日: 2022.03.29 その他暮らし

「コロナ禍で減収しそうな人」が確認しておきたい、公的制度の給付や免除申請とは?

「コロナ禍で減収しそうな人」が確認しておきたい、公的制度の給付や免除申請とは?
新型コロナウイルス感染症の流行が日本でも広まって、既に2年以上が経過しました。これまでのような日常が失われ、休業や失業状態となってしまった人もいると思います。

今回は、いまだ続くコロナ禍で減収しそうな人に向けて、公的な給付金や貸付制度、社会保険料の減免措置などをいくつか確認してみました。
※この記事は2022年3月18日時点の情報を基に執筆しています。
吉野裕一

執筆者:吉野裕一(よしの ゆういち)

夢実現プランナー

2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている

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緊急小口資金・総合支援資金(生活費)

新型コロナウイルスの影響により、やむを得ず休業した場合や失業などで収入が減少し、生活が苦しい状況にある人は、各都道府県の社会福祉協議会から特例貸付が受けられます。
 
「緊急小口資金」は主に休業となり、一時的な資金が必要な人に対して20万円を上限に、無利子および保証人不要で2年以内の貸し付けを行うものです。また、休業状態になくても、新型コロナウイルスの影響で収入の減少がある場合は借り入れができます。
 
「総合支援資金」は、収入の減少や失業によって生活の立て直しが必要な人を対象とした貸し付けで、2人以上の世帯は月20万円以内、単身世帯の場合は月15万円以内を上限に、原則3ヶ月以内の貸付期間となります。
 
返済期間は10年以内で、無利子、保証人なしで借りることができます。上記の貸し付けは、令和4年6月末まで申し込みを受け付けています。
 

新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金

緊急小口資金の特例貸付の利用や総合支援資金の再貸付が不承認となった世帯への救済措置として、「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」が用意されています。
 
対象となるのは、緊急小口資金などの特例貸付を利用できない世帯で、以下の条件を満たす必要があります。

●総合支援資金の再貸付を借り終わった世帯/令和4年6月までに借り終わる世帯
●総合支援資金の再貸付が不承認となった世帯
●総合支援資金の再貸付の相談をしたものの、申し込みに至らなかった世帯
●令和4年1月以降に自立支援金を新たに申請する世帯で、緊急小口資金・総合支援資金の初回貸付を借り終わった世帯/令和4年6月までに借り終わる世帯

収入の月額について、(1)市町村民税均等割非課税額の1/12、(2)生活保護の住宅扶助基準額を合算した額を超えないという要件があるほか、預貯金が(1)の6倍以下(100万円以下)という資産の要件もあります。
 
また、ハローワークなど公的な無料職業紹介の窓口で求職の申し込み、および求職活動を行っていることなども要件となっています。
 
支給額(月額)は単身世帯で6万円、2人世帯で8万円、3人以上世帯で10万円、支給期間は申請月から3ヶ月間となります。申請は令和4年6月末まで受け付けていますが、申請先については自治体のホームページでの確認が必要です。
 

住居確保給付金(家賃)

新型コロナウイルスの影響で収入が減少し、家賃の支払いが困難になった人を対象に「住居確保給付金」を自治体が支給しています。
 
市区町村ごとに定める額(生活保護制度の住宅扶助額)を上限に、実際の家賃額が原則3ヶ月間(延長は2回まで、最長9ヶ月間)、賃貸住宅の大家や不動産媒介事業者などへ自治体から直接支払われます。
 
要件として離職や廃業後2年以内である場合や、個人の責任・都合によらず、給与等を得る機会が離職・廃業と同程度まで減少している場合、直近の月の世帯収入合計額が、市町村民税均等割が非課税となる額の12分の1と家賃の合計額を超えていないことが対象です。
 
また上記のほか、世帯の預貯金の合計額が各市町村で定める基準の額かつ100万円を超えていないこと、ハローワークなどへ求職の申し込みをして誠実かつ熱心に求職活動を行っていることなどが必要となります。
 
申請先はお住まいの自治体の自立相談支援機関で、期限は令和4年6月末まで延長される予定です。
 

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金

「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」は、新型コロナウイルス感染症および、まん延防止の措置の影響により休業させられた中小企業の労働者や、大企業のシフト労働者で休業手当の支払いを受けることができなかった人を対象に、本人からの申請によって支給される給付金です。
 
労働者にはパートやアルバイトも含みますが、雇用関係のないフリーランスは対象外となります。
 
期間は令和3年4月1日から令和4年3月31日までが対象となり、休業前の1日当たりの平均賃金×80%×(各月の休業期間の日数-就労した日数と労働者の事情で休んだ日数の合計)で算出された額が支給されますが、令和3年4月末までは1万1000円、令和3年12月末までは9900円、令和4年3月末までは8265円が上限となっています。
 
なお、申請期限は令和3年12月末までの期間は令和4年3月31日、令和4年3月末までの期間は令和4年6月30日です。申請など詳細は、厚生労働省ホームページで確認できます。
 

社会保険料等の猶予

社会保険料等の猶予には、事業主などが厚生年金保険料の納付が困難な場合の猶予制度もありますが、ここでは自営業など自身で国民年金保険料や国民健康保険料を支払っている人が対象となる制度について説明します。
 
国民年金保険料の納付が困難な場合、以下の要件を満たすことで臨時特例による保険料の免除・猶予、および学生納付特例による免除や猶予を受けられます。

(1)令和2年2月以降に新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少したこと
(2)令和2年2月以降の所得等の状況から、当年中の所得の見込みが現行の国民年金保険料の免除等に該当する水準になることが見込まれること

また、国民健康保険料の場合は、以下のいずれかの要件に該当する世帯が一部または全額の減免の対象です。

(1)新型コロナウイルス感染症により主たる生計維持者が死亡、または重篤な傷病を負った世帯
(2)新型コロナウイルス感染症の影響により、主たる生計維持者の収入減少が見込まれ、以下の3つの要件をすべて満たす世帯

●主たる生計維持者の給与収入、事業収入、不動産収入、山林収入のいずれかが、前年に比べて3割以上低下する見込みであること
●主たる生計維持者の前年の所得の合計額が1000万円以下であること
●減少が見込まれる主たる生計維持者の収入にかかる所得以外の前年の所得合計額が、400万円以下であること

減免については、世帯全員の保険料額×主たる生計維持者の減少が見込まれる事業収入などにかかる前年の所得の合計額÷世帯の前年の合計所得金額×減免の割合で計算されます。減免の割合は前年の所得合計金額に応じて、20%、40%、60%、80%、100%となっています。
 
国民年金保険料はお住まいの市区町村もしくは年金事務所へ、国民健康保険保険料は市区町村の健康保険担当窓口へ申請することになります。
 

まとめ

今回紹介した以外にも、ひとり親世帯や住民税非課税世帯への給付金、事業主に向けた各種免除制度や貸付制度など、公的な支援策が設けられています。
 
新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した場合は1人で悩まずに、まずは自治体などへ相談することで、生活を維持していくための方法が見つかる可能性もあります。
 
出典
厚生労働省 厚生労働省リーフレット「生活を支えるための支援のご案内」等について
 
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー

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