ただし、生活保護を受給するには収入以外にも、資産や能力の活用などといった、申請前にクリアすべき複数の要件があります。
本記事では、生活保護制度の概要と、申請前に実施しておくべき要件などを紹介します。
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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生活保護とは?その種類や支給額などを紹介
生活保護の申請は国民の権利として認められています。そのため、万が一のときに利用できるように、その仕組みについて知っておくことが大切です。
生活保護の主な目的と種類
生活保護は、生活困窮者の困窮レベルに応じた支援のために、国が設けている社会保障制度です。主な目的は、生活困窮者の「健康で文化的な最低限度の生活」の保障と、自立に向けた支援の2点です。
なお、生活保護には、基礎部分にあたる生活扶助のほかにも、住宅扶助・教育扶助・医療扶助・介護扶助・出産扶助・生業扶助・葬祭扶助があります。
生活保護が受給可能な人の状況
生活保護の対象になるのは、「活用できる資産がない」「預貯金や不動産などの資産のうち、ただちに活用できる資産がない」「生活保護以外の社会保障を利用しても生活ができない」「扶養してくれる親族がいない」「働いて得る収入が生活保護基準を下回る」といった状況にある人たちです。
生活保護基準とは
生活保護の支給を決定するうえで目安となる生活保護基準は、基準部会による5年に一度の見直し議論を経たうえで、厚生労働大臣によって決定されます(生活保護法第8条1項)。
この金額が事実上の貧困ラインとして設定されるため、収入が生活保護基準を下回っていれば、生活保護を受給できる可能性が高まります。
生活保護を申請する前に必要なこと
生活保護を申請する前に、まずは次の4点を実施する必要があります。
1点目は、資産の活用です。預貯金やマイカーなどの資産は、生活費のために活用や売却をします。ただし、マイカーや不動産などの資産は、例外的に所有が認められる場合があります。
2点目は、能力の活用です。働ける人は能力に応じて働くことが求められます。
3点目は、あらゆるものの活用です。生活保護以外で利用可能な社会保障は、すべて利用しておきます。
4点目は、扶養義務者の扶養です。親族に扶養可能な人がいる場合は、その支援を受けます。
これら4点を実施したうえで、なお収入が生活保護基準を下回っていれば、生活保護の受給対象となります。
生活保護の支給額
生活保護基準は、日常生活に必要な費用にあたる生活扶助費(最低生活費)でもあります。一般的に生活保護といえば、この生活扶助費を指していて、その金額は地域や世帯構成などによって異なります。
例えば、東京23区の場合、68歳の単身世帯の生活扶助費は7万7980円、33歳と29歳の夫婦と4歳の子ども1人の3人世帯の生活扶助費は15万8760円、30歳の母親と4歳と2歳の子ども2人の母子3人世帯の生活扶助費は19万550円です(令和3年4月現在)。
また、それぞれの生活に応じて、住宅扶助や教育扶助などの各種扶助費が上乗せ支給されます。
正社員の人が受給可能な生活保護費
正社員で働きながら生活保護を受給するには、申請前の実施要件をクリアしたうえで、収入が生活保護基準を下回っていることが前提になります。
また、原則として満額支給は不可能で、生活保護基準の金額から収入分を差し引いた金額が支給されます。
ためらうことなく早めの申請が大切
「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(日本国憲法第25条)」は、すべての国民に与えられています。そのため、この権利が享受できない状況にある場合は、正社員であっても生活保護が受給できます。
もしも経済的に困窮していて、事前に実施すべき要件がクリアできているなら、ためらうことなく早めに申請することが大切です。
出典
厚生労働省 生活保護制度の概要等について
厚生労働省 生活保護制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員