更新日: 2022.05.16 その他暮らし

低所得世帯が利用できる「無料低額診療事業」とはどんな制度?

低所得世帯が利用できる「無料低額診療事業」とはどんな制度?
収入が安定せず、体調が悪いときに病院で治療を受けられないと悩んでいる家庭も少なくありません。そのような世帯をサポートするための制度が「無料低額診療事業」です。しかし、こういった制度があることを知らなかったり、知っていても詳細がわからなかったりすることもあるでしょう。
 
そこで本記事で無料低額診療事業についてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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無料低額診療事業は上手に活用を

「無料低額診療事業」は、低所得世帯が経済的に困難という理由で必要なときに医療を受ける機会を失わないようにするための制度です。社会福祉法に基づく第二種社会福祉事業、法人税法の基準に基づいて実施するものの2種類があります。
 
対象者は無料もしくは低額で診療を受けることができますが、無料・低額になるのは実施医療機関における料金です。薬局での料金、保険診療にならないものについては対象外になっています。
 

・対象者は低所得世帯など生計困難者

厚生労働省によると、無料低額診療事業の対象となるのは「低所得世帯」「ホームレス」のほか、「要保護者」「DV被害者」「人身取引被害者」などです。人身取引被害者とは経済的に困難なことが原因となり、強制労働、性的サービス・搾取などをさせられた被害者を指します。対象者が医療保険に加入しているかどうか、国籍については問いません。
 

・利用したい場合の相談先

無料低額診療制度を利用する場合、まずは関係機関に相談をしましょう。取り扱っているのは、医療機関あるいは福祉事務所、社会福祉協議会です。無料低額診療実施医療施設に直接相談する場合は、その医療機関のソーシャルワーカーと話をして対象者であるかどうかを確認した上で減免措置が決定されます。
 

・利用方法とは

まずは利用するために無料低額診療の申請が必要です。実施医療機関に申請してソーシャルワーカーと面談し、生活事情などについて相談しましょう。
 
適用外であった場合も医療が適切に受けられるようにアドバイスをしてもらうことが可能です。会議で無料低額診療の対象者であると判断されれば、後日結果のお知らせがあります。無料・低額診療券が交付されますので、そちらを持って診察を受けると窓口での支払いが無料・低額になります。
 

・適用はあくまでも一時的

無料低額診療事業の適用期間は無料診療の場合で健康保険に加入するまで、あるいは生活保護が開始されるまで原則として1ヶ月間です。最大でも3ヶ月間(低額診療の場合は最大6ヶ月間)になっています。全国の無料低額診療実施医療機関は約700カ所あり、現時点での実施医療機関の一覧は全国福祉医療施設協議会のホームページにて確認可能です。
 

いざというときの無料低額診療制度

経済的に悩んでいる世帯も安心して診療を受けられるように国がサポートしているのが無料低額診療事業です。申請後には適用対象かどうかの会議があり、対象となれば無料・低額診療券が交付されます。ただ、薬局での料金や保険対象外の内容には利用することができません。
 
適用外となった場合も、無料低額診療実施医療機関にはソーシャルワーカーがいますので、診療を受けるためのアドバイスを受けられます。まずは、関係機関や実施医療機関に相談をしてみましょう。
 

出典

警察庁 人身取引(性的サービスや労働の強要等)対策
全日本民医連 医療費でお困りの方はご相談ください(無料低額診療)無料低額診療事業 制度の説明
全日本民医連 無料・低額診療制度の利用方法
厚生労働省 無料低額診療事業について
東京都福祉保健局 無料低額診療事業・無料低額介護老人保健施設利用事業
全国福祉医療施設協議会 無料低額診療事業
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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