ウクライナからの避難民のペットで注目。ペットの検疫はどんなシステム? 料金はどのくらい掛かる?
配信日: 2022.05.18
検疫は動物の病気が国内に入ってくるのを防ぐために大切なシステムです。実際にペットを連れて日本に入ってくる際、どのようなシステムになっているのか知っておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
検疫は動物の病気を侵入させないために世界中で実施されている制度
世界中の国々で動物が感染する病気を侵入させないために、動物検疫が行われています。
例えば、犬や猫を海外から日本に連れてくるときは、狂犬病やレプトスピラ症(犬の場合)にかかっていないことを検査で証明しなければなりません。条件を満たしていれば検疫での検査は短期間で済みますが、条件を満たしていなければ最長180日間、検査を受けるために係留施設で留め置かれます。
日本の動物検疫所で入国のための検疫を受けるのは犬や猫だけではありません。ほかにもウサギや鳥類、キツネやアライグマ、水産動物など、それぞれ適切に対応されています。また、日本から海外に動物を出国させる際も、日本を出国する条件や相手国に入国する条件を満たしている必要があります。
検疫の届け出や手続きの仕組みは?
では、具体的に検疫の手続きがどのようになっているのか、犬を例に説明していきましょう。
海外から犬を連れて帰ってくる予定がある場合は、少なくとも8ヶ月以上前から準備を進める必要があります。マイクロチップによる個体識別ができることが条件になっているため、まずは動物病院でマイクロチップを装着してもらわなければなりません。その後、指定地域(ハワイ、グアム、オーストラリアなど6地域)または指定地域以外かによって、必要な手続きを進めます。
・指定地域から日本に入る場合の手続き
指定地域の場合は在住に関する規定を満たした上で到着40日前までに事前届け出を行い、獣医師による輸出前検査を行って輸出国の証明書を取得します。そして、輸送に関する規定を踏まえた上で輸送し、日本に到着したら動物検疫所で輸入検査を受けますが、条件を満たしていれば検査にかかる係留時間は12時間以内です。
・指定地域以外から日本に入る場合の手続き
指定地域以外からの場合も、マイクロチップを装着しなければならないのは同じです。その後は狂犬病予防注射を2回接種した上で狂犬病抗体検査を受け、指定地域と同様に事前届け出や輸出前検査、輸入検査を受けます。
なお、狂犬病抗体検査の日から日本到着日の間は、待機期間180日以上設けなければなりません。
ペットの検疫はどのくらい料金がかかる?
動物の輸入検疫そのものの費用はかかりません。ただし、係留施設へ輸送するための代金や係留期間にかかる費用に関しては、動物を輸入する者の負担です。
また、事前の手続きとして必要なマイクロチップの装着や検査、狂犬病予防注射の接種にかかる費用も輸入者の負担になるため、確認しておく必要があります。
ちなみに、日本で犬を飼う場合、毎年狂犬病の予防注射を受けさせることが義務付けられています。費用は予防注射を受けたことを証明する注射済み票の交付手数料と合わせて3000円前後ですが、自治体や動物病院によって違いもあるため確認してください。
なお、日本では新しく犬を飼った際、最初の年に登録料が3000円かかります(2022年5月時点)。
検疫は感染症を国内に持ち込まない!持ち出さないためのシステム
日本と海外を行き来する際、日々家族とともに過ごしているペットも一緒に連れて行きたいと思うのは当然の気持ちでしょう。しかし、動物が感染を広げる可能性のある病気を何の策も施さず、国を超えて持ち込んだり持ち出したりするわけにはいきません。そこで行われているのが動物検疫です。
ペットを連れて日本に帰ってくる、または海外に出て行く予定があるのなら、前もって準備を整えましょう。
出典
農林水産省 動物検疫所ペットの輸出入
農林水産省 動物検疫所日本への犬、猫の持ち込み
農林水産省 動物検疫所犬、猫を輸入するには
農林水産省 動物検疫所指定地域から日本に犬・猫を輸入するための手引書(最終更新2021年11月)
農林水産省 動物検疫所指定地域以外から日本に犬・猫を輸入するための手引書(最終更新2021年11月)
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