更新日: 2022.05.21 子育て

成年年齢の引き下げで成人は18歳からに。お金に関してできることと注意点

執筆者 : 杉浦詔子

成年年齢の引き下げで成人は18歳からに。お金に関してできることと注意点
2022年4月の民法改正により、我が国の成年年齢は18歳に引き下げられました。
成年年齢が見直されたのは約140年ぶりであり、女性の婚姻年齢など変更点がいくつかありますが、今回はお金に関することと注意点についてお伝えします。
杉浦詔子

執筆者:杉浦詔子(すぎうらのりこ)

ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

「働く人たちを応援するファイナンシャルプランナー/カウンセラー」として、働くことを考えている方からリタイアされた方を含めた働く人たちとその家族のためのファイナンシャルプランニングやカウンセリングを行っております。
 
2005年にCFP(R)資格を取得し、家計相談やセミナーなどのFP活動を開始しました。2012年に「みはまライフプランニング」を設立、2013年よりファイナンシャルカウンセラーとして活動しています。
 

成年とは何か?

民法が定める成年年齢には、「1人で契約が結べる年齢」と「父母の親権に服さなくなる年齢」という2つの意味があります。
 
未成年者は法律で保護されていますので、親の同意がない契約は取り消すことが可能です。また親権という権利・義務により、親は子どもを守り育て、子どもの財産も管理することができます。
 
成年年齢の引き下げにより18歳で成年になると、例えば欲しい物を親の同意がなくてもローンで購入できるようになるなど、自分の意思でさまざまな契約ができるようになります。
 

18歳からお金に関してできること

2022年4月以降、18歳から親などの同意がなくてもお金に関する契約が可能となり、以下のような契約が1人で行えるようになっています。

●クレジットカードの作成
●ローンを組んで購入
●携帯電話の契約
●アパートを借りるなどの賃貸契約

18歳で高等学校を卒業して社会人や大学生などとなり、一人暮らしをするケースを考えてみましょう。
 
アパートなどを借りるためには、不動産会社との賃貸契約が必要です。また、家具や家電を購入するための現金を持っていない場合、ローンを組むか、クレジットカード払いをすることになります。
 
連絡手段として携帯電話も必要で、すでに携帯電話を持っている方でも契約の更新や買い換えのタイミングがあります。
 
2022年3月までは、これらすべてが親の同意がなければできませんでした。そのため、自分で自由に決めたいと思うことでも、20歳になるまでは親に反対されたらできなかったのです。
 
しかし、2022年4月からは一人暮らしを始めるための準備なども、成年年齢に達した18歳になれば自分で決めて、自分で行うことができるのです。
 

18歳からお金に関して注意しておくこと

お金に関して18歳からできることが増えるのは、便利なようにも感じますが、その一方で注意しておくこともあります。
 
自分で契約ができるということは、契約の取り消しができなくなるということでもあります。例えば、高額な商品をローンで買った場合などは、自分で責任を負うことになります。
 
購入した物が生活に必要であり、適正な価格で購入した場合は問題ないかもしれませんが、特に必要がない物を不当な値段で売りつけられてしまうような消費者被害に遭わないとは言い切れません。
 
また、成人したばかりの18歳や19歳の方が儲かる話などを持ち掛けられたときには、怪しいかもしれないと考えて、その場で契約をせず、他者に相談してから契約をするかしないか判断するようにしましょう。
 
もしも契約した後で、消費者被害に遭ったかもしれないと思った場合には、勧誘の仕方が悪質であれば取り消しができますし、契約後の一定の期間は「クーリング・オフ」という契約を解除できる制度があります。
 
まずは家族や親戚、知人などの身近な人にすぐに相談してください。身近に相談できる人がいない場合は「消費者ホットライン」(電話番号:188)に連絡して、自治体の相談窓口を紹介してもらいましょう。
 

参考

政府広報オンライン 18歳から“大人”に! 成年年齢引下げで変わること、変わらないこと。
 
執筆者:杉浦詔子
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

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