17人に1人がヤングケアラー!? 家事や介護を担う子どもが頼れる支援や制度を紹介

配信日: 2022.05.28

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17人に1人がヤングケアラー!? 家事や介護を担う子どもが頼れる支援や制度を紹介
CMやニュース、雑誌などで「ヤングケアラー」という言葉を見たり聞いたりしたことはありませんか?
 
近年、ヤングケアラーは少子高齢化や親の長時間労働、貧困といった要因を背景に、その存在が社会問題となっていますが、今回はヤングケアラーと呼ばれる子どもたちが頼れる支援制度について紹介します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

ヤングケアラーとは

ヤングケアラーとは法令上の定義はありませんが、一般に、本来は大人が対応するような家族の世話などを日常的に行っている子どものことをいいます。
 
具体的な例としては、障害や病気を抱える家族の介護をしていたり、親に代わって家事を行ったり、働いて家計を支えていたり、アルコールやギャンブル依存の家族の対応などをしている子どもがヤングケアラーに該当します。
 
厚生労働省の調査(令和2年度)では、調査に参加した中学2年生の17人に1人がヤングケアラーだったという結果となっており、クラスに1人か2人はヤングケアラーがいる計算になります。国や自治体は、ヤングケアラーが今後増えることや子どもの将来への影響を懸念し、支援を強化する方針を決定しています。
 

ヤングケアラーが頼れる制度や支援

ヤングケアラーの存在が問題となったのは、ここ最近の話です。そのため、当事者である子どもが頼れる制度があるということもあまり知られていませんが、現在、状況に応じて次のような制度の利用や窓口を通じた支援を受けることができます。
 

相談窓口によるサポート

ヤングケアラーの方で、現状や今後についてどうすればいいか分からない、支援を受けたい、誰かに悩みを聞いてほしいという状況であれば、全国にある児童相談所へ相談してみてください。
 
また、都道府県や市区町村では、ヤングケアラーなど子どもや家庭について相談を引き受けているほか、精神保健福祉士による相談窓口、ヤングケアラー同士のコミュニティーサイトなどがあります。
 
公的な窓口に相談したり、誰かに話をすることでアドバイスを得られたり、支援を受けるきっかけとなって状況が好転することもあります。
 

介護保険制度

介護保険制度とは、介護施設の日帰り利用、ヘルパーによる訪問介護や家事の援助、必要な介護用品のレンタルといった介護サービスを、費用の1割(または所得に応じて2割・3割)の利用者負担で受けられる公的な社会保険制度です。
 
介護保険制度に基づいた介護サービスを利用できれば、金銭的な面だけでなく、介護におけるヤングケアラーの肉体的・精神的な負担も大きく軽減されることが期待できます。
 
ただし、介護保険制度を利用するには介護を受ける被保険者の方の年齢が40歳以上であり、市区町村の窓口で要介護認定の申請を行った上で、要介護状態(65歳以上であれば要支援でも可)と認められる必要があります。
 
40歳上の方を介護しているという場合、まずは介護保険制度の利用や申請について、家族の方と市区町村役場へ相談することから始めてみてください。
 

生活困窮者自立支援制度

ヤングケアラーやその家族を支援する制度としては、生活困窮者自立支援制度があります。
 
特に子どもが家計を支えている世帯では、この制度によって親の就労支援や家計の改善、子どもの学習環境の整備、住居確保など生活全般について支援を受けることで、ヤングケアラーが抱える問題の解決や負担の軽減につながる場合があります。
 
生活困窮者自立支援制度は、地域の社会福祉協議会や市区町村役場などが相談の窓口となっています。
 

まとめ

ヤングケアラーは学校のクラスに1人や2人はいると推定され、今後も高齢化などに伴い増加していくことも予想されています。
 
ヤングケアラーが相談できる場所や利用できる制度、生活について受けられる支援があることが周知されるほか、国や自治体による適切な施策と早急な対応など、社会全体で解決していく必要がある問題として考えていきたいところです。
 

出典

厚生労働省 子どもが子どもでいられる街に。
公益社団法人 日本精神保健福祉士協会 子どもと家族の相談窓口(Eメール対応)
厚生労働省 ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチーム報告
厚生労働省 介護保険制度について(40歳になられた方へ)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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