更新日: 2022.06.17 暮らし

【18歳成人】140年ぶりの変更! 昔は何歳が「成人」だった? 大人になるってどんなことだった?

【18歳成人】140年ぶりの変更! 昔は何歳が「成人」だった? 大人になるってどんなことだった?
2022年4月1日より、成年年齢が従来の20歳から18歳に引き下げられました。成年年齢の変更は、明治9年(1876年)の太政官(だじょうかん)布告で成年年齢が20歳と定められて以降、実に140年ぶりの改正です。ここでひとつの疑問が生じます。
 
明治9年以前の昔は、何歳が「成人」だったのでしょうか。また、現代では成人になるとさまざまな義務や権利が生じますが、昔の成人の場合はどうだったのでしょうか。詳しく検証してみることにします。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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昔の成人は15歳から!「元服」が大人になるための通過儀礼だった

明治時代に法律で成年年齢が定められる以前は、現在のように具体的に何歳から大人になるといった決まりはありませんでした。ただ、主に公家や武士の家系では、大人になる過程で「元服」という通過儀礼を行います。この儀式を行うのが、15歳くらいだったといわれています。つまり、昔は15歳前後が子供と大人の境目だったわけです。
 
ところで、「元服」とはどういう儀式でしょうか。その由来は中国古来の儀式「冠礼」に習ったものだとされています。元服の「元」の字には、首や頭を表す意味があります。「服」の字は、衣服や着用、また冠といった意味。すなわち、元服とは、とりわけ大人の象徴として扱われる冠を頭に被せ(かぶせ)、それまでとは衣服を改めることによって、一人前の大人になったことを示す儀式だったのです。
 
史料で確認できる日本の最古例は、奈良時代の和銅7(714)年に行われた首(おびと)皇子(後の聖武天皇)です。おおむね元服は、天皇で11歳から15歳まで、皇太子は11歳から17歳までのうちに行われました。地域や時代、身分、氏族によって元服の年齢はまちまちで、徳川四代将軍家綱は5歳で元服を迎えています。
 
これは、家綱の父・家光が当時としては遅い38歳の時に誕生した男子で、そして病気がちの家光が、将軍家の安泰を図るため元服の儀式を急がせ、世継ぎを広く公表したかったためです。元服は単に婚姻可能となる以外に、身分によっては政治や軍事を執り行う責任が与えられるといった意味を持っていました。
 

男子だけではない!女性にもあった「元服」

武士や公家社会での「元服」は、烏帽子(えぼし)や冠を被って装束を改めることで、一人前の男性、昔の言葉でいえば「大丈夫(だいじょうふ)」になったことを認めるものです。ただし、これは主として男性社会の通過儀礼です。それでは、昔の女性には男性のような「大人の通過儀礼」がなかったのでしょうか。実は江戸時代以降、女性も男性と同じように15歳前後を迎えると「元服」の儀式を行っていました。
 
男性が烏帽子や冠を被って一人前の大人になるように、女性は髪を結い上げることが大人の女性になったことの証しと見なされました。また、女性の元服の場合も、裳(も)と呼ばれる装束を着用するのが通過儀礼です。これを「髪上げ」「裳着(もぎ)」といいます。また、結婚した女性は「お歯黒」と「丸まげ」にするのも当時の風習です。
 

昔の人が大人になったら何が変わる?

昔の大人は元服の儀式を終えると結婚することができるようになります。現行法では、結婚年齢は18歳と定められていますが、当時は15歳前後で元服を迎えればすぐに結婚することができたわけです。当時の人の結婚が今に比べて早いのもこのためです。また、武士や公家の場合は元服を機に幼名を改め、実名をもらって名乗るようになります。
 
一方、庶民にも元服の風習は広がっていきます。庶民も同様、元服を迎えたら衣服を改めたり、名前を変えたりしましたが、それ以上に一人前として認められるためには鍬(くわ)で田畑を耕せるかどうかが大切だったようです。女性では、1人で反物をひとつ、こしらえられることが一人前の証しと見なされました。
 
儀式を通じて大人になったとしても、一人前として認められるかどうかは、やはり今も昔も実力が伴ってこそということでしょう。
 

15歳は大人の節目!今も昔も変わらない

昔の人は今より若い15歳前後から成人として見なされていました。また、140年ぶりに変更されるまで法令上は20歳が成年年齢でしたが、一般的な庶民生活の中では、戦後まで昔の15歳前後で成年を迎えるという風習が続いていたともいわれています。今でも、15歳はちょうど義務教育が終わる年齢。大人への階段を踏むという意味で、今も昔も15歳は節目の年齢だということでしょう。
 

出典

国立国会図書館 本の万華鏡 第31回 成人の儀式―古代から近世まで―
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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