【墓じまい】「檀家」をやめる人が増えている!? 穏便に離檀するためにはどうすればいいの?
配信日: 2022.06.20
そこで今回は、穏便に離檀の手続きを進めるためのポイントを説明します。お墓の今後を考える際の、参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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永代供養・海洋散骨など選択肢が多様化
厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、改葬(墓じまい)は2010年度では7万2180件で、2020年度には11万7772件。10年前に比べると4万件以上も増加し、ここ数年間では12万件前後の水準を保っている状況です。背景には、お墓に対する考え方の変化や供養方法の多様化があります。
例えば、永代供養なら管理・供養のすべてを寺院に任せることが可能です。お墓そのものが必要ないと感じる方には、海洋散骨という選択肢もあります。
穏便に離檀するためのポイント
檀家をやめて墓じまいする際は事前準備が大切です。寺院・家族とのトラブルを避けるために、必要な情報を十分に整理しておきましょう。ここでは、スムーズに檀家をやめるためのポイントを説明します。
・これまでお世話になった寺院に礼を尽くす
墓じまいをするには改葬許可証に、住職など墓を管理している人のサインが必要です。基本的に、何の連絡もなしに書類だけ送るのは失礼にあたります。なぜ墓じまい・離檀するのか、理由をきちんと伝えましょう。離檀料には法的な規定はありませんが、数万円程度のお布施を包むのが最低限のマナーです。寺院との関わりが薄い方もいるかもしれませんが、長年にわたりお墓を守ってもらったことへの感謝を伝えましょう。
・具体的な費用について家族とすり合わせる
離檀して墓じまいを行うなら、離檀料や墓石の処分費(30万円程度)がかかります。さらに、遺骨を永代供養の霊園に入れる、海洋散骨するなど、新たな形で供養するための費用も必要です。
1人あたり30万~50万円程度は必要で、複数の骨壺があれば数百万円になることもあります。「こんなにかかると思わなかった」と費用に関して家族内でトラブルになることもあるため、事前に具体的な金額についてすり合わせておきましょう。お墓に対する考え方なども話し合うことが望ましいです。
無理に離檀する必要はない
管理がずさんであるなど、お寺側に問題がある場合は、早めの離檀を検討したほうが良いといえます。しかし「遠方だから」という理由だけなら、少し立ち止まって考えなおしてみましょう。
毎年の管理費をきっちり支払い、何年かに一度お墓参りをすることが苦でなければ、お墓の近くに親族が誰もいなくても問題はありません。墓じまいには数十万円の費用がかかり、さまざまな手続きもあります。焦って墓じまいを考える前に、さまざまな選択肢を検討してみてください。
費用の事前確認や家族との話し合いが大切
檀家をやめるのであれば、しっかりとした手続きで行うことが大切です。墓じまいには遺骨の移動や墓石の処分などに費用がかかり、場合によっては100万円近くになることも。また、年に1~2万円程度の管理費や年に1回程度のお墓参りのほうが、むしろ楽な可能性もあります。お墓との向き合い方について、家族で話し合って認識をすり合わせることが大切です。
出典
e-Stat統計で見る日本 衛生行政報告例2020年度/2010年度
PRESIDENT Online 「海に散骨、墓の撤去で各数10万円」爆増中の”墓じまい”を強行して痛い目にあう人の特徴
ESSEonline 檀家をやめるのに100万円!?「墓じまい」で菩提寺とトラブルにならないためには
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部