更新日: 2022.06.28 暮らし

近年増加傾向にある住宅リフォームの悪質商法とは?

執筆者 : 高橋庸夫

近年増加傾向にある住宅リフォームの悪質商法とは?
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、在宅率が高くなっていることも影響してか、近年、住宅リフォームに関する詐欺や悪質な商法についての相談件数が増加傾向にあるようです。

ここでは、独立行政法人国民生活センターのホームページに掲載されているさまざまな事例や、その対処方法について確認してみたいと思います。
 
高橋庸夫

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

住宅リフォームの詐欺や悪質商法の事例

住宅リフォームに関する詐欺や悪質商法には、さまざまな種類がありますが、最近多い事例としては、大きく分けて「訪問販売によるリフォーム工事」と「点検商法」とよばれるパターンが挙げられています。
 
(1)訪問販売によるリフォーム工事
コロナ禍で在宅率が高くなっていることなどを背景に、訪問販売によって半ば強引に契約をせかされ、必要のないリフォーム工事や高額の工事を契約してしまったという事例が多く報告されています。

【事例】

●隣家で作業しているという業者が来訪し、屋根の修理を契約した。その後、外壁の修理も必要と言われ、追加で契約してしまった。
 
●外壁塗装工事を依頼したいと思って事業者紹介サイトに登録したところ、ある業者から電話があり自宅に訪ねてきた。工事の見積もりが提示されたが、他社と比較したいという希望には応じてくれず、仕方なく契約した。

 
(2)点検商法
「無料で点検します」と言って来訪し、すぐにでも工事を行わないと危険などと報告を受けて、やむなく修繕やリフォーム工事を契約してしまったという事例もあります。

【事例】

●近くで工事をしていると業者が突然訪問してきて、翌日「点検します」と屋根に上がり、割れた瓦の写真を見せられ、修繕工事の契約をしてしまった。
 
●排水管の高圧洗浄をお願いした業者から、排水管が古いため、今回の高圧洗浄で水漏れが発生する可能性があり、床下の排水管を点検したいと言われた。

 

火災保険の保険金で自己負担なしと勧誘

そのほかにも火災保険の保険金を使うことで、自己負担ゼロで住宅のリフォームができることをうたった勧誘に対する相談事例も年々増えています。そのなかでも、契約当事者の年齢が60歳以上の場合の割合が高まっており、2018年度には相談件数全体の約80%を占めています。
 
実際には、業者から提示された見積金額に対して、保険会社から保険金の支払いが認められなかった、または保険金が全額ではなく少額しか支払われなかったケースのほか、詐欺や悪質商法のような事例も見られます。
 

【事例】

・業者(工務店)に壊れていない瓦を外す細工をされ、黙っているようにと指示された
 
・工事契約時には違約金や手数料の説明は一切なかったが、契約書を見たら工事をしない場合には違約金として保険金の「〇割」を支払うという記載があった
 
・保険金でリフォーム工事ができるとの理由で契約したが、工事内容がずさんだった

 
なお、「保険金が使える」と勧誘する住宅修理サービスについて、年度別の相談件数の推移は図表1のとおりです。
 
図表1
 


 
※2020年度は8月31日までの相談件数
 
出典:独立行政法人国民生活センター 「保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる」と勧誘されてもすぐに契約しないようにしましょう! -勧誘・契約が増える秋台風シーズンは特に注意してください-
 

詐欺や悪質商法への対処方法

住宅リフォームでの詐欺や悪質商法の被害について不安に思った場合や、トラブルになりそうな場合には、1人で悩まずに「消費者ホットライン」(全国共通で局番なしの「188」)に相談してみてください。近隣の消費生活センターや消費生活相談窓口などの案内を受けることができます。
 
また、以下の基本的な対処方法も覚えておきましょう。
 
(1)訪問販売についてはクーリングオフ制度が使える場合があります
契約書面を受け取ってから8日間以内であれば、工事が終わった後であってもクーリングオフ制度により、契約を解除できる場合があります。クーリングオフの申し出は、必ず書面で行うなどさまざまな決まりがありますので、不明な点などがあれば消費生活センターなどに相談してみましょう。
 
(2)保険金を使って自己負担なしで工事できると業者に言われた場合、加入している保険会社や保険代理店に事前に相談しましょう。
 
(3)前述した事例にあるような、不正な手段により壊れていない瓦を外すなどした保険金の請求には、一切加担しないようにしてください。
 

まとめ

雨漏り対策など住宅の屋根の工事に関する詐欺・悪質商法の相談事例は、台風シーズンの10月前後に増加する傾向があり、台風による被害が新聞やニュースなどで盛んに報道され、それを見た方々が不安に思うことに便乗した悪質な手口といえます。
 
詐欺や悪質商法などは決して許すことができない行為ですが、悪意のある勧誘や契約にだまされないためには、正確な情報や対処方法を知っておくことも大切でしょう。
 

出典

独立行政法人国民生活センター 訪問販売によるリフォーム工事・点検商法
独立行政法人国民生活センター 「保険金を使って住宅を修理しませんか」がきっかけでトラブルに! -高齢者からの相談が増加しています-
独立行政法人国民生活センター 「保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる」と勧誘されてもすぐに契約しないようにしましょう! -勧誘・契約が増える秋台風シーズンは特に注意してください-
消費者庁 消費者ホットライン
独立行政法人国民生活センター クーリング・オフ
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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