男性社員の育休を巡る現状。上司と妻の考えに大きな開き!?
配信日: 2022.06.28
国をあげて推進されている男性の育児休業ですが、現状はどこまで浸透しているのでしょうか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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政府は2025年までに男性の育休取得率30%を目指す
厚生労働省の「令和2年度雇用均等基本調査」によると、男性の育児休業取得率は12.65%となっており、前回調査の7.48%から増加しているものの、依然として高い水準とはいえません。育児休業の取得期間についても、5日未満が28.33%となっており、短期間での取得にとどまっていることが分かります。
このため政府では、2025年までに男性の育児休業取得率を30%まで引き上げることを目標にしており、育児・介護休業法の改正もその一環といえるでしょう。2022年10月からは、分割して育児休業を取得できる新たな制度がスタートする予定となっており、男性の育児休業の取得推進が期待されます。
育休をめぐって会社と家族では認識のズレがある
国をあげて推進される男性の育児休業ですが、会社の上司や家族はどのように捉えているのでしょうか。
サイボウズチームワーク総研が上司2000人を対象に行った調査では、理想的な男性の育児休業取得期間について、「1週間未満」と答えた人が20.8%で最多となりました。「1ヶ月未満」と答えた人と合わせると、58%にものぼる結果となっています。
一方、しゅふJOB総研が、ビースタイル スマートキャリア登録者および求人サイト「しゅふJOB」に登録している女性684名に対して行った、男性の育児休業取得に関する意識調査では、男性の最適な育児休業取得期間について「3ヶ月以上」と答えた人が32.3%にものぼります。
【図表1】
出典:しゅふJOB総研「男性の育児休業取得について、女性はどう思っているか?」
この結果から、男性の育児休業をめぐって、上司と家族の間に大きな認識のずれがあることが分かります。
また、しゅふJOB総研の同調査にて、改正育児・介護休業法について知っているか尋ねたところ、「知っている」と答えた人は33.3%にとどまりました。
子どもが生まれ、ライフスタイルが大きく変化する中で、夫婦が必要とする育児休業期間をしっかりと取得するためには、まずは制度が広く浸透していくことが欠かせないでしょう。「男性も当然に育児休業を取得するもの」との認識が広まれば、上司と家族の間の認識のずれも是正されていくかもしれません。
男性の育休は制度による支援と会社のサポートが必要
育児・介護休業法の改正を受けて、男性の育児休業取得の在り方は大きく変化しています。現在はまだ取得率は低いものの、政府は2025年までに30%の取得を目指しており、そのための制度改革も進められています。
また、男性が心置きなく育児休業を取得するためには、会社のサポートも欠かせません。「上司が早く復帰してほしそうだから長く休めない」ということでは、なかなか取得率も伸びないでしょう。
仕事の属人性をなくして代替要員を立てておくなど、会社としても育児休業を取りやすい環境を整えておくことが大切です。
出典
厚生労働省 イクメンプロジェクト 育児休業制度とは
厚生労働省 「令和2年度雇用均等基本調査」結果を公表します
サイボウズ株式会社 サイボウズチームワーク総研 上司2000人に聞く「男性育休」に関する意識調査
株式会社ビースタイル ホールディングス しゅふJOB総研 男性の育児休業取得について、女性はどう思っているか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部