都道府県別の平均家賃からみる、コスパの良い住まいの見つけ方
配信日: 2022.06.28
本記事では、家賃が高くなる傾向がある大都市圏において、コスパの良い住まいの見つけ方を解説します。
執筆者:北川真大(きたがわ まさひろ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
証券外務員一種
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全国家賃動向からみる家賃の高い都道府県、安い都道府県
全国賃貸管理ビジネス協会が2022年4月に公表した全国家賃動向では、都道府県ごと、部屋数ごとの家賃の平均額が、契約ベースで記載されています。
1部屋の家賃が高い都道府県と安い都道府県のランキング上位は図表1の通りです。
図表1 1部屋の平均家賃相場ランキング
高い都道府県 | 安い都道府県 | |
---|---|---|
1位 | 東京都(6万8754円) | 鳥取県(3万8957円) |
2位 | 神奈川県(5万8666円) | 山形県(3万9064円) |
3位 | 大阪府(5万6515円) | 山口県(3万9571円) |
※全国賃貸管理ビジネス協会「全国家賃動向(2022年4月調査)」より筆者が作成
全国平均は5万547円で、大都市から離れた地方の都道府県は、家賃が安い傾向です。ただし進学、就職、異動を考えれば、どうしても家賃の高い大都市圏に住まざるを得ない事情のある人も多いのではないでしょうか。
コスパの良い住まいの選び方3つのコツ
東京や大阪などの大都市圏は、どうしても家賃が高くなります。大都市圏でなるべく家賃が安い「コスパの良い住まい」を実現するためには、選び方にコツがあります。
家賃が少しでも安い近隣の府県を選ぶ
都道府県ごとの平均家賃相場を見れば、家賃の高い3都府県(表1)を除いて、5万5000円未満です。関東圏なら千葉県や埼玉県で5万3000円台、関西圏なら京都府や兵庫県で5万1000円〜2000円台、奈良県なら4万6000円台まで抑えられます。
主要都市や駅の近くは平均家賃相場より高くなるものの、家賃が高い3都府県よりは安く住めるでしょう。
主要駅周辺で家賃相場の安い場所を選ぶ
家賃が安くても、通勤や日々の生活に不便な場所では車が必要になります。車の維持費が発生すれば、家賃が月1万円安くてもトータルの生活費は減らないので、意味がありません。
近隣の府県に住むなら、できる限り主要駅を選びましょう。主要駅とは、快速や特急などの優等列車が停車する、地域の中核となる駅をいいます。
各府県の主要駅は、図表2のとおりです。
図表2 関東圏、関西圏の近隣府県の主要駅
埼玉県 | 大宮、浦和、川口、南越谷(新越谷)、北朝霞(朝霞台)、 武蔵浦和、さいたま新都心 |
千葉県 | 船橋、西船橋、柏、千葉、津田沼、松戸、海浜幕張、 新浦安、舞浜、稲毛 |
京都府 | 京都、山科、京都河原町、烏丸、桂 |
兵庫県 | 三ノ宮、神戸、明石、姫路、垂水(山陽垂水)、 宝塚、芦屋、加古川、西宮(西宮北口) |
奈良県 | 生駒、学園前、大和西大寺、新大宮、近鉄奈良 |
※JR(2020年度の1日平均乗車人員)、近畿日本鉄道(2021年11月9日の1日乗降人員)、阪急電鉄(2020年の1日平均乗降人員)の資料より筆者が抜粋
主要駅の周辺には商業施設が集まりやすく、車なしでも生活に困りません。
なるべく乗り換えなしで通勤通学できる駅を選ぶ
大都市圏に向かう平日の朝夕の電車は、特に混雑します。満員電車に乗るのはある程度許容するとしても、乗り換えを伴う通勤通学は苦痛です。
できる限り乗り換えなしで通える駅を選び、その周辺で住まいを選びましょう。
安くて住みやすい場所を見つけよう
日本の人口は減少し始め、2021年には東京都を含む、沖縄県以外の46都道府県で人口減少となりました。大都市圏でも、2020年以前より家賃の安い場所は探しやすくなっています。
賃貸ならいつでも引っ越しはできますが、余計な費用と時間がかかります。安くて住みやすい場所で、できる限りコスパの良い住まいを選びましょう。
出典
総務省統計局 小売物価統計調査(構造編)
全国賃貸管理ビジネス協会 全国家賃動向(2022年4月調査)
総務省統計局 人口推計(2021年10月1日現在)
執筆者:北川真大
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種