更新日: 2022.06.29 その他暮らし

「太陽光発電」を個人で始めるメリットとは? 注意点と合わせて解説

執筆者 : 古田靖昭

「太陽光発電」を個人で始めるメリットとは? 注意点と合わせて解説
太陽光発電を始めるには、初期投資にかかる費用があるものの、長期的に運用していくことで利益が出るようになります。
 
本記事では、太陽光発電を個人で始めるにあたって、メリットや注意点を解説します。
古田靖昭

執筆者:古田靖昭(ふるた やすあき)

二級ファイナンシャルプランニング技能士

太陽光発電を始めるメリットとは

太陽光発電を個人で始める場合、初期投資がかかるものの、さまざまなメリットがあります。主なメリットは以下のとおりです。
 

売電収入が得られる

太陽光発電によって発電された電気は、電力会社へ売電することで収入が得られます。再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)があり、電力会社が一定期間一定価格で買い取ることを国が約束した制度です。なお、住宅用太陽光発電は10kW未満で、買取期間が10年間、事業用太陽光発電は10kW以上で20年間となります。
 
2022年度の10kW未満の太陽光発電売電価格は1kWh当たり17円ですが、2023年度の売電価格は16円と下がっています。つまり、2022年度から申し込んでいる場合、17円の換算となり、2023年度からは16円換算で申し込みとなるため、2022年度から申し込む方がお得になります。
 

土地を持っていなくても始められる

太陽光発電は、分譲型の太陽光発電も販売しています。分譲型太陽光発電は、販売業者がマンションのように太陽光パネルと土地を区画販売しているものとなるため、土地を持っていなくても始めることが可能です。
 
また、1軒家の屋根の上に設置する場合においても、すでに所有している不動産を活用して設置できるため、始めやすいです。
 

FIT制度によってシミュレーションがしやすい

FIT制度があることで、一定期間固定価格で買い取ることが決まっているため、売電価格が安定し、利益予測がしやすくなっています。しかし、2012年度の10kW未満の売電価格は1kWhあたり42円だったものが、2022年度では半値以下の17円換算まで下がっています。値下がりの理由は、価格が適正化されたためです。
 

太陽光発電の注意点

太陽光発電にはメリットがある反面、注意点もあるためご紹介します。
 

初期費用が高い

太陽光発電を始めるには、初期投資にかかる費用が高いことです。太陽光発電システムの準備に際して、現金一括で購入するよりも太陽光発電システムの導入費用を対象にした太陽光発電ローン・ソーラーローンと呼ばれるローンシステムを活用する方法があります。
 
太陽光発電ローン・ソーラーローンを利用することで初期投資額が0円となり、毎月の返済は太陽光発電の売電収入や電気代の削減分から捻出して支払っていくことになります。
 

住宅の立地によっては対応ができない

住宅の屋根が小さい場合や、屋根の向きによっては、太陽光発電の効果が薄い場合があります。また積雪が多い地域なども効果が薄いものとなります。
 
太陽光発電を始める前に、屋根の大きさや向き、地域環境などを調べるようにするとよいでしょう。
 

天候によって発電量が左右される

太陽光発電は、天候に影響を受けるため、太陽が出ていなければ発電量は落ちてしまいます。しかし、天候が悪くても日照時間の長い日があれば、年間を通して発電量を維持できることもあります。
 
なお、太陽光発電システムと合わせて蓄電システムを導入することで、天候のよい日に余った電力を蓄電することが可能です。
 

太陽光発電を個人で始めるには

太陽光発電の利益の仕組みは、発電した電気をFIT制度による固定価格で電力会社に売電することや月々の電気代を削減していくことになります。初期投資に費用がかかる反面、初期投資した額を超えていくには長期的に運用していかなければ難しいといえるでしょう。
 
しかし、世界的に環境問題への取り組みが当たり前の時代になったことで、太陽光発電を始めとする再生可能エネルギーには大きな注目が集まっています。折しも東京都では、新築住宅等への太陽光発電設備の設置を義務付ける新制度を検討していることが大きな話題となっています。将来的な見通しを踏まえた上で太陽光発電に投資するとよいでしょう。
 

出典

資源エネルギー庁 固定価格買取制度
資源エネルギー庁 太陽光発電について
東京都環境局 太陽光ポータル
 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士