更新日: 2022.07.13 家具・片付け
片づけの美学125 片づけの優先順位が分からない! どこから始めればよいのか教えて
ただ、手をつけるべき正解の場所を見つけるのは、なかなか難しい問題です。そんなときに、“片づけはじめ”に適した場所を見つけるコツをご紹介します。
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
目次
片づけはじめる場所は?(1)意思決定できる場所
片づける人自身が、「使っている」「使っていない」を決められる場所であることが、とても大切です。
モノを分別できないと、片づけは進みません。料理担当の人だったらキッチン、洗濯担当の人だったら洗面所、のように全体像を把握できる場所がおすすめです。
家事にあまり関わっていない人であれば、自室でもよいですね。「夫・子どもに聞かないと分からない」モノがある場所は、取りあえず避けましょう。結局は片づけが進まない結果になってしまいます。
とても汚いからといって、家族の個室を片づけはじめるのは、お勧めしません。
片づけはじめる場所は?(2) 45分でできるコンパクトな範囲
片づけをするとき、時間管理はとても大切です。「やみくもにモノを出し続け、疲れ果てて、そのまま放置してしまう」。これでは疲れただけで、結果が出ません。逆に散らかって見えてしまうかもしれません。
<モノを出す→分ける→しまう→不用品を処分する>
ひととおりをやりきれるように、体力・時間を調節してみましょう。おすすめは、45分でできるコンパクトな片づけです。
1.モノを出す(10分)
いったん、片づける場所のモノをすべて出しましょう。総量を確認すると、「こんなにいらないな」と判断できたり、「5年ぶりに見た」というモノに出合ったりすることがあります。
2.モノを分ける(20分)
使っているモノと、時々使うモノ、ずっと使っていないモノに分けていきます。ずっと使っていないモノは、処分する・保存する・売るなどさらに分けましょう。
3.モノをしまう(10分)
使っているモノは取り出しやすい場所に収納します。時々使うモノは奥や高いところに片づけても問題ないでしょう。ただ、見つけられるようにしておきたいですね。収納するときは、カゴやトレーなど、見つけやすい道具も使ってみましょう。
4.後片づけをする(5分)
処分するモノはゴミとして出す準備をしましょう。出したモノが残っていないか、周りを確認します。一緒に収納したいモノがあれば、追加するのものよいですね。
最後に紙くず・ホコリなどが落ちていないか、確認します。この一連の流れで「45分間」の片づけです。
スペースとしては、食器棚や収納1つ分くらいかもしれません。始めは、すき間時間でできる、コンパクトな片づけをしてみましょう。積み重ねることによって、家中が変わっていくことを実感できるかもしれません。
片づけ始める場所は?(3) 掃除が必要ない場所
片づける場所がとても汚れていると、モノの片づけだけでなく、「掃除」までがミッションに含まれてしまいます。片づけ始める場所を決める際は、掃除機かけや軽い拭き掃除くらいですむ場所にしましょう。
例えば、収納の中や小さな箱がお勧めです。ホコリや油汚れなどが少ない場所を選んでくださいね。
片づけはじめる場所は?(4) よく使う場所
片づけをする、と意気込むと、突然押し入れが気になったり、荷物部屋を整理しようという気持ちになったりする方がいらっしゃるように感じます。
普段使わないモノが入っている場所は、モノが貯まりがちで、不用品だらけということは分かるのですが、片づけの一歩目としてはお勧めではありません。
なぜなら、「片づけて、生活が便利になった」「生活が快適になった」という気持ちが実感しづらいからです。片づけをして、生活が快適になったという気持ちが、次の片づけへの意欲になります。
つまり、片づける始める場所は「よく使う場所」がお勧めです。
まずはここから! おすすめの片づけ場所
これまで紹介してきた片づけはじめにお勧めの場所をまとめると、
・食器棚
・食材庫
・自身の下着収納
・洗面所
・トイレ収納
・文房具
以上の中で、気になっている場所があれば、片づけ始めにチャレンジしてみてくださいね。
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表