高性能な家に住んで補助金をもらう「ZEH(ゼッチ)補助金」を知ろう!
配信日: 2022.07.14
この補助金の対象住宅であれば、100万円を超えるお金を受け取れるかもしれません。断熱性が高く快適な家に住めるだけでなく、実質的な費用まで抑えられるのはうれしいことです。
執筆者:木元泰徳(きもと やすのり)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
目次
ZEHとは? 言葉の意味を理解しましょう
経済産業省資源エネルギー庁によると、ZEHとは「net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語で、エネルギー収支をゼロ以下にする家」と定義されています。
まずは、住宅の断熱性能を高めつつ、高効率な設備機器を導入。さらに、太陽光発電を中心とする創エネ設備を導入して家庭でエネルギーを作り、使用するエネルギーと作るエネルギーの年間収支をゼロ以下にできる住宅、ということです。
政府は2050年のカーボンニュートラル達成のために、住宅の性能強化を目指しています。その一環で、高性能で創エネもできる「ZEH」の建築を推進しており、補助金を交付することで目標への誘導を目指しています。
なお、ZEHと類似した「Nearly ZEH」や「ZEH Oriented」という枠組みもあります。
Nearly ZEHはエネルギー消費量をゼロに“近づけた”住宅で、ゼロにするのが困難な寒冷地で適用されるものです。ZEH Orientedは再生可能エネルギーの導入を条件から外したもので、都市部狭小地など、太陽光の安定確保が難しい住宅に適用されます。
(1)ZEH支援事業【55万円・100万円】
ZEH支援事業は、一定の条件を満たした住宅に55万円を、さらに厳しい条件を満たした住宅(ZEH+)に100万円を補助する制度です。さらに、蓄電システムを導入する場合、2万円/kWhが追加されます。
補助金を受けるための条件は、外皮性能や再生可能エネルギーの導入などZEHの定義を満たした上で、SII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)に登録された事業者に工事を依頼することです。
複数回の公募期間があり、2022年度分の一次公募は6月17日に締め切られています。4次公募は2023年1月6日まで、複数回募集がありますので、建築スケジュールと相談しつつ応募しましょう。
(2)次世代ZEH+(注文住宅)実証事業【100万円】
次世代ZEH+(ゼッチ・プラス、注文住宅)実証事業は、ZEH+の要件を満たしつつ「蓄電システム・充放電設備・燃料電池・太陽熱利用温水システム・太陽光発電システム10kW以上」のいずれか1つを導入することで100万円の補助金が受けられます。
さらに、蓄電システム1kWh当たり2万円、燃料電池1台当たり2万円など、設備機器によって補助金額が上積みされていくのが特徴です。
(3)次世代HEMS実証事業【112万円】
ZEH+の要件を満たし、蓄電システムまたは充放電設備のいずれかを導入、加えて蓄電システム・充放電設備・燃料電池・太陽熱利用温水システムのいずれかを導入し、さらに太陽光発電システムによるエネルギーを効率利用できるようHEMS(エネルギー計測装置)による制御を導入しますと、112万円の補助金が受けられます。
(2)の次世代ZEH+(注文住宅)実証事業【100万円】と同様に、設備によって補助金額が増加しますので、蓄電システムや燃料電池、充放電設備、太陽熱利用温水システムを利用する計画があれば、補助金額の上積みが目指せます。
補助金の利用でお得に高性能住宅を目指しましょう
ZEHやZEH+などの住宅は、省エネルギー性能で社会に貢献できることに加えて、高い性能を持つ住宅を取得できるため、家を建てる人にとっても快適な生活が得られるメリットがあります。
補助金が提供されている現在は、そういった高い性能を持つエコ住宅を割安に手に入れられるチャンスです。住宅購入を検討している人は、利用できる補助金がないか、今一度チェックをしてみましょう。
出典
経済産業省資源エネルギー庁 知っておきたいエネルギーの基礎用語 ~新しい省エネの家「ZEH」
環境省脱炭素ポータル カーボンニュートラルとは
一般社団法人環境共創イニシアチブ 【環境省戸建ZEH】令和4年度戸建住宅ZEH化等支援事業 ZEH支援事業公募情報
執筆者:木元泰徳
2級ファイナンシャル・プランニング技能士