【被害額280億】「オレオレ詐欺」は減ってない!手口や損失額を再認識しよう!
配信日: 2022.07.14
今回はオレオレ詐欺の被害額や手口の種類、防止策などを紹介します。
執筆者:八木友之(やぎ ともゆき)
宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスター
オレオレ詐欺の被害実態
警察庁の統計によりますと、2021年の特殊詐欺事件として全国の警察が認知した件数は1万4000件(前年比900件増)、被害額は280億円(前年比3億円減)となっています。ただし、詐欺被害者が被害を認識していないケースや、家族に知られたら叱られるなどの理由で警察に被害を届け出ていないケースはカウントされていません。
被害額は過去最大を記録した2014年(560億円)から半減しているものの、依然として被害が後を絶ちません。
種類別でみますと、オレオレ型特殊詐欺(オレオレ詐欺、預貯金詐欺、キャッシュカード詐欺盗を合わせた総称)の認知件数は8000件(前年比マイナス1000件)、被害額は160億円(前年比マイナス8億円)でした。オレオレ型特殊詐欺事件が、特殊詐欺事件全体の半数以上を占めていることがわかります。
オレオレ型特殊詐欺事件の手口
オレオレ型特殊詐欺事件の代表的な手口を、オレオレ詐欺、預貯金詐欺、キャッシュカード詐欺盗それぞれに分けて紹介します。
オレオレ詐欺の手口
オレオレ詐欺の典型的な手口は、次の通りです。
息子など本人になりすまして高齢者などに電話をかけます。本人と声色が違うことや電話番号が異なることを不自然に思われないよう、風邪をひいて喉の調子が悪く、携帯を紛失したなどと説明します(予兆電話、アポ電)。その後、再び電話をかけ、会社の資金を株に使い込んでしまったなどと嘘をつき、お金が至急必要であることを信じさせようとします(実際の手口はこれと異なる場合があります)。
預貯金詐欺の手口
預貯金詐欺の典型的な手口は、次の通りです。
市区町村などの自治体や税務署の職員などを名乗り、医療費などの払い戻し(還付金)があるなどと説明します。キャッシュカードの確認や取り換えの必要があるなどの口実で自宅を訪れ、キャッシュカードをだまし取ります。
その後、銀行協会などを名乗る犯人から電話があり、「キャッシュカードを取りに行くから、手続きのため暗証番号を教えてほしい」などと情報を要求します(実際の手口はこれと異なる場合があります)。
キャッシュカード詐欺盗の手口
キャッシュカード詐欺盗の典型的な手口は、次の通りです。
高齢者などに電話をかけ、キャッシュカードが不正に利用されているなどと嘘をついた上で、キャッシュカードの確認などの名目で、私服警察官や銀行協会職員などになりすまして自宅を訪れ、目を離したすきに、偽のカードへとすり替えてしまいます(実際の手口はこれと異なる場合があります)。
オレオレ型特殊詐欺事件の防止法
オレオレ型特殊詐欺事件の主な防止方法は、次の通りです。
●電話でお金の話が出たらいったん電話を切り、すぐに家族などに相談する
●常時、留守番電話機能を設定しておく
●前に家族の合言葉を決めておく
●家族であっても暗証番号を教えない
●電話をかけてきた家族に自分から電話して確認する
即答は絶対にせず、自分から家族や親族に連絡することが大切です。
まとめ
ひとくちにオレオレ詐欺といっても、手口はこのようにさまざまです。善意につけこむ犯人から電話がかかってきたとき、うっかりだまされてしまわないよう、本記事で紹介した知識や防止策のポイントを家族などでしっかり共有し、大切な財産を奪われないよう普段からしっかり対策に取り組んでおきましょう。
出典
警察庁 令和3年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)
執筆者:八木友之
宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスター