住宅購入やリフォームで補助金がもらえる! 「こどもみらい住宅支援事業」ってなに?
配信日: 2022.07.19
どんな制度で、誰が対象になるのか、詳しくみていきましょう。
執筆者:馬場愛梨(ばばえり)
ばばえりFP事務所 代表
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。
「こどもみらい住宅支援事業」はどんな制度?
こどもみらい住宅支援事業は、住宅の新築やリフォームで補助金がもらえる制度です。
・誰が……国(国土交通省)が
・何のために……子育て支援とカーボンニュートラル実現のために
・何を……最大100万円を
・誰に……子育て世帯や若者夫婦世帯に
・どうする……住宅を購入したりリフォームしたりするときの補助金として支給する制度
この制度は、2021年11月26日以降、遅くとも2023年3月31日までに契約を結び、2023年3月31日までに着工したものが対象になる、比較的新しい制度です。
当初は契約の期限が「2022年10月31日まで」とされていましたが、その後変更されて「2023年3月31日まで(一部の住宅については2022年6月30日まで)」となりました。
「こどもみらい住宅支援事業」の対象は?
こどもみらい住宅支援事業は、先述のとおり、子育て支援と環境問題対策のための制度です。そのため、利用できる人や住宅に以下のような制限があります。
■利用できる住宅
この制度の対象になるのは、以下の3種類です。
・注文住宅の新築
・新築分譲住宅の購入
・リフォーム
注文住宅の新築、および新築分譲住宅の購入の場合は、延べ面積が50平方メートル以上かつ、
(1)ZEH住宅など
(2)高い省エネ性能を有する住宅(認定長期優良住宅など)
(3)一定の省エネ性能を有する住宅
のいずれかに該当する必要があります。(3)だけは2022年6月30日までに、工事請負契約または不動産売買契約を締結したものが対象です。
リフォームは、内容ごとに補助される金額が決まっています。ドアや窓の断熱改修など省エネのための改修が必須で、補助額が合計5万円以上になる場合のみ対象です。
そのほか、省エネのための改修と同時に行うのであれば、耐震・バリアフリー・子育てなどのための改修も対象になります。
■利用できる人
新築の場合は、「子育て世帯」か「若者夫婦世帯」のどちらかである必要があります。 ここでいう子育て世帯の「子」とは、2003年4月2日以降に生まれた人を指します。また、「若者夫婦」は、どちらかが1981年4月2日以降生まれの夫婦のことです。
リフォームなら、子どもの有無や年齢は問われません。住宅の所有者などで工事請負契約を結んでリフォームをしていればOKです。
■いくらもらえる?
補助金の額は図表1、2のように定められています。
<図表1>
<図表2>
(出典:国土交通省「こどもみらい住宅支援事業」をもとに作成)
「こどもみらい住宅支援事業」の注意点
こどもみらい住宅支援事業を利用する際は、以下の点に要注意です。
■期間限定
この制度は期間限定です。原油価格や物価の高騰を受けて延長され、現在は2023年3月31日が申請期限となっています。ただ、「予算に達した時点で終了」(※1)とされているため、この期限より早く終わってしまう可能性もあります。
■併用不可
国が実施している住宅に関するほかの補助金制度とともに、利用することはできないとされています。
例えば、「地域型住宅グリーン化事業」「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業」「市街地再開発事業への補助」などとは併用不可できないので、どちらか選択することになります。ただ、「すまい給付金」など併用できるものも存在するため確認が必要です(※2)。
■確定申告
この制度で受け取れる補助金は、一時所得として申告が必要になる場合があります。また、「住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)」を利用するときは、この補助金の分を住宅の取得価格等から差し引いて計算し、確定申告をします(※1)。
「こどもみらい住宅支援事業」を利用する方法は?
この制度を利用するには申請手続きが必要ですが、手続きするのは住宅を買った人(リフォームを依頼した人)ではなく、その契約を結んだ住宅販売会社やリフォーム業者です。
ちなみに、会社が手続きを行うためには、あらかじめこの事業を管轄する事務局に「こどもみらい住宅事業者」として登録しておく必要があります。住宅メーカー等が補助金を受け取り、それを依頼主に還元する仕組みになっています。
まとめ
こどもみらい住宅支援事業は、特に子育て中の世帯や30代までの夫婦が住宅について考えるときに知っておきたい制度です。費用の関係でZEH住宅や長期優良住宅にするのを迷っていたり、リフォームを迷っていたりするなら、この制度で得られる補助金が背中を押してくれるかもしれません。
利用できる条件や期限などが少々複雑なので、住宅メーカーやリフォーム会社とよく相談して手続きしてもらうようにしましょう。
出典
(※1)国土交通省 こどもみらい住宅支援事業 よくあるご質問 事業全体
(※2)国土交通省 こどもみらい住宅支援事業 よくあるご質問 新築住宅(注文・分譲)
国土交通省 こどもみらい住宅支援事業
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.2202 国庫補助金等を受け取ったとき
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表