更新日: 2022.07.25 その他暮らし

クラウドファンディングで資金調達はできるか? 活用のメリットや注意点を解説

クラウドファンディングで資金調達はできるか? 活用のメリットや注意点を解説
クラウドファンディングは資金を調達する手段ですが、実際にどのような場合に活用できるのでしょうか? 本記事では、実際に資金調達が成功した事例を紹介し、クラウドファンディングを活用するメリットや注意点を解説します。
古田靖昭

執筆者:古田靖昭(ふるた やすあき)

二級ファイナンシャルプランニング技能士

クラウドファンディングとは

クラウドファンディングは、インターネットサイトを通じて不特定多数の人から少額ずつ資金を調達する方法です。「クラウド」は群衆、「ファンディング」は資金調達を意味し、それらを組み合わせた造語となっています。
 
クラウドファンディングは、2000年代後半からアメリカで盛んに行われるようになり、日本では2011年の東日本大震災をきっかけに浸透しました。
 
東日本大震災後の活用事例では、被災地支援だけではなく、新しい商品開発や地域団体の応援、まちおこし、病気に悩む人への支援など、さまざまな分野の資金調達で役立っています。
 

クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングは、「寄付型」、「購入型」、「投資型」の3つに分類されます。
 
寄付型は、資金提供に対して金銭や物品などの見返りがないものであり、被災地支援や難病治療の薬、治療法の開発などで活用されます。
 
購入型は、資金提供者に対して事業で開発した商品やサービスを見返りにするものが多く、価格設定された商品を購入するイメージからこの名前がつけられています。新商品開発や出版といった分野での活用事例があります。
 
投資型には、さらに「株式型」、「貸付型」、「ファンド型」の3つに分けられます。株式型は、未上場企業に対して資金提供した見返りとして株式を受け取れます。
 
貸付型は、運営会社が資金を集めて、企業に融資として資金提供するもので、利息付きで返済されることを目指します。ファンド型は、運営会社が資金を集めて企業の事業に投資するもので、見返りとして配当金を受け取ることができます。
 

活用のメリット

クラウドファンディングを活用するメリットは主に3つあります。
 

資金調達できる可能性がある

クラウドファンディングは、金融機関からの融資を受けられない場合にも、事業や商品、サービスのアイデアで支援者の支持や共感を得ることができれば、資金調達が可能です。
 
また、商品やサービスの開発段階で、ユーザーの反応を事前に確認することができるため、プロジェクトの方向性に問題がないのかをリリース前に確かめることができるというメリットもあります。
 

広告宣伝につながる

「寄付型」などでは支援者が事業や商品、サービスの趣旨に賛同することで資金提供を行っているため、その後の継続的な顧客になってくれる可能性があります。また、クラウドファンディングを通じて、事業者自身の宣伝にもつながります。
 

現金以外の見返り設定が可能

商品やサービス、株式などを見返りとして設定できるため、現金が足りないなどの資金繰りに悩む人や企業にとっては、返済の心配がなくなります。また、寄付型の場合にはそもそも見返りを設定する必要がありません。
 
ただし、貸付型では融資を受けた分、利息付きで返済することになるため注意が必要です。
 

活用の注意点

クラウドファンディング活用の注意点は3つあります。
 

資金調達に時間がかかる場合がある

クラウドファンディングを始めても、必ず設定した目標金額がすぐに集まるというわけではありません。そのため、あくまで資金調達の1手段としてクラウドファンディングを検討することをおすすめします。仮に事業計画の予算のすべてをクラウドファンディングに依存すると、最悪の場合、事業自体が頓挫するリスクがあるため注意が必要です。
 

アイデア盗用の可能性がある

商品やサービスの内容について実際に事業展開する前に公開するため、第三者にアイデアが盗用されるリスクがあります。あらかじめ特許を取るなどの方法で対策しておくと良いでしょう。
 

手数料や必要経費がかかる

クラウドファンディングを利用するには、資金調達した金額に対して手数料が発生します。また、資金提供者への見返りとして、商品発送などの費用もかかるため、必要経費としてあらかじめ見込んでおく必要があります。
 
資金調達する時、手数料分と必要経費分をあらかじめ加味して目標金額を設定することも有効でしょう。
 

資金調達は簡単ではない

クラウドファンディングは、気軽に資金調達ができるというイメージを抱かれているかもしれませんが、実際にはそう簡単なものではありません。支援者が何を求めているのかを見極め、事業や商品、サービスがニーズに応えられるものになっているのか、多くの人たちから支持や共感を集められる内容になっているかを慎重に検討するようにしましょう。
 

出典

中小企業庁 不特定多数の人から資金を調達「クラウドファンディング」
 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士
 

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