更新日: 2022.08.03 その他暮らし

外国人の健康保険や年金の加入条件は? 留学でも加入しないといけないの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

外国人の健康保険や年金の加入条件は? 留学でも加入しないといけないの?
日本人なら誰しもが何らかの健康保険や年金保険に加入していますが、日本に住んだり長期滞在したりしている外国人の場合はどうなのだろうと疑問に思っている人もいるでしょう。結論からいえば、外国人であっても多くの場合は健康保険や年金保険に加入する義務があります。
 
本記事では、外国人が日本で健康保険や年金保険に加入する条件や加入できない場合について、健康保険・年金保険の種類別に分かりやすくまとめました。
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

外国人の健康保険・年金保険の加入条件

多くの場合、外国人であっても、日本に居住や長期間滞在する場合は健康保険および年金保険への加入が必要です。
 
外国人の健康保険や年金保険の加入条件は、健康保険・年金の保険種類によって異なります。ここでは、健康保険(協会けんぽなど)・厚生年金保険と国民健康保険、国民年金保険の3つに分けて、外国人が加入する条件や加入しなければならない場合、加入できないケースを解説します。

 

健康保険・厚生年金保険

日本で会社に雇用されて正社員として働く場合や、役員・法人の代表者となる場合は、国籍に関係なく健康保険と厚生年金保険の被保険者となります。また、アルバイトやパートタイムで働く場合も、1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、同事業所・同業務である正社員の4分の3以上であれば健康保険・厚生年金保険の加入対象です。
 
また、アルバイトやパートタイム労働者で以下の加入条件を満たす場合にも、国籍を問わず健康保険・厚生年金保険に加入しなければなりません。
 

・短時間労働者を除く被保険者の総数が常時500人超の事業所で働いている(令和4年10月より、100人超に改正)
・週の所定労働時間が20時間以上
・雇用期間の見込みが1年以上(令和4年10月より、2ヶ月を超えて使用される見込みに改正)
・賃金の月額が8万8000円以上
・学生ではない

 
なお、健康保険や厚生年金保険の加入は、勤務先で手続きできます。

 

国民健康保険

健康保険・厚生年金保険の加入対象ではない外国人のうち、日本での在留期間が3ヶ月を超える人や在留資格が「公用」で3ヶ月を超えて日本に滞在する人は、国民健康保険への加入が法律で義務付けられています。また、在留資格「留学」をもち、日本の自治体で住民登録をする留学生も同様に、国民健康保険への加入が必須です。
 
転入や退職して健康保険・厚生年金保険の資格を喪失した場合は、翌日~14日以内に、住所地の自治体窓口で手続きしましょう。
 
なお、外国人のうち次に該当する人は、国民健康保険に加入できません。
 

・在留期間が3ヶ月以下
・在留期限が切れている
・在留資格が「外交」または「短期滞在」
・勤務先で健康保険に加入している
・生活保護を受けている
・日本と社会保障協定を締結している国が発行した適用証明書を持参している
・在留資格が「特定活動」の人で医療目的での入国者や介助者、観光保養などが目的の滞在者
・75歳以上(後期高齢者医療制度に加入のため)
・不法滞在など在留資格のない人

 

国民年金保険

日本に住む(住民登録をしている)20~59歳の人は、国籍を問わず国民年金保険への加入と国民年金保険料の納付が義務付けられています。20歳以上であれば、留学生も例外ではありません。
 
20歳を超えて日本に住み始めた外国人は、日本に上陸した日から国民年金保険の加入義務が生じます。日本に上陸した日から原則14日以内に、住所地の届出窓口で手続きしましょう。

 

外国人が出国した場合の年金の脱退一時金制度

国民年金や厚生年金保険などに加入して保険料を納めていた外国人が、老齢年金の受給資格期間(公的年金の加入期間を合算して10年)を満たす前に被保険者資格を喪失して日本を出国した場合、「脱退一時金」を請求できることがあります。
 
脱退一時金の支給を受けられるのは、次に当てはまる人です。
 

・日本国籍を有しない
・日本国内に住所を有しない
・公的年金制度の被保険者ではない
・公的年金制度の被保険者資格喪失日または日本国内に住所を有しなくなった日から2年未満
・保険料納付済期間等の月数の合計が6ヶ月以上
・老齢年金の受給資格期間を満たしていない
・障害年金などの年金受給権を有したことがない

 

外国人も基本的には健康保険・年金保険の加入対象

外国人であっても、会社勤めなどをして条件を満たす場合は健康保険・厚生年金保険に加入することになります。また、健康保険・厚生年金保険の加入条件に当てはまらない場合は、在留資格や滞在期間にもよりますが、多くの場合国民健康保険・国民年金保険の加入義務があります。これは、留学生でも同じです。
 
外国人で日本に住むまたは長期間滞在する人は、健康保険や年金保険の加入手続きを忘れないようにしましょう。

 

出典

日本年金機構 厚生年金保険・健康保険制度のご案内
日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
日本年金機構 脱退一時金の制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

ライターさん募集