あなたの会社は大丈夫?公認会計士から見た、倒産してしまう会社の3つの共通点

配信日: 2018.04.09 更新日: 2019.01.10

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あなたの会社は大丈夫?公認会計士から見た、倒産してしまう会社の3つの共通点
公認会計士という客観的な立場で、上場企業から小規模な企業までさまざまな会社を見ていますが、その中には、毎年業績を伸ばし続けていく会社もあれば、何年経っても赤字が継続する会社もあります。

残念ながら倒産してしまう会社には、資金管理の仕組み、経営者の意識、従業員の意識の3つの要素が欠如しているケースが多いです。
安藤智洋

Text:安藤智洋(あんどうともひろ)

公認会計士、気象予報士

公認会計士と気象予報士という異色の組み合わせを活かして、財務で困っている中小企業の経営者のために「経営天気予報」を提供。経理・財務の面から会社を分析し、将来を予測することで、適切な経営判断ができるようアドバイスを行っています。
また、ホテルのコンシェルジュのようにクライアントから何でも相談を受け、期待以上の成果を出して満足してもらいたい、そんな経営の相談相手になりたい!という想いをもって中小企業をサポートしています。

資金管理の仕組みがない

会社はたとえ赤字であっても、お金が手元にあれば倒産することはありません。反対に、決算が黒字であると安心したとしても、お金がなければ倒産してしまうことがあります。
 
一般的に黒字倒産と呼ばれるものは、会社に利益があるにもかかわらず、資金回収の遅れ等によって債務の支払ができなくなったときに起こります。
 
したがって、資金管理を適切に行うことができていない会社は倒産の可能性が高くなります。
 
では資金管理とはいったい何を指すのでしょうか?実は、倒産を防ぐための資金管理として最低限やらなければならないことは次の2点です。
 
1. 今現在で手元にいくらのお金があるのかを把握すること
2. そのお金がなくなるのはいつなのかを把握すること
 
つまり、現在の会社の状態を知るということと、近い将来においてそれがどのように変化するのかを予測することが資金管理のポイントです。
 
ただし、手元のお金がいつなくなるのか、が予測できるだけでは倒産は防ぐことができません。資金の状況は経営者に定期的に報告する必要があります。経営者はその報告をもとに、資金が足りなくなる前に対策を講じて実行することで倒産を防ぐことができます。
 

管理業務に対する経営者の意識が希薄

管理業務とは、総務部や経理部のように直接的に収益を生まない部門(管理部門)の業務のことを言います。管理業務に対する経営者の意識が希薄だと、なぜ会社が倒産する可能性が高くなるのでしょうか?
 
管理業務がおろそかになっている会社は、管理部門をコストとしてしか認識していません。すなわち、管理部門で発生する費用は削減の対象でしかなく、投資を行うという発想が経営者にないのです。
 
したがって、管理部門の人材が不足したとしても補充が行われなかったり、会計システムや業務システムの導入や更新が必要な場面であってもそれが行われなかったりすることがあります。
 
前述した資金管理は、管理部門が行う業務です。管理部門に必要な投資が行われなければ、資金管理ができる能力をもった従業員がいない、もしくはそのような従業員がいたとしても資金管理に必要となる情報を収集できる体制が整わないため、適切な資金管理が行われなくなり、倒産の可能性が高まるのです。
 
また、経営者の考えは従業員にも伝わるものです。経営者が管理業務を軽視すれば、従業員もそれを軽視するようになり、いつまで経っても問題が解決されることがありません。
 

社内の雰囲気が悪く、従業員の意識が低い

社内の雰囲気が悪く、コミュニケーションが自由闊達(かったつ)に行われていない場合にも注意が必要です。なぜなら、そのような会社では悪い情報が上司に報告されないおそれがあるからです。
 
本来であれば、悪い情報ほど素早く経営者の耳に入れることによって対策を練るべきなのですが、そのような環境が整っていない場合には手遅れになってから経営者に情報が届いたり、最悪その情報が隠されたりする場合もあります。
 
また、従業員ひとりひとりが会社の一員であるという意識がなく、あらゆることがひとごとになってしまっているケースもよく見受けられます。
 
このような従業員は問題に気付いていたとしても自分の担当でなければ無視してしまうことがあり、結果的にその問題を悪化させてしまうことにつながります。
 
さらにこのような会社では人の入れ替わりが頻繁に起きる傾向にあります。せっかく従業員を採用したとしても会社に定着しないのです。
 
従業員が長く勤めたいと思う会社でなければ、自分がいる間に問題が起きなければ良いという考えが起きる場合があります。
 
そうなると、当面の間だけ乗り切れば良いという考えになり、重要な問題が本質的に解決されないまま放置されることになります。
 
Text:安藤智洋(あんどうともひろ)
公認会計士、気象予報士

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