更新日: 2022.08.18 子育て

奨学金の「貸与型」と「給付型」。受けられる要件などは具体的にどう違うの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

奨学金の「貸与型」と「給付型」。受けられる要件などは具体的にどう違うの?
日本学生支援機構の奨学金は多くの学生が受給しています。もともと貸与型だったのですが、近年、奨学金制度の拡充を求める声に応じて、給付型も選べるようになりました。この2つは、さまざまな条件に応じて選択が可能ですが、それぞれ所定の条件を満たす必要があります。

この記事では、貸与型および給付型の支給条件について具体的な違いを解説していきます。
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日本学生支援機構による奨学金の概要

日本学生支援機構の奨学金には大きく2種類あります。まず「貸与型」は、卒業・修了後に返済が必要な奨学金です。金融機関に口座(リレー口座と呼ばれます)を作り、そこから毎月決められた額を返済していきます。(取り扱いのある金融機関については日本学生支援機構のHPをご確認ください。)
 
なお、余裕があるときにまとめて残額を返済することも可能です。要するに、学生支援機構に「借金」するタイプと言ってもよいでしょう。貸与型には利息の有無でさらに2種類の区別があります。「第一種」は無利息です。「第二種」は利息が付きますが、無利息タイプより大きな貸与額が選べます。
 
もう1つは「給付型」で、こちらは「貸与型」とは異なり返済の必要がありません。つまり、借りるのではなくもらえるタイプの奨学金です。返済の負担がないので希望者が多いのですが、受給が許可されるには選考基準を満たしている必要があります。
 

給付型奨学金の制度改正と注意点

給付型奨学金については制度改正があり、2020年4月から奨学金を希望するより多くの学生に給付できるよう支援枠が拡大されています。改正以前は「生活保護世帯」や「住民税非課税世帯」が主な対象だったのですが、改正後に「住民税非課税世帯」を拡大する枠として「それに準ずる世帯」が加わりました。世帯収入に応じて「住民税非課税世帯」を「第I区分」、「それに準ずる世帯」には「第II区分」と「第III区分」が割り当てられ、支給を受ける際の上限額が異なります。
 
年収の目安としては、「第I区分」が300万円、「第II区分」が400万円、「第III区分」が460万円です。ただし、この区分は世帯構成によっても変わってくるため、詳細は学生支援機構Webサイトの「進学資金シミュレーター」で確認できます。なお、給付型奨学金は全ての学校が対象ではない点にも注意が必要です。在学中または入学予定の学校が給付型奨学金制度の対象になっているかどうか気になる場合は、文部科学省のWebサイトで確認しましょう。上記の基準の他に、学力に関しての基準や、資産についての基準も設けられています。詳細は学生支援機構に問い合わせましょう。
 

給付型奨学金の対象者の授業料・入学金について

給付型奨学金の受給対象者になると、入学金や、授業料が年間で最大約70万円の免除や減額も受けられます。授業料や入学金に関しては、日本学生支援機構ではなく在学中や入学を希望する学校が事務処理を担当しているため、具体的な免除額は直接学校の奨学金担当窓口に問い合わせましょう。
 

選考基準に該当するかどうかはWebサイトで確認してみよう

2020年からの給付型支援枠拡大によって、多くの学生にとって奨学金が申請しやすくなりました。この改正で、学びたい意欲がある学生にとっては、金銭的負担を過度に意識することなく、勉学に集中できるようになるでしょう。ただし、支給額についてはさまざまな条件が細かく決まっています。奨学金の申請を考える際には、まずは学生支援機構や文部科学省のWebサイトで調べてみることをおすすめします。
 

出典

独立行政法人 日本学生支援機構 奨学金制度の種類と概要
 
※2022/8/18 記事に一部誤りがあったため、修正いたしました。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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