更新日: 2022.08.13 その他暮らし
人口一人あたりの国民医療費が高いのはどの都道府県?
そこで、「国民医療費は一人あたりどれくらい?」「人口一人あたりの国民医療費が最も高い都道府県はどこ?」など、興味がある方も多いのではないでしょうか。本記事では、国民医療費の推移や人口一人あたりの国民医療費が高い都道府県などについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
国民医療費とは
国民医療費とは、国民が1年間に医療機関などで保険診療の対象となる病気やけがの治療にかかった費用を厚生労働省が推計したものです。
国民医療費には、以下のような費用が含まれます。
・医科診療や歯科診療にかかる診療費
・薬局調剤医療費
・入院時食事・生活医療費
・訪問看護医療費
・柔道整復師・はり師などによる治療費
・移送費や補装具の費用
全国の国民医療費の合計
厚生労働省「令和元(2019)年度 国民医療費の概況」によると、2019年度の国民医療費は44兆3895億円と過去最高額でした。これは前年度に比べて、9946億円(2.3%)の増加となっています。
図表1は、国民医療費の対国内総生産(GDP)と対国民所得(NI)比率の推移です。
【図表1】
年次 | 国民医療費 | GDP | GDPに対する国民医療費の比率 | NI | NIに対する国民医療費の比率 |
---|---|---|---|---|---|
2000年 | 30兆1418億円 | 537兆6162億円 | 5.61% | 390兆1638億円 | 7.73% |
2005年 | 33兆1289億円 | 534兆1097億円 | 6.20% | 388兆1164億円 | 8.54% |
2010年 | 37兆4202億円 | 504兆8721億円 | 7.41% | 364兆6882億円 | 10.26% |
2015年 | 42兆3644億円 | 540兆7394億円 | 7.83% | 392兆6293億円 | 10.79% |
2019年 | 44兆3895億円 | 559兆6988億円 | 7.93% | 401兆2870億円 | 11.06% |
出典:厚生労働省 令和元(2019)年度 国民医療費の概況
上記のとおり、国民医療費は年々上がっていて、GDPやNIに対する国民医療費の比率も増加傾向にあります。
全国の人口一人あたりの国民医療費
厚生労働省「令和元(2019)年度 国民医療費の概況」によると、人口一人あたりの国民医療費は35万1800円です。これは前年度に比べて8600円(2.5%)増加しています。
図表2は、人口一人あたりの国民医療費の推移です。
【図表2】
年次 | 人口一人あたりの国民医療費 |
---|---|
2000年 | 23万7500円 |
2005年 | 25万9300円 |
2010年 | 29万2200円 |
2015年 | 33万3300円 |
2019年 | 35万1800円 |
出典:厚生労働省 令和元(2019)年度 国民医療費の概況
図表2のとおり、人口一人あたりの国民医療費は年々増加しています。2019年の人口一人あたりの国民医療費は、2000年の約1.5倍となっています。
人口一人あたりの国民医療費が高い都道府県
厚生労働省「令和元(2019)年度 国民医療費の概況」によると、人口一人あたりの国民医療費が最も高い都道府県は高知県の46万3700円です。図表2にある全国の35万1800円より、11万1900円も高くなります。
図表3は、人口一人あたりの国民医療費が高い上位5つの都道府県です。
【図表3】
都道府県 | 人口一人あたりの国民医療費 |
---|---|
高知県 | 46万3700円 |
長崎県 | 43万3600円 |
鹿児島県 | 43万3400円 |
徳島県 | 42万6500円 |
大分県 | 41万8600円 |
出典:厚生労働省 令和元(2019)年度 国民医療費の概況
いずれの県も全国平均を大幅に上回っています。
人口一人あたりの国民医療費が低い都道府県
厚生労働省「令和元(2019)年度 国民医療費の概況」によると、人口一人あたりの国民医療費が最も低い都道府県は千葉県の30万8500円です。これは全国の35万1800円より4万3300円、最も高い高知県の46万3700円より15万5200円も低くなります。
図表4は、人口一人あたりの国民医療費が低い上位5つの都道府県です。
【図表4】
都道府県 | 人口一人あたりの国民医療費 |
---|---|
千葉県 | 30万8500円 |
埼玉県 | 31万900円 |
神奈川県 | 31万4100円 |
愛知県 | 31万7300円 |
滋賀県 | 31万8500円 |
出典:厚生労働省 令和元(2019)年度 国民医療費の概況
図表4の県は、いずれも非常に低い水準となっています。なお、東京都は32万200円です。
全国の人口一人あたりの国民医療費は35万1800円!最も高いのは高知県
人口一人あたりの国民医療費が最も高い都道府県は高知県(46万3700円)で、最も低い都道府県は千葉県(30万8500円)です。
長崎県や鹿児島県、徳島県、大分県なども40万円を超える高い水準で、九州・四国は高く、関東は低い傾向にあると思われます。
国民医療費は増加傾向にあり、近年は国民所得に対する比率が10%を超えています。この機会に、国民医療費の推移や人口一人あたりの国民医療費がどれくらいあるのか関心をもつようにしていきましょう。
出典
厚生労働省 国民医療費の範囲と推計方法の概要
厚生労働省 令和元(2019)年度 国民医療費の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部