更新日: 2022.08.17 その他暮らし

金融リテラシー(お金の知識・判断力)が高い都道府県ランキング、1位はどこ?

金融リテラシー(お金の知識・判断力)が高い都道府県ランキング、1位はどこ?
正しいお金の知識を身に付けるのは大切なことです。近年、お金について学ぶ人が増え、学校の授業でも「金融教育」として取り入れられるなどしています。
 
そんな中、金融広報中央委員会が「金融リテラシー調査(2022年)」を公表しました。「金融リテラシー」とは、お金の知識があり正しい判断ができる能力のことで、調査結果では都道府県ごとの特徴なども紹介されています。
 
どんな内容なのかチェックしてみましょう!
馬場愛梨

執筆者:馬場愛梨(ばばえり)

ばばえりFP事務所 代表

自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。

過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。

https://babaeri.com/

金融リテラシーが高い都道府県ランキング

金融広報中央委員会が、2022年2~3月にかけて、全国の18~79歳の個人3万人を対象に行った、お金の知識や判断力についての調査の結果を公表しました。
 
家計管理、金融・経済の基礎知識、金融取引や資産形成などについての設問があり、その正答率が高かった都道府県は、以下のとおりです。

【金融リテラシーが高い都道府県ランキング】

第1位:島根県/奈良県
第3位:香川県
第4位:千葉県
第5位:愛媛県/長野県

島根県と奈良県が同率1位でした。前回(2019年)の調査で1位だった香川県、2位だった長野県は、今回も上位にランクインしています。
 
ちなみに東京都は9位、大阪府は35位となっています。47位(最下位)は沖縄県、46位は佐賀県、45位は青森県でした。
 

日本人の金融リテラシー、海外と比べると……?

同調査では、一部の設問については諸外国との比較も行われています。
 
それによると、調査に参加したOECD参加国の金融リテラシーランキングは以下のとおりでした。

【金融リテラシーが高い国・地域ランキング】

1位:香港
2位:オーストリア
3位:スロベニア

調査に参加したOECD参加国24ヶ国のうち、日本は8位となっています。
 
日本人は、「インフレ」や「分散投資」についての知識面は参加国の平均と比べて数値が低かったものの、「支払期限の遵守」「余裕の確認」「長期計画の策定」など、行動面の数値は平均より高くなっていました。
 
日本人は他国に比べ、「投資に消極的(貯金重視)」と言われがちです。また、長い間デフレが続き、インフレに慣れていない人が多いことも、知識面の数値に影響しているのかもしれません。
 
一方で行動面は、きちんとルールを守ったり、将来のために準備したりする堅実な国民性がうかがえます。
 
このランキングにはアメリカが参加していませんが、別途米国調査と比較した結果が公表されています。
 
それによれば、知識面の正答率は「日本47%、米国50%」とそれほど差がないものの、金融知識に自信がある人の割合は「日本12%、米国71%」とまったく違う数値になっています。
 

金融リテラシーを身に付けるには

お金の話は「難しい」「よく分からない」と敬遠してしまう人も少なくありません。
 
しかし、お金がなくて困窮したり、トラブルに巻き込まれたりすることを避けるためにも、少しずつでも知識を付けていくのがおすすめです。
 
お金の知識を身に付けたいと思ったら、どうすればよいのでしょうか?
 
国は、「金融教育」に力を入れ始めています。今年から、高校の家庭科の授業で、家計管理や金融トラブルを防ぐ方法などを学ぶことになりました。
 
先述の調査では、金融教育を受けたことがある人は、そうでない人よりも正答率が高いこと、学校での金融教育を行うべきと考えている人は約7割にのぼることが分かっています。
 
一定の効果があり、望んでいる人も多いため、金融教育は今後も加速・浸透していきそうです。
 
金融広報中央委員会や金融庁の公式サイトでは、さまざまな人がお金について学べるよう、「幼稚園児・保育園児向け~大学生向け」「若手社会人向け」「高齢者向け」など、それぞれの世代に合った動画や教材を作って無料で公開しています。
 
なかでも、金融庁が小学生に人気の「うんこドリル」と共同で作成した金融教育教材は、一時受付停止になるほどの人気ぶりでした。
 
こうした教材を活用するほか、動画や音声で学ぶ、本を読むなどの方法もあります。
 
いずれの方法も無料、または低コストで済みますし、子どもでも分かるよう簡単な言葉やイラストでつづられたものから、すでに基礎知識があってより詳しく知りたい大人向けのものまで、さまざまなレベル感のものがそろっています。
 
「お金の知識は重要だ」と感じたら、自分に合った方法で、気軽に取り組めるものから学び始めてみてはいかがでしょうか? 親子や夫婦でいっしょに学ぶのもいいですね。
 

出典

金融広報中央委員会 知るぽると 金融リテラシー調査2022年調査結果
 
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表

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