大学無償化制度はどのように申し込むの? 申請方法の第一段階を解説!
配信日: 2022.08.30
ここでは、対象者が実際に申請する際に必要な事項、注意すべきことについてご紹介します。
勉学意欲のあるお子さまを持つ世帯の方々へ最新情報をお届けします。
執筆者:羽田直樹(はだ なおき)
二級ファイナンシャルプランニング技能士
【経歴要約】
1983年兵庫県立宝塚西高校入学。野球部入部。高校3年生時生徒会長を務め、首席で卒業。
1986年同志社大学法学部法律学科入学。労働法専攻。大学時代は部員300名を擁するESSに在籍し、1回生時は英語弁論大会で関西3位に入る。3回生時はセクションリーダーを務める。英検準一級合格。ディベート・ディスカッションで英語本体と論理的思考を学ぶ。
卒業後、都市銀行入行。支店勤務を重ね、住宅ローン、カードローン業務に従事し、渉外担当に従事。証券外務員資格、FP2級資格を取得。
2008年には本店事務部門課長に就任。その後、新入社員研修講師を拝命、2012年には事務管理部門の責任者としてコンプライアンスオフィサー・内部管理責任者・衛生管理者2種資格を行使し金融機関の事務管理部門の中枢を務める。
特に、特殊業務である、相続トラブル 破産 不渡り 金融犯罪 口座不正利用 当局対応などに精通。警察、国税局、金融庁との交渉経験あり。
【保有資格】
英検準一級
証券外務員2種
FP2級
コンプライアンスオフィサー
証券外務員1種
内部管理責任者
衛生管理者2種
【スキルセット】
個人ファイナンシャルプラン
金融コンプライアンス全般(法令 規制関係 事故関係 個人情報保護)
【強みとエピソード】
ファイナンシャルプラン全般、金融商品の仕組み、口座不正利用や振込詐欺などの金融犯罪などのトピックをお伝えできればと思っております。
本店の管理職時代は日本を代表する大企業取引・全国一円からの苦情対応当局対応などユニークなエピソードを数多く抱えております。
また、ファイナンシャルプランナーと内部管理責任者の両資格を保有していることで『攻め』と『守り』の両側面からの見解を展開できるものと思っています。
●メガバンクの金融事務の実体験をもつファイナンシャルプランナー
●証券外務員一級の販売スキルと内部管理責任者としてのリスクマインドを持つフィナンシャルプランナー
●あらゆる相続案件の処理経験がある元メガバンカーのファイナンシャルプランナー
●当局対応などニッチな経験をもつファイナンシャルプランナー
大学無償化制度の概要と申請方法
大学無償化制度を利用しようとする学生は、以下の家計基準、資産基準、学力基準をクリアする必要があります。
●家計基準:住民税非課税または非課税に準ずる世帯
●資産基準:生計維持者2人の場合で2000万円未満、生計維持者1人の場合で1250万円未満
●学力基準:5段階評価で3.5以上または明確な学修意欲
これらの基準を満たす学生(※)は翌年度の採用候補者になるための申し込みができます。
※ 2023年3月に初めて高等学校などを卒業予定の人と高等学校などを卒業した年度の末日から申し込みを行う日までの期間が2年以内の人
ここでは、最も一般的な2023年3月卒業予定の現役高校3年生をモデルケースとして解説します。
申請手続きの概要
大学無償化制度の申請の流れは、進学前から進学後、卒業まで「申込者」「採用候補者」「奨学生」のステージに分けられます。
各ステージの環境は以下の通りです。
●「申込者」:春から夏にかけて、学生が学校から書類を受け取り、申し込むステージ
●「採用候補者」:秋から冬にかけて、候補者決定通知を受け、翌年4月進学先で進学届を提出後、正式採用決定されるまでのステージ
●「奨学生」:進学届提出後、正式採用決定されたステージ
申請できる対象者であると分かれば、学校に本制度利用の意思を伝え、申請書類一式を受け取ることから始めます。
ここでは「申込者」のステージでの手続きを見ていきます。
申請手続きの上での注意点
・対象校の確認
進学先の大学が給付型奨学金の対象校であるか確認してください。対象校は毎年、見直されているので要注意です。
・マイナンバーの提出
申請手続きにはマイナンバーの提出が必要です。マイナンバーカードがなければ、通知カードでも代用ができます。
・申請書類の提出先
申請書類は高校へ提出するものと日本学生支援機構(JASSO)に提出するものがあります。マイナンバー関係書類は学校ではなく、必ずJASSOへ簡易書留で郵送しなければなりません。
・減免申請は進学後
学費などの減免申請は、進学後に行います。高校3年生の時点では奨学金申請のみができ、奨学生の決定後に入学金や授業料の減免の申請ができます。
申請の手順
申込時、最初にすべき手順を図表1でご紹介します。
図表1は、申請時に必ずすべき手順ですが、当然申し込み内容は学生ごとに異なってきます。また学生本人が手続きを行うようにしてください。確認事項や準備する公的書類も多くありますので、余裕を持った準備をお勧めします。
まとめ
ここでは、大学無償化制度を利用するための第一段階の申請方法について解説してきました。申込書記入はかなり複雑ですが、一つひとつ丁寧に作成すれば問題なく準備することができます。
家計基準、資産基準、学力基準を満たせば十分な経済的支援を受けて、学業に専念できる制度です。
一方、無償で進学するためには、選考に合格し、奨学生として責任と覚悟を持って大学を卒業しなければなりません。学業成績などの適格認定によっては支援が打ち切られることもありますので注意が必要です。
ここに紹介した手続き方法を参考にして、まずは学校へ明確で自信を持った制度利用の意思表示をし、早急に申込書類をそろえることから始めてはいかがでしょうか?
出典
日本学生支援機構 (JASSO)申込手続きについて(予約採用)
執筆者:羽田直樹
二級ファイナンシャルプランニング技能士