学生支援機構の奨学金返済の利子ってどれくらい?

配信日: 2022.09.05

この記事は約 4 分で読めます。
学生支援機構の奨学金返済の利子ってどれくらい?
大学などに進学する際に学生支援機構から奨学金を借りるケースは珍しくなく、実際に大学生の中には同機構の奨学金を借りたおかげで進学できた学生も多いです。
 
一方で奨学金は「給付型」と「貸与型」の2種類があり、このうち貸与型は将来的に返済する義務があります。学生支援機構の貸与型奨学金を返済する際には利子を加えた金額を返済しなければいけません。
 
本記事では、その利子はどれくらいになるのかについて紹介していきますので参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

学生支援機構の貸与型奨学金には第一種奨学金と第二種奨学金がある

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金には「第一種奨学金」と「第二種奨学金」があります。このうち第一種奨学金は無利子での貸与であるのに対して、第二種奨学金では有利子での貸与です。
 
無利子で貸与できることに越したことはありませんが、第一種奨学金では高校での「評定平均3.5以上」に加えて、「世帯収入が基準よりも低いこと」が条件になっています。
 
一方、第二種奨学金では学習成績が「水準以上で良い」と定められているため、明確な数字では決定されておらず、世帯年収の基準も、設定はされていますが第一種奨学金よりも基準の世帯年収は高いです。
 
そのため、全体的に第二種奨学金を利用している比率が高いですが、中には金額的な問題によって第一種奨学金と第二種奨学金を併用しているケースもあります。
 

第二種奨学金の金利方式には2種類ある!

さて、第二種奨学金の金利方式には2種類あって、「利率固定方式」と「利率見直し方式」の2種類から任意に選ぶことができます。
 
基本的には第二種奨学金の金利は貸与が終了した際に設定されている金利が適用されますが、金利は毎月JASSOが計算し直していることから、1ヶ月違うだけで最終的な返済金額が違うというケースは珍しくありません。
 
最終的にどれくらいの金利になるかは第二種奨学金の貸与終了時に、JASSOから届く「返還条件通知」に記載されています。では、利率固定方式と利率見直し方式それぞれの内容について紹介していくので参考にしてみてください。
 

利率固定方式

利率固定方式では、奨学金の貸与が完了した月に設定されている金利が適用されます。利率固定方式では奨学金の返済が終わるまでずっと同じ金利で計算されます。そのため、JASSOから送られてきた返還条件通知の総返済額から金額が変動する可能性は低いです。
 
令和4年度4月に貸与が完了した人の場合であれば、利率固定方式の利率は0.468%が適用されます。この際に適用された金利が返済完了まで適用されることになるため、しっかりと確認しておきましょう。
 

利率見直し方式

利率見直し方式では奨学金の貸与が完了した月に設定されている金利が適用されますが、約5年ごとに金利の見直しを行うため、それに伴って金利が変更される点が特徴です。
 
利率見直し方式では最大の利率は3%ですが、最近数年間の金利は0.1%を下回っています。金利の見直しがなされることから、返還条件通知の総返済額よりも返済額が多くなるケースもあれば、返済額が少なくなるケースも多いです。
 
令和4年度4月に貸与が完了した人の場合であれば、最初の利率見直し方式の利率は0.02%ですが、令和4年度5月であれば0.008%になります。
 

利率固定方式と利率見直し方式はどちらが良い?

利率固定方式と利率見直し方式では基本的には利率見直し方式のほうが金利が低い傾向にありますが、将来的に利率見直し方式の利率が高くならない保証はありません。
 
どちらが良いと考えるかは個人によって異なりますが、これまでの金利の変動を見ると、少しでも総返済額を抑えたいなら利率見直し方式がおすすめです。
 
金利は0.1%でも異なれば最終的な返済金額が変わってしまうため、一般的に金額を抑えたいなら利率見直し方式を選び、安定した金利で返済したいのであれば利率固定方式がおすすめです。
 

奨学金の金利や返済が遅れないように気を付ける

奨学金を借りて進学しているケースは多いですが、奨学金は返済が義務付けられているため、実際は「借金」と変わりなく、返済が伴います。
 
万が一、返済が遅れた場合、JASSOは「本人、連帯保証人、保証人に対して、文書と同時に電話による督促を行う」こととしています。繰り返し督促が届いても支払いに応じなければいわゆる「ブラックリスト(個人信用情報機関への個人情報の登録)」に入ってしまうリスクがあります。
 
奨学金は第二種奨学金を借りる人が多いことから、金利に関しても注意しなければ思わないトラブルや問題につながる恐れもあります。
 

奨学金はしっかりと理解することが大切

「大学の無償化」と呼ばれてはいるものの、奨学金は無償で給付されるものばかりではなく、多くの場合は学費を借りている学生のほうが主流です。そのため、奨学金を借りる前や返済が始まる前の段階で奨学金のしくみをしっかりと理解しておきましょう。
 
もしも、詳しい内容について理解できないのであれば、学生支援機構に直接確認するのがおすすめです。
 

出典

独立行政法人日本学生支援機構 延滞した場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

【PR】子どもの教育費はいくらかかるの?かんたん30秒でシミュレーション

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集