【ビールが値上げ!】10月から「一斉値上げ」のワケとは?

配信日: 2022.09.12

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【ビールが値上げ!】10月から「一斉値上げ」のワケとは?
物価上昇の影響が日常生活でも感じられるようになってきました。さまざまなものが値上げされており、その中にアルコール飲料も含まれています。
 
この値上げにはどのような原因が考えられるでしょうか。ビールの原材料や輸送の際のコストが関係しているようです。
 
この記事では、特にビールの値上げについて詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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2022年10月からの飲料大手各社の価格改定について

大手ビールメーカーのアサヒビールは2022年4月26日、ビール類を含む、RTD(レディ・トゥ・ドリンク=そのまま飲める酎ハイなど)、その他たる詰め商品、ノンアルコール飲料などの価格を2022年10月1日から改定(値上げ)すると発表しました。
 
これに大手各社も追随し、サントリーとキリンは2022年5月末に、サッポロは6月初旬に、同じ10月1日のタイミングでの価格改定を発表しています。
 

価格改定の理由

各社が挙げているビールの価格改定理由は以下のようなものです。なお、ほぼ全ての原因の根底には国際情勢の混乱があると考えられます。
 

・原材料価格の高騰

日本の「ビール」は麦芽、ホップ、酵母、水などからできています。このうち、麦芽を作るための二条大麦の9割近くはオーストラリアからの輸入に頼っています。
 
一般的に、輸入材の価格は為替変動や天候不順、また国際情勢の変化による需給逼迫(ひっぱく)などで、高騰することがあります。現在、ウクライナ情勢の影響が輸入材の価格高騰に拍車をかけており、その影響がビールにも及んでいるものとみられます。
 

・エネルギー価格の高騰

紛争当事国であるロシアは、世界有数のエネルギー産出国です。多くの西欧諸国はロシアからの天然ガスや原油に依存しています。しかしながら、経済制裁という名目で禁輸や輸入量を削減する国が増えており、世界のエネルギー需給バランスが大きく崩れているのです。
 
現代は、グローバルエコノミーとして世界経済がつながっています。そのため、西欧諸国の問題であっても、アメリカや日本に波及しており、結果として、ビール生産のエネルギーコスト、輸送コスト等が上昇して、価格に転嫁されるわけです。
 

・包装資材価格と物流コストの高騰

缶ビールであれば、工場から消費者に届けられるまでにさまざまな梱包(こんぽう)材料が使われています。一般的なビール缶は「アルミニウム」でできており、それを輸送する際には「段ボール箱」で梱包されます。このようなアルミや段ボールの価格も高騰してきているのです。
 
また、生産地から消費地までその材料や製品を輸送するには、飛行機や船や鉄道を運行させる燃料が必要です。それらのエネルギー価格の上昇分も上乗せされます。このような価格上昇分全てが、消費者価格に転嫁されることになります。
 

買い置きなどで生活防衛を

10月からビールを含む飲料類が値上げされることは決定済みであり、昨今の世界情勢を考えると、当分の間は値下げされることはないでしょう。
 
そうなると、消費者としてとれる対策は、ビールの消費量を抑えるか「買い置き」するくらいしかなさそうです。
 
ビールの消費期限は一般的に9ヶ月程度になっています。9月中旬頃に、「ケース買い」しておくと、2023年春くらいまでは価格上昇の影響なしにビールが楽しめますね。
 

出典

農林水産省 麦をめぐる事情について(大麦・はだか麦)農産局(令和4年3月)
キリンホールディングス ビール類・RTD・その他樽詰商品・ノンアルコール飲料・輸入洋酒 一部商品の価格改定について
アサヒビール株式会社 事業・活動ビール類・RTD・その他樽詰酒類・ノンアルコール飲料・国産ウイスキーの価格改定について
サッポロビール株式会社 ビール類・酒類テイスト飲料・RTD・その他樽詰商品の価格改定について
サントリーグループ企業情報 ビール類・RTD・ノンアルコール飲料等の価格改定について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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