更新日: 2022.09.26 その他暮らし

今買って後から支払うBNPLは日本で広がるか?

今買って後から支払うBNPLは日本で広がるか?
ネットで商品やサービスを購入・利用する機会はますます増えつつあります。その際に決済方法はクレジットカードを利用することが多いのですが、新規のネットショップなどにカード登録する際は、ためらうことも多いと思われます。そんなとき、後払いが適用される「BNPL」がひとつの解決方法になります。今回はBNPLについて学んでみましょう。
植田英三郎

執筆者:植田英三郎(うえだ えいざぶろう)

ファイナンシャルプランナー CFP

家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。

BNPLとは

BNPLとは、「今買って後で払う」後払い方式のことで、「Buy Now,Pay Later」の略です。
 
ネットショップの代金支払いは、前払いや代引きのほか、クレジットカード(クレカ)決済が一般的で、最近はスマホでのQR決済やデビットカード決済も増えているようです。QR決済やデビットカード決済は、事前チャージや即時口座引き落としになっています。
 
一方、クレカ決済は、後払いですから購入(使用)から決済まで20日~50日の余裕期間があり、分割払いもできます。ただ、クレカ入手には事前審査があり、分割払いには手数料がかかります。
 
一方、BNPLは、スマホから比較的簡単に即時入会ができて、短期の分割払い(2~4回)の際に手数料がかからないこともメリットになっています。
 

後払い(BNPL)の種類と後払いの方式

国内で後払い(BNPL)を取り扱う大手の決済事業者は3社ほどあります。後払いの方式や利用可能店の種類などが違ってきますので、下表で見てみましょう。
 


表は筆者が各社のHPを参照して作成
 
Aはスマホを使って、氏名・メールアドレス・住所・生年月日等の個人情報を登録するだけで、簡単に会員登録と決済利用ができます。口座振替を利用しない場合は、銀行口座の登録は不要です。
 
利用可能なショップは、大手総合ネットショップ(amazonなど)や大手専門店のネットショップなどがあります。3回までの分割支払いが手数料なしでできます。専用カードをつくれば、一部クレカ(VISA)扱いショップでも後払いが可能です。
 
Bは、会員登録はAとほぼ同じですが、銀行の口座振替はありません。また、大手ネットショップは利用可能店に入っていませんが、約7万店の商品ごとの登録専門店ショップが利用可能です。分割払い制度は無いので、飲料・化粧品などの継続購入者を主要なターゲットとしているようです。
 
Cは、アメリカから進出のクレジットカード(クレカ)保有者向けの後払いシステムです。
 
ECサイト内で決済する際に、C社サービスでの決済を選択することで、あらかじめC社に登録したクレカから引き落とされるため、新たにECサイトでクレカ登録をしないで支払いができるしくみです。なお、C社口座内の自分の残高や、登録銀行口座から後払いで直接支払いもできます。
 

BNPLのメリット(利用者:購入者)

BNPLを利用するメリットは、以下のようなことが考えられます。
 
・新規のネットショップ(EC)取引の際のクレカの登録が不要
 新たなEC取引で物品購入やサービス提供を受ける際に、後払いのBNPLが使えるECの場合は、短時間でBNPL登録をして支払いができます。
 
・分割払いを手数料なしでできる
高額品は別にして、5-6万円程度の商品やサービス代金を2~4回の分割払いを希望する場合、BNPLの後払い使用によって、リボ払い時だとかかる手数料を無しで分割払いにすることができます。
 
・クレカ年会費の節約
複数のクレカを保有すると年会費も決して無視できない金額になります。BNPLを使うことによって、利用するクレカを少なくすることができる場合もあります。
 
このように、BNPLにはメリットがありますが、実際に使えるECサイトが少ないことや入会時に利用できる金額が少ない点はデメリットとして考えられるでしょう。
 

BNPLの世界のトレンド

北米やオーストラリア、北欧ではBNPLの大手ブランドが伸長していると言われています。「クラーナ」「PayPal」「アフターペイ」などのブランドは、国や地域によってはクレジットカードに匹敵する利用者があるようです(※)。
 
日本でのBNPLの伸長はまだこれからですが、新たなECサイトが生まれるとき、ECサイトがBNPLを使うことも考えられ、今後BNPL利用が増える可能性もあります。
 

まとめ

話題になり始めたBNPLと、初めて使うECサイトでの決済の度に悩むクレカ登録について見てきました。今後増えてくるかもしれないBNPLというキャッシュレス方式の動向を、ぜひチェックしてみてください
 

出典

(※)日本総研 拡大する Buy Now, Pay Later(BNPL)市場の動向と今後の展望
 
執筆者:植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP
 

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