「オレオレ詐欺」などの特殊詐欺に注意!去年はどのくらいの人がいくらくらい被害に遭ったの?
配信日: 2022.09.27
令和3年の被害状況や犯行手口から最新の対策をまとめましたので参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
令和3年の特殊詐欺の被害額は282.0億円。1件当たり202万円
警察庁によると、2021年の全国における特殊詐欺の認知件数は1万4498件、被害額は282.0億円となっています。被害額は過去最高となった2014年から半減しているものの、依然として高齢者を中心に被害が発生しています。1日当たりの被害額は約7730万円で、1件当たりの被害額は202万円と、大きな金額となっています。
被害は大都市圏に集中しており、東京(約3320件)、大阪(約1540件)、神奈川(約1460件)、千葉(約1100件)、埼玉(約1080件)、愛知(約870件)、兵庫(約860件)の7都府県で、全国の7割を占めています。
オレオレ型特殊詐欺が全体の56%を占める
主な手口別の認知件数を見ると、オレオレ詐欺、預貯金詐欺およびキャッシュカード詐欺盗の総称である「オレオレ型特殊詐欺」が8118件、被害額は160.7億円(1件当たり被害額は平均約198万円)と最も多く、総認知件数に占める割合は56.0%となっています。
以下は「架空料金請求詐欺」2117件、同68.1億円(同約320万円)で14.6%、「還付金詐欺」は4004件、同45.2億円(同約113万円)で27.6%と続きます。この3つの手口で、総認知件数の98.2%と被害額の97.1%と、ほぼ100%となっています。
被害金を犯人が受け取る方法別の認知件数を見ると、犯人がキャッシュカードを取りに来る「キャッシュカード手交型」が2698件、被害額は39.8億円、「キャッシュカード窃取型」が 2602件、被害額は39.5億円で、この2つが総認知件数の36.6%を占めています。また直接現金を犯人が受け取る「現金手交型」の認知件数は2793件、被害額は94.4億円です。
これら3つの方法は被害者と直接対面するものであり、総認知件数に占める割合は55.8%と最も多くなっています。次いで「振り込み型」が35.1%、以下は「現金送付型」「電子マネー型」となっています。
65歳以上の高齢者の被害は1万2724件で、法人被害を除いた総認知件数に占める割合は88.2%と非常に高くなっています。特に高齢女性の被害が多いようです。
予兆電話は年間10万件!予兆電話での会話が被害の呼び水
上記のような特殊詐欺において、被害者をあざむき、信じさせる欺罔(ぎもう)手段として最初に用いられたツールは、電話が88.9%とほとんどを占めています。オレオレ型特殊詐欺は約99%、還付金詐欺は100%が電話を利用しています。 一方、架空料金請求詐欺は電子メールが約46%、電話が約33%と、手口によって使うツールも異なるようです。
特殊詐欺の犯人が犯行の前に、警察官や自治体の職員、親族などをかたって電話をかけ、預金残高や自宅にある現金の有無などの資産状況、世帯構成、在宅時間などの情報を探る「予兆電話」が増えています。令和3年の件数は10万515件で、月平均は8376件と、前年の2.1%増加しています。
知らない番号は詐欺を疑う、個人情報を自分でさらけ出さない
犯行が成立した特殊詐欺の予兆電話は極めて巧妙で、男性の声だけとは限りませんし、時間帯も昼夜を問わず、時間をおいて複数回かかってくる恐れがあります。とはいえ、被害に遭わないために「人を見たら泥棒と思え」という心構えを持ち続けるのは気詰まりしてしまいます。
そこで、固定電話は発信元の番号を表示するナンバーディスプレー機能や留守番電話のほか、最近の機種には録音機能があることを事前に伝える機能を活用すること、お住まいの自治体や警察が対応型電話機や装置の購入補助制度や貸し出しを行っているか確認し、導入を検討してみましょう。
固定電話の受話器を取ることは、在宅時間帯を相手に伝えることにもつながり、詐欺に限らず悪質な訪問販売なども呼び寄せる恐れがあります。預貯金に関する情報はもちろん、携帯電話の番号をはじめとする各種個人情報を他人に教えないことが犯罪に遭わないための第一歩です。仮に予兆電話がかかってきても相手の質問に答えず、すぐに電話を切りましょう。
「自分は大丈夫」と思っていながら被害に遭う人が後を絶ちません。もし、被害に遭ったことを家族や警察に隠していると被害拡大につながる恐れがあります。被害の大小を問わず、気が付いたことがあったら、直ちに110番通報か最寄りの警察機関に向かいましょう。
出典
警視庁 特殊詐欺とは
警察庁 令和3年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部