更新日: 2022.10.04 暮らし

標準報酬月額が上がった場合のメリットとデメリットって?

執筆者 : 新井智美

標準報酬月額が上がった場合のメリットとデメリットって?
標準報酬月額は定時決定という方法で決まりますが、その他にも随時改定などで標準報酬月額が上がることもあります。今回は、標準報酬月額の決まり方と、標準報酬月額が上がった場合のメリットおよびデメリットについて解説します。
 
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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標準報酬月額の決まり方

標準報酬月額は、事業主から提出される届け出に基づき、日本年金機構が決定します。そして、標準報酬月額の決まり方には、以下の4通りがあります。
 

■定時決定

4月~6月に受けた報酬総額を3で割った額を標準報酬月額とし、その年の9月から1年間適用します。
 

■随時改定

昇級などで給与が変わった場合などで固定給が変動し、その後継続した3ヶ月間に受けた報酬総額を3で割った額が、定時改定で決定した時と比べ、標準報酬月額の等級で2等級以上の差が発生した際には、次の定時改定を待たずに標準報酬月額を変更し、それをその年の9月から翌年の8月まで当てはめます。
 
注意したいのは、引っ越しにより遠方から通勤するようになった場合です。標準報酬月額の算定には通勤手当も含まれますので、これまで会社の近くに住んでいたため、通勤手当が発生しなかったが、通勤手当が支給されるようになった場合には、標準報酬月額が上がることになり、その変動の度合いによっては随時改定の対象になる可能性があります。
 

■資格取得時

被保険者の資格を取得したときは、そのときの報酬に基づき、標準報酬月額を決定します。資格取得時に決定した標準報酬月額はその年の9月から翌年の8月まで当てはめられます。
 

■育児休業終了後

育児休業が終了して復帰した場合に、短時間勤務などで従来の標準報酬月額との差が生じた場合で、随時改定に当てはまらない場合には、事業主を経由して申し出ることで標準報酬月額が改定されます。
 

標準報酬月額が上がった場合のメリット

標準報酬月額が上がった場合のメリットには、以下のものがあります。
 

■厚生年金額が増加する

標準報酬月額が上がるということは、その分支払う厚生年金保険料も上がります。そうなると老後受け取る老齢厚生年金の額も上がることになります。また、遺族厚生年金や障害厚生年金の額にも影響します。
 

■傷病手当金の額が増加する

標準報酬月額は健康保険料の算定基準にもなっています。健康保険では、病気やけがで会社を休んだ際に請求することで傷病手当金が支給されます。傷病手当金の額は支払開始前1年間の標準報酬月額の平均額を元に計算しますので、標準報酬月額が多くなればその分受け取れる傷病手当金の額は多くなります。
 

標準報酬月額が上がった場合のデメリット

では逆に、標準報酬月額が上がった場合のデメリットには何があるのでしょうか。
 

■高額療養費の自己負担額が上がる

健康保険に用意されている高額療養費の制度は、その月に支払う医療費が年齢および所得によって決められた自己負担額を超えた場合に、その超えた部分を還付してもらえるものです。そしてこの自己負担額の算定にも標準報酬月額が関係しており、標準報酬月額が多くなると、自己負担額も増えていく仕組みになっています。自己負担額が多くなり、デメリットといえます。
 

■社会保険料の負担が上がる

標準報酬月額は厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料の算定基準になっています。さらに40歳以上になると介護保険料の負担が発生します。標準報酬月額が上がることによってこれらすべての保険料が上がることになり、収入は増えたけれど手取り額は減ってしまったという事態につながります。
 
保険料の負担が上がるということは、本人のみならず、会社の負担も増えることになり、会社としてもデメリットになるといえるでしょう。
 

まとめ

標準報酬月額が上がると、社会保険料の負担が増えます。ただ、それは結果としてメリットにつながることが多く、一時的なデメリットと捉えるほうがいいかもしれません。ただ、高額療養費の自己負担額が上がる可能性がある点は気付かなかった人もいるのではないでしょうか。
 
また、支払う社会保険料が増加することにより、社会保険料控除額がその分増えることになるため、人によっては若干の節税効果が生まれる可能性もあります。
 
社会保険料の支払いが多くなることにより、将来の年金だけでなく、自身が病気になった際の傷病手当金や、障害および遺族厚生年金が手厚くなるなどメリットも生まれます。標準報酬月額が上がる仕組みと、それによって得られるメリットを理解し、長期目線でプラスに考えることが大切です。
 

出典

全国健康保険協会 ホームページ

 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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