2人目の子どもが生まれました。保険の見直しはどうしたらいいですか?

配信日: 2022.10.29

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2人目の子どもが生まれました。保険の見直しはどうしたらいいですか?
初めて子どもが生まれたときは、家族が増えたことで保険の見直しを考える人は多いと思います。
 
しかし、2人目の子どものときには、特に保険の見直しを行ってからそれほど時間がたっていない場合、あらためて見直しはしていないという人もいるのではないでしょうか。
 
今回は、子どもがいる家庭で必要となる保険のほか、2人目の子どもが生まれたときの保険の見直しについて考えてみました。
吉野裕一

執筆者:吉野裕一(よしの ゆういち)

夢実現プランナー

2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている

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子どもが生まれたときに考える保険とは

結婚して新しい家族ができると、家族を守っていくという意識も高まるのではないでしょうか。そして子どもが生まれたら、社会人になるまで育てていくという責任も出てきます。
 
従来は「子どもが生まれたら学資保険に加入」という言葉をよく耳にしましたが、現在のような超低金利では戻ってくるお金がほとんど増えないことから、学資保険の貯蓄機能は魅力がないものになっています。
 
ただし、保障の面から学資保険を見ると、契約者である親に万が一のことがあった場合には決められた時期に保険金が支払われるので、子どもが大学を卒業するまでの教育費を確保できるというメリットはあります。
 
また、子どもの医療保険への加入を検討する人も見受けられますが、子どもの医療費については各自治体が乳幼児等医療費の助成制度を設けています。この助成により、子どもが一定の年齢に達する年度末までは医療費の窓口負担が無料、もしくは低額となります。
 
対象となる子どもの年齢は自治体によっても異なりますが、15歳となった年度末までが多くなっており、一定の年齢までは子どもの医療費への備えとして民間の医療保険に加入する必要性は低いといえます。
 
以上のことを踏まえて、子どもが生まれたときに見直しや新規の加入が必要となる保険は、子どもが社会人になるまでの生活費や教育費が途絶えないようにするための保険ということになります。
 

生活費や教育費を絶えさせない保険

では、生活費や教育費を絶えさせない保険には、具体的にはどんなものがあるのでしょうか。
 
収入が途絶える最も大きな原因としては、家族の生計を維持している方が亡くなるということがあります。死亡に関する保障がある保険として、終身保険や定期保険があります。終身保険は生涯にわたって保障が続きますが、高額な保険金をかける場合は保険料の負担も大きくなります。
 
子どもが社会人になるまでと考えると、終身保険ではなく定期保険で準備する方法もあるでしょう。定期保険は一定期間の死亡保障を準備するもので、一般的には保険始期から終期まで受け取る死亡保険金は一定となりますが、保険期間の経過に応じて保険金の受取総額を減らしていくことで、保険料を抑えられる収入保障保険という種類もあります。
 
収入保障保険は、保険期間中に毎月一定額の保険金を受け取れることで、給与のように決まった収入が入り、一時金で受け取るよりも計画的にお金を使えるという点がメリットとして挙げられます。
 
ただし、生計を維持する方が亡くなった場合には、加入している年金制度から遺族年金が支給されます。自営業など国民年金加入者では遺族基礎年金、会社員など厚生年金加入者では遺族基礎年金と合わせて遺族厚生年金を、対象となる遺族の方は受け取ることができます。
 

遺族基礎年金

77万7800円
子の加算223800円
3人目以降の子の加算額74600円

 

遺族厚生年金

(A+B)×3/4

A平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの加入月数
B平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入月数

 
上記は令和4年度の遺族基礎年金の受給額と、遺族厚生年金の受給額の計算式です。
 
例えば、夫が会社員でボーナスを含めた平均標準報酬額が40万円、厚生年金加入期間が15年(180月)、生計を維持されている妻と未就学の子ども1人の3人家族で、万が一、夫が亡くなったとします。
 
遺族厚生年金の場合、厚生年金の加入期間が25年未満でも300月と見なして計算されるので、遺族年金は年額で遺族基礎年金の100万1600円(77万7800円+子の加算額22万3800円)と、遺族厚生年金の49万3290円を合わせた149万4890円、月額では12万4570円となります。
 
住宅ローンを利用して住宅を購入している場合は、契約者の死亡時にローン残高が団体信用生命保険で相殺されることがあります。ただし賃貸住宅であれば、これまでどおり家賃の支払いは必要です。
 
家族の生計を維持している方が亡くなることで、家計の収入に対して生活費などの支出の割合は大きくなるので、現在の生活費と、万が一の際に受け取れる遺族年金の金額を比べて、不足している金額を保険で準備しておくことが必要と考えます。
 

2人目の子どもが生まれたときは

2人目が生まれたら、それまでより生活費は増えるでしょう。また、子ども1人が大学を卒業するまでの教育費として1000万円以上が必要という統計があり、家庭の方針や子どもが希望する進路によっては、子ども2人で2000万円以上の教育費が必要になってきます。
 
教育費は子どもが生まれたときから大学卒業まで、長期間で準備をすることができます。ただし、教育費を保険で準備するのは現在では効率的ではないと考えられます。
 
前述したように子どもが生まれると、社会人になるまでの生活費や教育費に対する保障が必要となります。1人目の子どもが生まれたときに加入した定期保険や終身保険の保障額は、2人目が生まれることで足りなくなっている可能性もあります。
 
また、夫の扶養の範囲内で妻が働いている場合、万が一、妻が亡くなったときに家計の総収入が減ってしまうという不安もありますが、遺族基礎年金は子どもがいる夫にも支給されます。扶養控除の範囲内となる収入と変わらないくらいの遺族年金は受け取れるので、収入の減少による不足分のカバーは必要ないかもしれません。
 
ただし、妻も厚生年金に加入して就労しており、家計として必要な収入を得ているケースでは、妻が亡くなった際の遺族厚生年金は夫が55歳以上でなければ支給されないため、妻の死亡保障についても考える必要があるでしょう。
 
子どもの教育費をつみたてNISAなどで準備している家庭もあると思います。2人目が生まれ、つみたてNISAの掛け金を増額した場合、万が一の際には掛け金を減らす選択もありますが、その積み立てを継続できるようにするためには保険による保障額の増額も検討しなくてはいけません。
 

まとめ


2人目の子どもが生まれたタイミングでは、大幅な保険の見直しは必要ないかもしれません。ただし、生活費や将来の教育費の負担の増加に応じた保障は必要になるでしょう。
 
今後の生活費や準備しておくべき教育費などを確認した上で、新たな保険への加入の検討や必要な保障額の試算など、保険についての見直しを行いましょう。
 

出典

厚生労働省 令和2年度「乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」について
文部科学省 子供の学習費調査
日本政策金融公庫 教育費に関する調査結果
 
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー

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