更新日: 2019.01.08 その他暮らし
退職時に『残りの有給日数20日』 この有給休暇を会社に『買い取ってもらう』 そんな事可能なの?
かといって、退職前にまとめて取得しようとしても、引継ぎであったり通常業務への対応で結局思ったように有給休暇を取得できないということもありえます。
有給休暇を残したまま退職してしまうと、その残った部分については消滅してしまいます。
そう考えると、少し損した気分になってしまいませんか?
しかし、消えてしまう部分について会社が買い取ってくれるとなれば、有給休暇が臨時収入へと変化し、得した気分になることでしょう。
そこで、今回は有給休暇の買い取りについて解説していきます。
Text:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
退職時に余っている有給は買い取ってもらうことができます
有給休暇の買い取りは厚生労働省の通達により、基本的に禁止されています。
なぜなら、本来有給休暇は従業員の疲労回復やリフレッシュを目的としているからなのです。
にもかかわらず、会社による買い取りを認めてしまうと、方法によっては会社が従業員に有給休暇を取得させないようすることが可能になってしまうからです。
ところが、有給休暇の買い取りの禁止にはいくつかの例外があります。
その例外の一つが「退職時に有給休暇が余っている場合」なのです。
退職後において有給休暇は利用できません。
つまり、退職時に残った有給休暇はそのまま消えてしまいます。
消えていく有給休暇を買い取っても労働者にとって不利益とはなりません。
そのため、退職時に余っている有給休暇の買い取りが認められているのです。
有給1日あたりの買い取り額はいくらになるの?
有給休暇の買い取りが可能であるならば、次に気になるのがその買い取り額でしょう。
実は法律において、有給休暇の買い取り単価に関する取り決めは存在していません。
そのため、買い取り額については会社との合意によって決定されることとなります。
買い取り額について規定があるのか、退職前に会社へ確認しておきましょう。
会社の提示する買い取り額に納得がいかなければ交渉してみるのも一つの手です。
有給の買い取りは法的義務ではない!
退職時における有給休暇の買い取りは法律によって禁止されていないこと。
そして、買い取り額は会社との間で自由に決められること。そう聞くと、まるで会社は買い取り請求に応じなければならないようにも考えられます。
しかし、実際には有給休暇の買い取りが義務とはされていません。
会社は退職する従業員からの買い取り請求に必ずしも応じる必要はないのです。会社の方針によっては有給休暇の買い取りを認めてもらえないことがある点には注意が必要です。
もし有給を買い取ってもらうように考えているのであれば、買い取りの額とあわせ、その可否についても会社へ確認しておきましょう。
有給休暇は使用することが基本です
退職時に残っている有給休暇を会社に買い取ってもらうこと自体は可能です。
とはいえ、有給休暇は本来休養やリフレッシュのために設けられている制度です。
会社には有給休暇を買い取ることについて法的義務はありません。また、買い取り額について法律で明確に基準が定められているわけでもありません。
買い取りを目的として有給休暇を残しておくと、最終的に思うような結果とならないことも少なくありません。有給休暇の使い方について、今一度考えてみてはいかがでしょうか。
Text:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士・2級ファイナンシャルプランナー